8年前に静かに始まり、ひっそりと閉幕した「バンタム4」。
長谷川穂積が参戦を見送ったことで、ボクシングファンでもその存在は歯牙にもかけていませんでした。
そのバンタム4も、宿命的な問題を抱えていました。
問題、ではなくボクシング界の暗部と置き換えても良いかもしれません。
ゴールデン・ボーイ・プロモーションズ(GBP)とSHOWTIME、蜜月関係にある両者が主導したトーナメントは〝出来レース〟でもありました。
ゲイリー・ショウ(ビック・ダルチニアン)、トンプソン・ボクシング・プロモーション(ヨニー・ペレス)、ドン・キング(ジョセフ・アグベコ)と脆弱なプロモーター(ドン・キングはこの頃完全に没落)と寄り添う3人のファイターがいかに実力者とはいえ、GBPの虎の子マレスと戦うとリングの上と下で何が起きるのか、ボクシングファンなら誰でもわかることです。
リングの上ではマレスの度重なるローブローに注意すら与えないくせに、そのローブローをホールディングで防ぐ選手を注意するレフェリーが立ち、リングの下では微妙なラウンドは全てマレスにつけるジャッジが3人座っていたのです。
以前なら、自分の不正は棚に上げて人の誤謬は声を荒げて抗議していたドン・キングも、下腹部を打たれながら消耗していくアグベコの姿をリング下で悲しい目で見続けるしかありませんでした。
このとき試合を裁いたラッセル・モーラは「史上最悪の主審」と糾弾されましたが、その訴えは大きなうねりになることなく忘れ去られ、モーラは今でもビッグファイトやメガファイトを図々しくレフェリングしています(最近ではパッキャオvsブローナー)。
それでも、最後までトーナメントをとどこおりなく完徹したという一点では、まだWBSSよりはマシだったのかもしれません。
リング誌のマイク・コッピンガーがツイッターで「イヴァン・バラチェクのWBSS離脱は全ての始まりかもしれない」とWBSSの行く末を危惧しています。
「 レジス・プログレイスも他のWBSS参加選手同様に、約束通りの報酬が支払われないことへの不信感を限界まで募らせている」。
しかし、一方で「バンタム級セミファイナルは4月13日か27日にロスアンゼルスでダブルヘッダーの形で行われる可能性がある」 ともつづっています。
しかしこれに対して読者から「Let us know when it's happening not when it could happen, that's not news allot of things could hapen (教えて欲しいのは〝可能性がある〟じゃなくて決定事項だ。こんだったら誰にだって言える)」厳しいリツートも。
それでも、リング誌の記者が根も葉もないことを書くわけがないと「リング誌性善説」を信じて、吉報を待ちたいと思います。
また、バラチェクの離脱は1月31日にマネージャーのデビッド・マクウォーターがリング誌の取材に応じて明らかにしたものですが、その直後にWBSSが「5月18日にグラスゴーでジョシュ・テイラーと行う」と発表、陣営を説得している模様です。
今日2月4日にはBoxRecもスケジュールに入れており「離脱撤回」となったのかもしれません。
リング誌によると、WBSS準決勝は当初契約で1〜3月に行う契約でした。
しかし、WBSSが資金を集めることが出来ず、当初予定を無期限延期にしたことが、初戦の報酬未払いも重なり、参加ボクサーとその陣営は激怒します。当たり前です。
参加しているのは全て世界レベルのボクサーで年3〜4試合はこなす予定で、収入を予想しトレーニングしています。
それが2試合、下手したら1試合になるなんて甚だしい約束破りです。
WBSSに振り回されているのは井上尚弥や日本のファンだけではありません。
1月か2月の井上との大一番に備えて11月からキューバでキャンプを張ったエマヌエル・ロドリゲスにとっても、必要のない悩みに頭を抱えるだけでなく、練習計画までオジャンです…。
腐らずに技を研ぎ澄まし続けて欲しいですね。WBSS破綻の場合、彼が満足する報酬で日本に迎えてあげることが出来たらいいのですが…。=写真=WBOラテン王者のベルトとスナップ(2015年頃でしょうか)
マクウォーターが噛み付いてようやくWBSSが重い腰をあげましたが、ジュニアウェルター級のもう1試合とバンタム級の2試合、クルーザー級の2試合の計5試合についてはまだ何の発表もありません。
それでも、マクウォーターはブランチェクについて「もうこれ以上WBSSと関わりたくない」と離脱の意思が固いと伝えています。
「もうWBSSとは関わりたくない」。この気持ちは、日本のファンも共感できるのではないでしょうか。
しかし、この離脱表明を受けてマクウォーターとプロモーターのルウ・ディベラのもとにWBSSから「離脱したら法的手段に訴える」とメールが送りつけられたのです。
マクウォーターは「彼らはビジネスとファイナンシャルの問題解決に全力を尽くしてトーナメントを正常化させることを優先すべきであって、リーガル(裁判沙汰)に持ち込むことじゃないはずだ」と心外しています。
「トーナメントを主宰するコモサが健全な財源を確保できるとは思えない。彼らが私を訴えるかどうかはわからないが、そうなったらこっちも訴訟を起こす。黙ってられるか」。
「That kid(バラチェク)は米国で市民権(グリーンカード)を得る夢を描く移民だ。経済的な成功をつかもうと必死に努力している青年にやつらは報酬を遅配、約束通りの金額も渡さない。しかも、次の試合がいつになるか悶々とする無駄な時間を何ヶ月も強いているんだ」。
「あの子まだ26歳だが、米国市民権を得るにはチャンスも時間も限られてしまう。まともな報酬が支払われるかどうかもわからない試合が決まるまで、いつまでも待っていようね、なんて寝言で慰めることはできない」。
そして、バラチェクに挑戦するテイラー。
At the moment, it doesn’t appear Taylor will have that opportunity.
バラチェクと準決勝を戦う予定のテイラーは「IBF王者バラチェクと戦えるのは光栄だ。小さい頃からの夢だったんだから」と、今回の開催日時・場所決定を喜んでいますが、その夢舞台が本当に訪れるかどうかは極めて不透明な状況です。
WBSSは、トーナメントですから途中離脱は、存在の根本を揺るがす一大事です。
「大きな怪我や病気などを理由としない限り、一切の離脱は認められない。もし、個人都合で離脱する場合は契約に従って違約金を請求する」。
そんな一文が契約書にあることは当然といえば、当然ですが…。
その条文って、トーナメントが健全に運営されるという大前提があってのものですよね?
トーナメントが崩壊寸前なのに「離脱は許さない」 なんて、明らかにおかしいし、杓子定規の司法の場でも酌量されるはずです。
長谷川穂積が参戦を見送ったことで、ボクシングファンでもその存在は歯牙にもかけていませんでした。
そのバンタム4も、宿命的な問題を抱えていました。
問題、ではなくボクシング界の暗部と置き換えても良いかもしれません。
ゴールデン・ボーイ・プロモーションズ(GBP)とSHOWTIME、蜜月関係にある両者が主導したトーナメントは〝出来レース〟でもありました。
ゲイリー・ショウ(ビック・ダルチニアン)、トンプソン・ボクシング・プロモーション(ヨニー・ペレス)、ドン・キング(ジョセフ・アグベコ)と脆弱なプロモーター(ドン・キングはこの頃完全に没落)と寄り添う3人のファイターがいかに実力者とはいえ、GBPの虎の子マレスと戦うとリングの上と下で何が起きるのか、ボクシングファンなら誰でもわかることです。
リングの上ではマレスの度重なるローブローに注意すら与えないくせに、そのローブローをホールディングで防ぐ選手を注意するレフェリーが立ち、リングの下では微妙なラウンドは全てマレスにつけるジャッジが3人座っていたのです。
以前なら、自分の不正は棚に上げて人の誤謬は声を荒げて抗議していたドン・キングも、下腹部を打たれながら消耗していくアグベコの姿をリング下で悲しい目で見続けるしかありませんでした。
このとき試合を裁いたラッセル・モーラは「史上最悪の主審」と糾弾されましたが、その訴えは大きなうねりになることなく忘れ去られ、モーラは今でもビッグファイトやメガファイトを図々しくレフェリングしています(最近ではパッキャオvsブローナー)。
それでも、最後までトーナメントをとどこおりなく完徹したという一点では、まだWBSSよりはマシだったのかもしれません。
リング誌のマイク・コッピンガーがツイッターで「イヴァン・バラチェクのWBSS離脱は全ての始まりかもしれない」とWBSSの行く末を危惧しています。
「 レジス・プログレイスも他のWBSS参加選手同様に、約束通りの報酬が支払われないことへの不信感を限界まで募らせている」。
しかし、一方で「バンタム級セミファイナルは4月13日か27日にロスアンゼルスでダブルヘッダーの形で行われる可能性がある」 ともつづっています。
しかしこれに対して読者から「Let us know when it's happening not when it could happen, that's not news allot of things could hapen (教えて欲しいのは〝可能性がある〟じゃなくて決定事項だ。こんだったら誰にだって言える)」厳しいリツートも。
それでも、リング誌の記者が根も葉もないことを書くわけがないと「リング誌性善説」を信じて、吉報を待ちたいと思います。
また、バラチェクの離脱は1月31日にマネージャーのデビッド・マクウォーターがリング誌の取材に応じて明らかにしたものですが、その直後にWBSSが「5月18日にグラスゴーでジョシュ・テイラーと行う」と発表、陣営を説得している模様です。
今日2月4日にはBoxRecもスケジュールに入れており「離脱撤回」となったのかもしれません。
リング誌によると、WBSS準決勝は当初契約で1〜3月に行う契約でした。
しかし、WBSSが資金を集めることが出来ず、当初予定を無期限延期にしたことが、初戦の報酬未払いも重なり、参加ボクサーとその陣営は激怒します。当たり前です。
参加しているのは全て世界レベルのボクサーで年3〜4試合はこなす予定で、収入を予想しトレーニングしています。
それが2試合、下手したら1試合になるなんて甚だしい約束破りです。

1月か2月の井上との大一番に備えて11月からキューバでキャンプを張ったエマヌエル・ロドリゲスにとっても、必要のない悩みに頭を抱えるだけでなく、練習計画までオジャンです…。
腐らずに技を研ぎ澄まし続けて欲しいですね。WBSS破綻の場合、彼が満足する報酬で日本に迎えてあげることが出来たらいいのですが…。=写真=WBOラテン王者のベルトとスナップ(2015年頃でしょうか)
マクウォーターが噛み付いてようやくWBSSが重い腰をあげましたが、ジュニアウェルター級のもう1試合とバンタム級の2試合、クルーザー級の2試合の計5試合についてはまだ何の発表もありません。
それでも、マクウォーターはブランチェクについて「もうこれ以上WBSSと関わりたくない」と離脱の意思が固いと伝えています。
「もうWBSSとは関わりたくない」。この気持ちは、日本のファンも共感できるのではないでしょうか。
しかし、この離脱表明を受けてマクウォーターとプロモーターのルウ・ディベラのもとにWBSSから「離脱したら法的手段に訴える」とメールが送りつけられたのです。
マクウォーターは「彼らはビジネスとファイナンシャルの問題解決に全力を尽くしてトーナメントを正常化させることを優先すべきであって、リーガル(裁判沙汰)に持ち込むことじゃないはずだ」と心外しています。
「トーナメントを主宰するコモサが健全な財源を確保できるとは思えない。彼らが私を訴えるかどうかはわからないが、そうなったらこっちも訴訟を起こす。黙ってられるか」。
「That kid(バラチェク)は米国で市民権(グリーンカード)を得る夢を描く移民だ。経済的な成功をつかもうと必死に努力している青年にやつらは報酬を遅配、約束通りの金額も渡さない。しかも、次の試合がいつになるか悶々とする無駄な時間を何ヶ月も強いているんだ」。
「あの子まだ26歳だが、米国市民権を得るにはチャンスも時間も限られてしまう。まともな報酬が支払われるかどうかもわからない試合が決まるまで、いつまでも待っていようね、なんて寝言で慰めることはできない」。
そして、バラチェクに挑戦するテイラー。
At the moment, it doesn’t appear Taylor will have that opportunity.
バラチェクと準決勝を戦う予定のテイラーは「IBF王者バラチェクと戦えるのは光栄だ。小さい頃からの夢だったんだから」と、今回の開催日時・場所決定を喜んでいますが、その夢舞台が本当に訪れるかどうかは極めて不透明な状況です。
WBSSは、トーナメントですから途中離脱は、存在の根本を揺るがす一大事です。
「大きな怪我や病気などを理由としない限り、一切の離脱は認められない。もし、個人都合で離脱する場合は契約に従って違約金を請求する」。
そんな一文が契約書にあることは当然といえば、当然ですが…。
その条文って、トーナメントが健全に運営されるという大前提があってのものですよね?
トーナメントが崩壊寸前なのに「離脱は許さない」 なんて、明らかにおかしいし、杓子定規の司法の場でも酌量されるはずです。
コメント