リング誌は、電子版ですでにMMAコーナーを設け、プリント版でも2019年1月号から「ENTER THE OCTAGON」の連載がスタートしました。

リング誌もかつては「ボクシングだけでなくプロレスも扱っていた時期がある」と聞きますが、なかなかその当時の現物はお目にかかれません。

「黒歴史」として闇に葬ったのでしょうか?

日本でもボクシングマガジンはかつて「ボクシング・プロレスマガジン」だったといいますし、ゴングは長らく二つの格闘技を並列的に取り上げていました。

とはいえ、あのリング誌が、です。

リング誌は2016年に当時のMMAで男女を超えて代表する存在だったロンダ・ラウジーを単独カバーに起用、大特集を組みましたが、そのテーマはあくまで「世界一有名な女子格闘家がボクシングに進出?」というものでした。 
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ロンダ・ラウジーやコナー・マクレガーは余裕の100万ドルファイターで、あらゆる軽量級ボクサーはもちろん、ほとんどのボクサーもその報酬と知名度には足元にも及びません。

現在、プロレスは世界的に「真剣勝負の格闘技ではなくショー」という方向に進む一方で、MMAはボクシングに並ぶ「真剣勝負のプロ格闘技」としての地位を完全に確立しています。

ESPNや米国Yahoo!スポーツでは、その扱いはボクシングと並ぶか、超えているといって差し支えないでしょう。

日本ではUFCがMMAの完全本流になるまでは、プライドが世界最高峰の舞台を提供する団体の一つとして確固たる地位を築いていました。

現在のライジンですら那須川天心や堀口恭司は、その知名度や報酬で、ボクシングの日本人世界王者の多くを上回っています(目くそ鼻くそ、どんぐりの背比べですが)。

そして、ここが重要だと思うのですが、欧米ではこの二つのスポーツの交流は、日本では考えられないくらいに健康的に進んでいます。

ボクシングファンが完全な上から目線でMMAを睥睨する日本では考えられないことで、もしかしたらリング誌がMMAコーナーを設けるよりも、ボクシングマガジンやビートがそのコーナーを作るとしたら、そっちの方が驚くべきことなのかもしれません。

ボクシングとMMA(キックボクシングは世界的にはあまりにもマイナーなのでここでは俎上に乗せません)、両者の溝がより深くより大きくなる日本の現状を見つめ直し、ボクシング界(というかこの国のスポーツ界の習性)とライジン(今は事実上この団体しか存在していません)がそれぞれに抱える深い闇と、互いのファンが世界の真実から目と耳を塞がれている(自ら塞いでいる)ことから引き起こされている悲劇(喜劇)を検証していきます。

日本ではどうしてMMAがスポーツとして認められていないのか?

那須川天心はどうしてボクシングの試合に出場できないのか? 

井岡一翔はどうしてマカオの宴会場でPFPファイターと戦ったのか?

狭量と疑心と嫉妬と暗愚が高濃度で混じり合う、醜い大人たちの物語です。