ワシル・ロマチェンコの芸術品を堪能させていただいた土曜日の午後、贅沢な気分のままにボクサーの評価について考えてみます。

プロボクサーにとって最も名誉ある勲章は、他の米国スポーツと同様に「殿堂入り」です。

次に、殿堂入りよりも難しいと思われる〝FIGHTER OF THE YEAR〟 でしょうか。

この〝FIGHTER OF THE YEAR〟は、リング誌をはじめ多くのメディアが独自に発表、最も権威があるのは全米ボクシング記者会(BWAA)選出の〝FIGHTER OF THE YEAR〟(シュガー・レイ・ロビンソン賞)です。

しかし、その発端はBWAAの第1回が1938年のジャック・デンプシーに対して、リング誌は10年も遡る1928年のジーン・タニーです(ジャック・デンプシーがシュガー・レイ・ロビンソン杯を贈られなかったのは言うまでもありません)。

そして、ここで取り上げるのが〝もう一つのFIGHTER OF THE YEAR〟リング誌の BEST FIGHTER POLLであることから、リング誌の FIGHTER OF THE YEAR で進めていきたいと思います。

その、リング誌FIGHTER OF THE YEAR、90年の綺羅星たちです。

青字はFIGHTER OF THE DECADE(10年刻み最高選手)で、FIGHTER OF THE YEARに一度も選ばれることなくFIGHTER OF THE DECADEに選出されたボクサーは60年代のエデル・ジョフレ、70年代のロベルト・デュランだけです。

この60年代、66年に本来は受賞するはずだったモハメド・アリが徴兵拒否など反国家的な態度を取ったという理由で「該当者なし」になるなどいろんな意味でアリの時代でした。

そして、今日のテーマは80年から始まったBEST FIGHTER POLL です。

こちらもリング誌が専門家投票でBEST FIGHTER を決めるものでしたが、当初から「FIGHTER OF THE YEAR と何が違うのかハッキリしない」という批判がありました。

その記念すべき第1回1980年のBEST FIGHTER POLLにはロベルト・デュランが輝きましたが、石の拳はFIGHTER OF THE YEARには一度も選出されていないのです。
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1928年 -  ジーン・タニー
1929年 -  トミー・ローラン
1930年 -  マックス・シュメリング
1931年 -  トミー・ローラン(2度目)
1932年 -  ジャック・シャーキー
1933年 -世界戦争の混乱からボクシングどころではなくなり発表なし
1934年 -  トニー・カンゾネリ /  バーニー・ロス
1935年 -  バーニー・ロス(2度目)
1936年 -  ジョー・ルイス
1937年 -  ヘンリー・アームストロング
1938年 -  ジョー・ルイス(2度目)
1939年 -  ジョー・ルイス(3度目)
1940年 -  ビリー・コン
1941年 -  ジョー・ルイス(4度目)
1942年 -  シュガー・レイ・ロビンソン
1943年 -  フレッド・アポストリ
1944年 -  ボー・ジャック
1945年 -  ウィリー・ペップ
1946年 -  トニー・ゼール
1947年 -  ガス・レスネビッチ
1948年 -  アイク・ウィリアムス
1949年 -  イザード・チャールズ
1950年 -  イザード・チャールズ(2度目)
1951年 -  シュガー・レイ・ロビンソン(2度目)
1952年 -  ロッキー・マルシアノ
1953年 -  カール・ボボ・オルソン
1954年 -  ロッキー・マルシアノ(2度目)
1955年 -  ロッキー・マルシアノ(3度目)
1956年 -  フロイド・パターソン
1957年 -  カーメン・バシリオ
1958年 -  インゲマル・ヨハンソン
1959年 -  インゲマル・ヨハンソン(2度目)
1960年 -  フロイド・パターソン(2度目)
1961年 -  ジョー・ブラウン
1962年 -  ディック・タイガー
1963年 -  モハメド・アリ
1964年 -  エミール・グリフィス
1965年 -  ディック・タイガー(2度目)
1966年 - なし=2016年にモハメド・アリが遡って受賞。
1967年 -  ジョー・フレージャー
1968年 -  ニノ・ベンベヌチ
1969年 -  ホセ・ナポレス※60年代FODはエデル・ジョフレ
1970年 -  ジョー・フレージャー(2度目)
1971年 -  ジョー・フレージャー(3度目)
1972年 -  モハメド・アリ(2度目) /  カルロス・モンソン
1973年 -  ジョージ・フォアマン
1974年 -  モハメド・アリ(3度目)
1975年 -  モハメド・アリ(4度目)
1976年 -  ジョージ・フォアマン(2度目)
1977年 -  カルロス・サラテ
1978年 -  モハメド・アリ(5度目)
1979年 -  シュガー・レイ・レナード
1980年 -  トーマス・ハーンズ
1981年 -  シュガー・レイ・レナード(2度目) /  サルバドル・サンチェス
1982年 -  ラリー・ホームズ
1983年 -  マービン・ハグラー
1984年 -  トーマス・ハーンズ(2度目)
1985年 -  マービン・ハグラー(2度目) /  ドナルド・カリー
1986年 -  マイク・タイソン
1987年 -  イベンダー・ホリフィールド
1988年 -  マイク・タイソン(2度目)
1989年 -  パーネル・ウィテカー
1990年 -  フリオ・セサール・チャベス
1991年 -  ジェームズ・トニー
1992年 -  リディック・ボウ
1993年 -  マイケル・カルバハル
1994年 -  ロイ・ジョーンズ・ジュニア
1995年 -  オスカー・デ・ラ・ホーヤ
1996年 -  イベンダー・ホリフィールド(2度目)
1997年 -  イベンダー・ホリフィールド(3度目)
1998年 -  フロイド・メイウェザー・ジュニア
1999年 -  ポーリー・アヤラ
2000年 -  フェリックス・トリニダード
2001年 -  バーナード・ホプキンス
2002年 -  バーノン・フォレスト
2003年 -  ジェームズ・トニー(2度目)
2004年 -  グレンコフ・ジョンソン
2005年 -  リッキー・ハットン
2006年 -  マニー・パッキャオ
2007年 -  フロイド・メイウェザー・ジュニア(2度目)
2008年 -  マニー・パッキャオ(2度目)
2009年 -  マニー・パッキャオ(3度目)
2010年 -  セルヒオ・マルチネス
2011年 -  アンドレ・ウォード
2012年 -  ファン・マヌエル・マルケス
2013年 -  アドニス・ステベンソン
2014年 -  セルゲイ・コバレフ
2015年 -  タイソン・フューリー
2016年 -  カール・フランプトン
2017年 -  ワシル・ロマチェンコ
2018年 -  オレクサンダー・ウシク

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デュランのケースとは逆にBEST FIGHTER POLLで1位になったことがないのに、FIGHTER OF THE YEARに選出されたファイターは延べ21人(黄色の網掛け)、1985年にマービン・ハグラーと同時受賞のドン・カリーを加えると22人にのぼります。

特にこの10年で、 FIGHTER OF THE YEARに選ばれた10人のうち、BEST FIGHTER POLLでも1位を獲得したのは2009年のマニー・パッキャオだけ、両立する方が完全にレアなケースとなっているのです。

これはいったいどういうことなのでしょうか?