Deontay Wilder should be a bigger star in America than he is.

デオンティ・ワイルダー はもっと大スターになってしかるべきなのに。


リング誌電子版の記事をまじえてのお話です。

WBCヘビー級のタイトルを8度も防衛、キャリア41戦39KO、全ての試合で対戦相手からダウンを奪って、どの試合もスリルに溢れ、ハズレがない。そんなワイルダーなのに、米国ではそれにふさわしい人気、認知度がない、という話です。 

この試合のPPV販売は、30万世帯を超えたそうです。 

英国でのPPVと、プレイステイション4などのデジタル販売、劇場生中継(クローズドサーキット)の数字は入っていない数字です。

販売の〝損益分岐点〟いわゆるボクサーに歩合報酬が発生するラインは、25万世帯に設定されていたそうですから、そのポイントを超えたことになります。

これで、ワイルダーに400万ドル、フューリーに300万ドルが最低保障されていたファイトマネーに歩合(両者の割合などは未発表)が加算され、二人ともに1000万ドル近い報酬を受け取ることになりそうです。

ちなみに、同じ興行に出場した選手にはPPV歩合は加算されません。

ジャレット・ハードは100万ドル、ジェイソン・ウェルボーンは3万ドル。ルイス・オルティスは37万5000ドル、トラビス・カウフマンは12万5000ドルを稼ぎました。

この10年でフロイド・メイウェザー、 マニー・パッキャオ、カネロ・アルバレスの三人がからむ試合を除くと、最も成功した興行だったと報じられていますが、当たり前のように100万世帯超を販売していた彼らの人気は別格ですね。

あの、素晴らしいヒューリー戦のあと、この記事を書いたリング誌のジョセフ・サントリキト記者は、知り合いのスポーツライター何人かに連絡を取ったそうです。

「すごかっただろ?そうさ、ここから米国ボクシングは復活するぞ!」。そう言ってやるつもりだったのに、誰も観ていなかったと嘆きます。

本当ならワイルダー は、かつてのモハメド・アリやシュガー・レイ・レナードのように、(試合が行われた)土曜日の夜に、全米地上波のニュース番組をハシゴするべきなのに、とも。

ただし、あの夜のリングサイドの記者席の60%は英国メディアが占めていたとも伝えています。 

Boxing has sunken so deep into the crevices of the general American sports fan’s psyche that a gem like Wilder is, and continues to be, overlooked — as he was by a sports editor who for a moment thought Mike Tyson was making a comeback after hearing Fury’s name.

ボクシングは、一般のスポーツファンがワイルダーほどの存在すら知らないままであるほどに、深い谷底に沈んでいる。(記者が連絡したスポーツライターは)フューリーの名前を聞いて「マイク・タイソンがカムバックしたのか?」と勘違いするほどに。

米国ボクシングは、日本のボクシングファンが想像するよりもはるかにマイナーでニッチなスポーツに成り下がっているのです。

ワイルダー は大谷翔平よりもずっと無名であることは、この一年間のESPNのトップページやスポーツイラストレイテッド誌を見ていれば、誰にでも分かります。

そもそも、ビッグファイト、メガファイトになればなるほど、PPVという暗愚なマニアの囲い込みを図るボクシングは、自らが積極的に一般ファンへの門戸を閉ざしているのです。

2015年、 CNNでも試合までのカウントダウン・タイマーで報道する超弩級のメガファイトがありました。
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「史上最大の決戦まで、あと1446時間20分10秒」。CNNスポーツで試合の数ヶ月も前から大きく報道されたら、ボクシングを知らない人でも注目してしまいます。しかし、ボクシング界は底なしに愚かでした…。

あのときは「とんでもないボクシングの試合が行われる」と一般のスポーツファンも知りました。

しかし「ボクシングの試合は見たことがないけど、今度は見てみようかな」と思っても、PPVの最低価格は85ドル、高画質だと100ドルを超えていました。

どう考えても、軽い気持ちで観れる金額じゃありません。

そして彼ら一般ファンは、ボクシング史上最も大きな興行の試合結果を権利の関係上、静止画像で報道されるニュースで知ることになるのです。

こんな愚かなスポーツが、再び世間一般に歓迎される日が来るわけがありません。



渾身の拳を振り回すワイルダーの純真爛漫、どんな逆境にも挫けないフューリーの不撓不屈、彼らには何の責任もありません。

もし、二人が日本人なら彼らの名前を知らない人は北海道から沖縄まで、どこにもいないでしょう。

日本ではPPVなんて馬鹿げたシステムが浸透していないから、ファイトマネーはもう少し抑えられるかもしれませんが、村田諒太のようにスポンサー収入は桁違いになります。  

それにしても、米国ボクシングの闇は深すぎます。 

その一方で、フューリーは「報酬は全額貧しいホームレスに寄付する。彼らの住む家も建ててやる」とぶっ飛んだ発言。
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英国ボクシングの沸騰はまだまだ続きそうです。