カテゴリ: ボクシング界はいつだって魑魅魍魎


Tuesday, 14 July 2026 - Korakuen Hall

Lemino BOXING フェニックスバトル 158


◾️ジュニアライト級 10回戦◾️



場所:後楽園ホール
主催:SHISEI PROMOTION
認定:JBC
協力:大橋ボクシングジム/出場各ジム

放送:Lemino生配信

IMG_3245


堤は2025年12月27日、サウジアラビア・リヤドでWBAジュニアライト級王者のジェームス・ディケンズに挑戦する予定でしたが、練習中に負傷し右眼窩底骨折と診断されたため中止に。

今回のバティスタ戦は単なる復帰戦でしたが、試合2日前の昨日にWBA王者への挑戦者決定戦になると志成プロモーションから発表されました。

現在のタイトルホルダーは、今年3月にディケンズを判定で破ったアンソニー・カカーチェ。WBAは先月、暫定王者のエルヌル・サメドフとの団体内統一戦を指示、明日14日までに両者の交渉がまとまらなければ入札になります。

認定料を生業とするアルファベット団体が、大きな金が動かない軽量級で日本人を優遇するのはWBAに限った話ではありません。今回の挑戦者決定戦もWBAが認定するわけですから、間違いなく認定料が発生しています。

堤サイドとしては渡りに船ですし、断る理由がありません。しかし、WBAが乱発してきた挑戦者決定戦が「次期挑戦者決定戦」ではないと、誰でも知っています。

バティスタ戦をクリアして、年内にタイトル挑戦が理想ですが…。



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

私が米国ボクシングに引き寄せられた高校時代、1980年代はすでに「Boxing is dead. (ボクシングは終わっている)」と多くのメディアで切り捨てられていました。

しかし、日本のリングしか知らなかった私の目には、きらびやかなニューヨークやラスベガスのリングがとにかく眩しく映っていました。


ーーー今夜はESPNの Roberto José Andrade Franco記者のペンによる America 250 road trip: A knockdown, drag-out fight for boxing's future(アメリカ建国250年をたどる旅:ボクシングに未来はあるのか)から概訳です。

i

Manhattan Beach Pier, California


カリフォルニア、マンハッタンビーチ。

フランコ記者はエルパソの乾燥地帯の出身。蜃気楼以外に水らしいものは何も存在しないのに、水を見ると何故か故郷を思い出す。

空は曇って涼しくて、ビーチの波打ち際ではサーフィンやバレーボール、犬の散歩…人々が思い思いの時間を楽しむ風景は砂漠にはありえない、だからこそ故郷を思い出すのかもしれない。



Grand Olympic Auditorium, Los Angeles

州を跨ぐ高速道路10号線、グランド通りと18番通りの角に建つのがロスアンゼルスのグランド・オリンピック・オーディトリアム…いまはそう呼ばれていないが。

グランド・オリンピック・オーディトリアム。この建物の名前を知らないボクシングやプロレスのファンは、どこをどう探しても一人も一人も見つけることができないだろう。

駐車場に車を停めると警備員が話しかけてきたが、スペイン語だろう、私には正確に理解できなかった。言葉での意思疎通を諦めて、ESPNの社員証とカメラを見せて「伝説の建物の中を撮ってもいいか?」とゼスチュアした。

「ボクシングが死んだ」。そんなことは誰にでもわかっている。ESPNには辛うじて専門コーナーが残っているが、10年前までとは全く違う薄っぺらいものになってしまった。

ボクシングを扱うのはたとえそれが業界内のビッグファイトであっても、夜のニュースでも新聞でもネットでもない。誰も知らないボクシングのネットニュースだけだ。

この警備員も、かつてのグランド・オリンピック・オーディトリアムがボクシングやプロレスの聖地だったことを知らないだろうが、ここはメキシコ史上最高の英雄フリオ・セサール・チャベスが初めて世界タイトルを獲得した場所で、 'Requiem for a Heavyweight,' や'The Champ,' に'Raging Bull' 、そして 'Rocky' のロケ地でもあるんだ。

ここがボクシングの聖地になったのは1963年、デイビー・ムーアがリング禍で亡くなってしまい、ドジャースタジアムで試合が開催できなくなったから。ここにはそんな伝説や因縁が渦巻いてるんだ。

警備員はESPNは知っていても、ボクシングは全く興味がないようで「ここは韓国の教会で中は撮影禁止」と素っ気なく伝えてきた。

まあ、そういうことだ。一部のヒスパニックを例外に、米国ではボクシングは完全に死んだ。もう復活することはないだろう。

それでも、西海岸のハイウエイを走ってゆけば、ラスベガスがある。あそこはまだ、ボクシングが生命維持装置を付けて呼吸してるはずだ。


to be continued…


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

アメリカ合衆国は移民の国、人種の坩堝といわれてきました。

そこは、イタリア、ロシア、アイルランド、ユダヤ…ヨーロッパの貧しい国や虐げられた人種の駆け込み寺でした。

ーーーただし、大英帝国を例外にして。

政治、経済、外交、そしてスポーツでアメリカ合衆国は英国を倣ってきました。フットボール、クリケット、競馬、ゴルフ、ボウリング…そこには、もちろん近親憎悪も噴き出します。

フットボールはアメリカンフットボールが創造されるなかで「サッカー」と呼ばれ、クリケットはベースボールに変身、サッカーもクリケットも彼の国ではマイナースポーツに甘んじ続けることになります。

IMG_2916


アメリカ建国の1776年から100年後にクイーンズベリー・ルールが整備された近代ボクシングが、米国の手で変容されることなく受け入れられた理由は、世界チャンピオンシップが確立されていたからです。

また、pugilist が最古のプロスポーツ、職業として古くから定着していたこともアメリカナイズされなかった一因でしょう。

もし、16世紀〜18世紀のスポーツ黎明期にサッカーW杯が存在していたなら、アメリカは「サッカー」としてではなく、フットボールとしてそのまま受容していたはずです。また、フットボールやクリケットの選手が職業として成立していたなら、やはりほとんど手付かずのまま新大陸でも定着していたはずです。






このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「米国でボクシングがメジャー競技だった時代がある」。そう聞いて「正気か?」と感じたとしたら、私のようなモハメド・アリを知らない世代の方でしょう。ルース

しかし、これは冗談でも悪ふざけでもありません。

「米国でボクシングがメジャー競技だった時代がある」のです。そして「世界ヘビー級チャンピオンが最も尊敬される称号であった時代」が、確かに厳然として存在したのです。

The American Lens


スクリーンショット 2026

米国発、世界最大のスポーツメディアESPNが「The American Lens〜Iconic Moments(アメリカのカメラが捉えた時代を象徴する1枚の写真)をアップ、ニュースでも解説してくれています。

タイガー・ウッズやマイケル・ジョーダン、ベーブ・ルースを差し置いて、トップで紹介されているのがモハメド・アリ。

ウッズやジョーダンも、所詮は〝アリの子どもたち〟でしかないことが、これ以上ないわかりやすさで伝わってきます。

ここではシュガー・レイ・レナードもマイク・タイソンもオスカー・デラホーヤも、ボクシングがマイナーの坂道を転がり始めてから出現したファイターたちに出番が与えられることはありません。


この250年間、アメリカのスポーツとは何だったのか?

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

1776年7月4日、アメリカ合衆国が誕生して250年を迎えました。

250歳は、国家としてはけして高齢ではありません。徳川幕府の治世にも遠く及ばない、非常に若い国です。

250年前、まだMLBもNFLもありませんでした。そもそも太平洋は遥か彼方、フロンティアがスタートもしていない時代です。
images-voltaxMediaLibrar

スポーツは英国からもたらされたものに限定されていました。ゴルフ、競馬、クリケット、サッカー、ボウリング…そしてボクシング。




米国だけではなく、その誕生に深く関わった英国でも250年目のアニバーサリーに、スポーツの視点からも数多くの考察が発表されています。

私の人生において、TIME誌やSports Illustrated誌、格は一気に落ちますが個人的には最も精読したThe RING誌などの洋雑誌と高校図書館で出会ったことは最も衝撃的な〝事件〟でした。


アメリカ合衆国250年のスポーツシーンの輪郭を、さまざまなメディアからピースを拾い集めてパズルを完成させ、明らかにしたいと思います。

…長くなるぞ、これ。


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

日本で唯一のボクシング専門月刊誌、ボクシング・ビート。昨年あたりまで定期購読していたのですが、契約期間が切れてそのまま、今は毎月購入しています。

3年購読で20%OFFとなるので、ちょっと損な買い方ですが、なんだかめんどくさくてそのままに。。。

さて、最新7月号の記事「解説者が明かす『採点の難しさ』」について。

81W+hFTXqAL._SL1500_

この記事のサブタイトルは「〝この回イーブン〟も許容すべきではー!?」。

驚いたのは、記事の登場した浜田剛史、長谷川穂積、八重樫東、谷口将孝の四氏が「いまの時代は振り分け採点」(長谷川)、「現在はラウンドマスト」(八重樫)、「10−9.8でも10−9にしなければならないから蓋を開けると意外な大差がついてしまう」(谷口)、「迷ったラウンドを10−10とつけられない」(浜田)と、「10−9マストシステム」と勘違いしているんじゃないかという発言が相次いでいることです。

まず、JBCルールでは「互角の場合は10−10」と明記されています。

===================

採点方法

リングサイドに座った3人のジャッジがラウンドごとに10点満点の減点法で優劣を採点しますが、試合が判定になった場合はこれを集計して ジャッジの2人以上が支持したボクサーが勝者となります。4回戦は40点満点、12回戦は120点満点です。
各ラウンドの採点はですが、互角の場合は10対10、一方が勝っている場合は10対9、一度のダウンやこれに近いグロッギー状態(パンチを受 けてふらふら)のときは10対8、2度のダウンやKO寸前の場合は10対7、3度のダウンは10-6となります。それ以上の差が開いた場合はレフェリーが試合を止めるの で、10対5という採点はありません。
また、10ポイント・マスト・システムというルールがありますが、これは勝っている方に必ず10点を付け、9対9、9対8などという採点はし ないということです。反則による減点は合計点から引きます。

===================

このブログでも何度も紹介していますが、海外のコミッションを含めて、ほぼ全ての国で採用されているのが10ポイント・マスト・システムであって、ラウンド・マストではありません。

リング誌などのメディアも批判しているように、10−10をつけずに「迷ったラウンド」まで無理やり10−9にしてしまうのがダメ採点。海外でも10−10は珍しいスコアですが、ないわけではありませんが、日本では全く見られません。

「各ラウンドは独立した単位で採点する」のですから、試合の引き分けと同じ頻度で10−10が出現しても良いのに、日本では全く出現せず、おかしな結果を垂れ流してきました。

もしこれが、ファンだけでなく関係者も含めた怠慢な勘違いだとすると「10−10をつけるべき」という海外の意見以前の、もう何だかなぁ…な呆れ果てた問題となります…。




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

7月11日(日本時間12日)にサンフランシスコ市庁舎前広場で開催される予定だった「History In The Making(ここで歴史が作られる)」が〝諸般の事情〟から中止となってしまいました。

昨年、タイムズスクエアでのイベントに成功している主催のiVisit Boxing(IVB)でプロモート担当しているサンプソン・レイコヴィッチは中止の理由について「観客動員を含めた物流状の問題」と説明していますが、そこをクリアしないでイベントを進行するはずもなく、常識的に考えて財政上の問題でしょう。

当初予定していた制作会社が早々に撤退を表明、非常に杜撰な計画だったことは間違いありません。

一般販売したチケット(60〜600ドル)は、当然ながら全額返金するそうです。

サンフランシスコのダニエル・ルーリー市長は「ボクシングは忘れて、市内で開催されるサッカーW杯に全力を注ぐ」と切り替えていました。

スクリーンショット 2026-06-09 23.01.29

WBOフライ級王者アンソニー・オラスクアガの6度目の防衛戦がメインイベントに抜擢。リヤドシーズンともタイアップしているプロモーターのIVBが米国の最多動員記録(13万5,132人)の更新を目指していました。

代替会場はラスベガスで探しているそうで、2500人キャパ程度のカジノに落ち着きそうです。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「井上尚弥vs中谷潤人」は興行規模の面で、今年最高の試合の一つでしたが、最も特筆すべきは〝One Of The〜(〜のひとつ)〟ではなく「THE 今年最高レベルのマッチアップ」ということでした。

来年1月に、井上がバム・ロドリゲスと激突するなら、このカードも来年の最高レベル試合が確定。井上は2試合連続で世界最高レベルの試合を戦うことになります。

しかし、世界的な注目度となると中谷戦の米国での配信は土壇場までどこも手を挙げず。

なんとかDAZNが救済的に引き受けるも、もちろんPPV課金は無し・放映権料も「どこも配信してくれないよりはまし」、体裁的にも「どこも配信しない屈辱は免れた」という点からも買い手の言い値、つまり格安で、一部少数のコアなマニアを除くと日本限定の盛り上がりでした。



さて、世界的な注目度で軽量級とは比較にならないヘビー級、それもタイソン・フューリーvsアンソニー・ジョシュアという超ビッグネームの対戦交渉がすでに完了、両者とも契約書にサインしたと言われています。

開催時期は今年後半、開催場所はロンドン、それ以外はまだ何の発表もありませんから、噂の段階です。

そして、統括するのはもちろん英国ボクシング管理委員会(BBBofC)。主催はフューリーを傘下に収めるフランク・ウォーレン(クイーンズベリー)と、ジョシュアのエディ・ハーン(マッチルーム)の共同プロモート…のはずなのですが…。


さて、ジョシュアはハーンのプロモートで7月25日にリヤドでクリスチャン・プレンガと調整試合を行います。

ここでコケなければ(心配ですねぇ、なにしろ番狂せメーカーのジョシュアです)年内に世界中のボクシングファンが待ち望んだ「Battle Of Britain」のドリームマッチが行われるということですが…日本時間の6月7日に英国で初開催されたズッファ・ボクシングの興行の会見でダナ・ホワイトが「この試合はズッファがプロモートする」と電撃発表したのです。

“Have they announced where that fight is?" he said. "I know where it is. Watch what happens over the next 30 days.”

「(ハーンやウォーレンが)試合会場を発表したか?俺は知ってるぜ(だって自分がプロモートしてるんだから)。まあ、これから30日ほどの間で、目にモノを見せてやるよ」。



試合日程は不明でも、会場は英国しか考えられず。となると、ウィンブリー・スタジアムしかあり得ませんが…会場もエッフェル塔広場前とかサプライズなのでしょうか???


「Battle Of Britain」の契約書は全て公開されているわけがありませんが、この対戦交渉は「ダナ・ホワイトは一切関与しない形で進められる」という大前提の条件が付けられていると知られていました。

しかし、フューリーとジョシュアを完全な契約で縛ることができているのなら、こんな条文は不要のはずです。

ホワイトの言い分が事実なら、ハーンとウォーレンが進めていた契約とは全く別の契約をズッファが締結、2人の英国人ファイターがサインしたことになります。

フューリーもジョシュアも、井上尚弥らジム子飼いの日本のボクサーとは全く違う、つまり圧倒的に選手側に主導権のある内容でプロモーターと契約を結んでいます。

フューリーは今年4月にアルスランベク・マクムトフに大差判定勝ちを収めていますが、2024年12月にオレクサンデル・ウシクとの再戦で敗れてから引退宣言を繰り返しており、この間にクイーンズベリーとの契約が見直されているのは当然予想できます。

また、ジョシュアもマッチルームと〝永久契約〟を結んだと伝えられたことがありましたが、「強い相手としか戦わない」と同様に、そんな契約に何らかの効力があるはずもなく、昨年12月のジェイク・ポールとのメガファイトもポールのMVPプロモーションが独占プロモートしました。

フューリーもジョシュアも拘束力の低い、非常に緩やかな契約、フリーエージェントに近い立場にあるのかもしれません。

英国初開催したズッファについてBBBofCは「素晴らしいプロモーター、新しい仲間を迎えた」と大歓迎で、ビッグネームが登場しないイベントとしては高額な認定料をズッファ・ボクシングが支払ったと予想できます。

サウジアラビア肝入りのズッファ・ボクシングには、現在のボクシング界でトップ2のハーンとウォーレンの連合軍でも資金面で全く太刀打ちできません。UFC単体でも、ボクシングのトップ10プロモーターが束になっても全く話にならないのが現実です。

フューリーvsジョシュアが最も大きな興行になるのは英国ロンドンです。統括はBBBofCに決定、その統括団体からもお墨付きをもらいました。

資金面でも英国でのコネクション面でも、ズッファを遮る大きな障害は見当たりません。

報道面ではサウジアラビアのボクシング専門広報誌であるリング誌が先行、ズッファのスポークスマンをつとめています。

ホワイトの「俺がプロモーター」発言に対して、ハーンもウォーレンも完全否定するも、外堀は埋められています。


フューリーが「俺はカネでは動かない!ウォーレンとの義理人情を貫くぜ!」と宣言、ジョシュアも「ハーンとの友情は不滅だ。札束で崩れるような関係じゃない!」と、長官とホワイトに唾を吐きかけるとか…それくらいしか大逆転の構図が見えてこない気がします。




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

スクリーンショット 2026-06-06 21.20.51
スクリーンショット 2026-06-06 21.23.30
スクリーンショット 2026-06-06 21.23.46

リング誌7月号がデジタル版でまずアップされました。

海外メディアはこの期?に及んでもまだ、ファイティング原田へのリスペクトは拭えないようです。

「原田と井上はどちらが優れたボクサーか?」…直接対決できない時代を超えた2人のファイターの優劣など、永遠に結論など出ません。

「誰に勝ったのか?」というこの競技の絶対命題においては原田に軍配が挙がりますが、では井上はどうしたら良かったのか?

ジュニアフライ級でアルファベット初アッタック、階級最弱のアドリアン・エルナンデスを選んで、リング誌などで最強評価を得ていたドニー・ニエテスを回避したことを誰が責められますか?

ジュニアフライ級で減量の限界に達したとき、フライ級にはローマン・ゴンサレスがプライムタイムを迎えていましたが、あのタイミングで日本のスター候補をPFPファイターに挑戦させるなんて考えられません。

ジュニアバンタム級で直近の試合でダウン寸前の大苦戦を強いられたとはいえフライ級から2階級制覇、それぞれのクラスで二桁防衛を成功させていた(にもかかわらずPFPではお呼びでなかった摩訶不思議な)オマール・ナルバエスを圧倒的有利予想だったとはいえ、序盤でKOしたことで、陣営は一気に強気の路線に舵を切ります。

個人的には、ジュニアフライでニエテス、フライでロマゴンというPFPクラスの強豪を回避したのは正解だったと思います。もし、彼らと戦う冒険を冒していたらオッズや予想はアンダードッグ、ドネアとの初戦以上に難しい試合になっていたのは間違いありません。

井上がバンタム級時代に再三、当時世界的評価の高かったエマヌエル・ナバレッテの再三の対戦要求に対して「縁がなかった」と応じなかったのも永遠不滅のAクラス・モンスターならでは。

〝亀田〟が嫌われるのは、そこに日本ボクシングの宿痾が全て凝縮されているが故の近親憎悪です。

前置きが長くなってしまいました…リング誌7月号はご紹介できれば、またの機会に…というか日本語版(かなりデタラメな翻訳です)もすぐに読めるはずですので、ぜひ!



IMG_4106 2


というわけで、本題の「3150FIGHT 10」。

まさかまさかの急な東京出張でバタバタ、追っかけでやっと全部見ました。

運営側の問題はさておき、良いイベントだったと思います。

亀田興毅さん、おつかれさま。






このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

かつてのチャンピオンでも、プロボクサーが悲しい末路を迎えることは珍しくありません。

人気階級でスーパースターの座に就いたフロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオですら、ファンから冷たい目で見られたり、嘲笑される世界です。

これが、人気のない軽量級では晩年になっても茶番劇のお声もかかりません。

昨日、東京ドームホテルで「具志堅用高 世界王座獲得50周年 式典」が開かれましたが、日本人の軽量級スターは別格です。

もし、具志堅がフィリピン人なら引退はもっと引き伸ばされ、日本人の咬ませ犬として使い物にならなくなるまでボロボロにされていたかもしれません。当然、盛大な記念式典などが用意されることもなかったでしょう。

そもそも、フィリピン人ならキャリアを通じてAクラスで保護され、自国で世界戦を重ねることなどあり得ません。全試合アウエーでの戦いを強いられ、13連続防衛なんて記録は作ることができなかったはずです。

前置きが長くなりました。



“Filipino Flash” says his callouts have fallen on deaf ears.


43歳のノニト・ドネアです。

ドネアは、リング誌のインタビューに「ここ数年、対戦オファーを出してきたローマン・ゴンサレスから無視され続けている。もう諦めたよ」と答え、標的をアンドリュー・モロニーに絞ったと語りました。

チョコラティトは38歳、ドネアよりも5つ年下とはいえ、この4年間で2試合しかリングに上がっていません。それをいうと、ドネアもこの4年で5試合(1勝4敗)。

ジュニアフェザー級以下で史上初のFighter Of The Yearに輝いたドネアと、やはり軽量級史上初のPFP1位に選ばれ、その座を2年間も守ったチョコラティト。井上尚弥を含めて21世紀軽量級の3キングスですが、老犬どうしの戦いなど多くのファンは見たくないでしょう。

そして、井上が彼らの年齢になるまで、ボロボロになっても戦い続けることは絶対にありません。

さて、ドネアはオーストラリアで計画されている人気階級のスター選手、クリス・ユーバンクJr.とマイケル・ジェラファとのビッグイベントの前座でアンドリューと戦いたいと希望しています。

そのアンドリューは今週末に、IBFジュニアバンタム級王者ウィリバルド・ガルシアと日本で対戦。ここで35歳のオージーがタイトル奪取するのが前提ですが、チョコラティトとの対戦を口にするようにドネアはさらにウエイトを落としてジュニアバンタム級まで戻るつもりです。

いずれにしても、ドネアの日本人の踏み台としての需要は底をつき、その足元は咬ませ犬の入り口にさしかかっています。

ドネアは「フィリピン人」という出自ながら米国でエリートファイターの地位まで登り詰め、ゲートキーパー、そして咬ませ犬へと下降しているところ。

2連敗中のドネアでも、Aサイドのアンドリューから見ると美味しい初防衛戦の相手。

…なんだか、週末の試合はガルシアを応援したくなってきました。



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ