カネロ・アルバレスがゲンナディ・ゴロフキンをマイルド・アップセット、村田諒太の「東京ドーム戦略」のみならず、井上尚弥が頂点を狙うPFPランキングにも大きな影響を与えています。

〝 The Bible of Boxing〟 リング誌と、世界最大のスポーツメディアESPNが、カネロ・アルバレスを「ドーピングによるライセンス停止」によってPFPランキングから追放していましたが、赤毛のスターはライセンス再交付を受け、GGGとの再戦で勝利を収めたことで、リング誌とESPNともに3位に割り込みました。
スクリーンショット 2018-09-21 1.20.55
リング誌ではPFPキングだったGGGは4位に後退。最高5位まで登りつめていた井上尚弥は7位に。

ここまで順調に世界評価を上げてきた井上も、現状では一つ上がマイキー・ガルシアです。オマール・ナルバエスやジェイミー・マクドネルのような相手だと何十人粉砕しても破れない壁です。
スクリーンショット 2018-09-21 1.17.20
ESPNでは2位だったゴロフキンは、リング誌と同じく4位に落下。カネロ再登場のあおりを受けて、ここでも井上は一つ順位を下げてやはり7位に。

一つ上は、ここでもガルシア。ファン・カルロス・パヤノを秒殺しても破れる壁ではありません。

PFPランキングは GGGとワシル・ロマチェンコ、テレンス・クロフォードの3人が、多くのメディアで共通するトップ3でした。

この椅子取りゲームにカネロが割り込み、GGGが脱落してしまったのです。

西海岸の寵愛を一身に受け、リング内外で厚いサポートを受ける28歳のメキシコ人と、二つの拳以外には何の武器も持たない35歳のカザフスタン人。

再戦の判定は議論を呼んでいます。

しかし、初戦は「明らかにGGGが勝っていた」「汚い政治判定」と〝カネロ判定〟がまた繰り返されたという怒号が噴出したのに対して、再戦は「攻勢とジャブのどちらを取るか」という〝判定基準〟の問題にまで、両者の実力が接近しました。

第3戦があるとしたら、これまでの2試合から一転、カネロ有利のオッズと予想が並ぶでしょう。

シュガー・レイ・レナードの印象が、今回の試合を最も端的に言い当てていると思います。

「私はカネロの勝ちと採点した。初戦とは真逆の、カネロが圧力をかけてゴロフキンが下がる、という展開は誰も予想できなかった。ただし、接戦だ。ゴロフキン勝利の判定が下っても、そういう見方もある、と納得できるクロスゲームだった」。

拮抗した試合同様、脳内ランキングのPFPも「〝そういう見方〟もある」と、大勢でない意見を目にしても受け入れることが出来るものが、少なからずあります。

いいえ。もしかしたら…もしかしたらではないですね、、ボクシングの判定も〝脳内〟判定ですからPFPと同じです。

カネロとの初戦で不可解なジャッジによりドローの判定を聞いたゴロフキンと、6年前の2012年にティモシー・ブラッドリーとの初戦に疑惑の判定で敗れたマニー・パッキャオは奇しくも同じ言葉を吐いています。

「ジャッジの判定は受け入れる。文句はない。米国にとって私は招かれざる客だ。自分に有利な判定なんて期待していない」。

不当な判定は論外です。

誰も納得出来ないPFPランキングも評価されませんが〝そういう見方もある〟という少数意見があることも事実です。

そんなマイノリティにスポットライトを当ててみようと思います。