マニー・パッキャオが2年ぶりに米国リングに戻ってきた、エイドリアン・ブローナーとの一戦。

16000人キャパのMGMグランドガーデンアリーナに詰めかけた観客は、13025人。

主催者は「チケットは完売した」と強気ですが、後部座席に空席も目立ちました。

しかし、専門家が32万5000から35万世帯と予想していたPPV売り上げは40万を突破。

単価79.99ドル(約8,000円)ですから、約3200万ドル(約32億円)を売り上げた計算です。

ここにMGMグランドが支払った招致フィー(800〜1000万ドル)に、スポンサー収入、ゲート収入などが加算された総計が興行規模になります。

ボクシングの実力評価は低いものの、一定の人気のあるブローナーはHBOやShowtimeで高い視聴率をマーク、今回がキャリア初のPPVの大舞台でした(そしておそらくこれが最後)。

「この数字からはっきりわかることは、フロイド・メイウェザーとの再戦なら200万世帯(第1戦は460万世帯)、キース・サーマンや、エロール・スペンスJr.vsマイキー・ガルシアの勝者となら40万を軽く超えてくるだろうということ。パッキャオはキャリア最晩年の現在ですら、カネロ・アルバレスと並ぶボクシング界最大のスター」(Yahoo!sport)。

ボクシングを素材にした作品も多いアーティスト、テイラー・ストリーターも大のパックマニア。しかし、メイウェザーがレイジェスをはめることは絶対にありません。

個人的にはパッキャオのファンですが、この試合は世界タイトルマッチといってもリング誌やESPNなどまともなメディアは「セカンドタイトル」と世界王座とは認めていない〝マイナータイトル〟でした。

しかも、相手はとっくの昔に化けの皮が剥がれたエイドリアン・ブローナー、WOWOWや日本のファンは勘違いしていますが正真正銘のB級ファイターです。

PPVが売れたのはパッキャオの名前があったから、それだけです。

それにしても、米国のファンはどうなのかな、と思ってしまいます。

昨年12月1日のヘビー級タイトルマッチ。リネラル王者タイソン・ヒューリーvsWBC王者デオンティ・ワイルダーの、今がプライムタイムの実力者が激突した試合のPPV売り上げが32万5000世帯でした。

この、二つのメガファイト。

後者は「未来のヘビー級を語る試合」。これから坂の上の雲を目指す物語です。

そして前者は「パッキャオのカウントダウン興行です」。伝説のエピローグです。

どちらもボクシングファン必見の一戦でしたが、昇る太陽に、沈む夕陽が興行的に圧勝してしまうというのは…没落する一方の米国ボクシングの闇を見る思いで、少し寂しくなります。