かつてのチャンピオンでも、プロボクサーが悲しい末路を迎えることは珍しくありません。

人気階級でスーパースターの座に就いたフロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオですら、ファンから冷たい目で見られたり、嘲笑される世界です。

これが、人気のない軽量級では晩年になっても茶番劇のお声もかかりません。

昨日、東京ドームホテルで「具志堅用高 世界王座獲得50周年 式典」が開かれましたが、日本人の軽量級スターは別格です。

もし、具志堅がフィリピン人なら引退はもっと引き伸ばされ、日本人の咬ませ犬として使い物にならなくなるまでボロボロにされていたかもしれません。当然、盛大な記念式典などが用意されることもなかったでしょう。

そもそも、フィリピン人ならキャリアを通じてAクラスで保護され、自国で世界戦を重ねることなどあり得ません。全試合アウエーでの戦いを強いられ、13連続防衛なんて記録は作ることができなかったはずです。

前置きが長くなりました。



“Filipino Flash” says his callouts have fallen on deaf ears.


43歳のノニト・ドネアです。

ドネアは、リング誌のインタビューに「ここ数年、対戦オファーを出してきたローマン・ゴンサレスから無視され続けている。もう諦めたよ」と答え、標的をアンドリュー・モロニーに絞ったと語りました。

チョコラティトは38歳、ドネアよりも5つ年下とはいえ、この4年間で2試合しかリングに上がっていません。それをいうと、ドネアもこの4年で5試合(1勝4敗)。

ジュニアフェザー級以下で史上初のFighter Of The Yearに輝いたドネアと、やはり軽量級史上初のPFP1位に選ばれ、その座を2年間も守ったチョコラティト。井上尚弥を含めて21世紀軽量級の3キングスですが、老犬どうしの戦いなど多くのファンは見たくないでしょう。

そして、井上が彼らの年齢になるまで、ボロボロになっても戦い続けることは絶対にありません。

さて、ドネアはオーストラリアで計画されている人気階級のスター選手、クリス・ユーバンクJr.とマイケル・ジェラファとのビッグイベントの前座でアンドリューと戦いたいと希望しています。

そのアンドリューは今週末に、IBFジュニアバンタム級王者ウィリバルド・ガルシアと日本で対戦。ここで35歳のオージーがタイトル奪取するのが前提ですが、チョコラティトとの対戦を口にするようにドネアはさらにウエイトを落としてジュニアバンタム級まで戻るつもりです。

いずれにしても、ドネアの日本人の踏み台としての需要は底をつき、その足元は咬ませ犬の入り口にさしかかっています。

ドネアは「フィリピン人」という出自ながら米国でエリートファイターの地位まで登り詰め、ゲートキーパー、そして咬ませ犬へと下降しているところ。

2連敗中のドネアでも、Aサイドのアンドリューから見ると美味しい初防衛戦の相手。

…なんだか、週末の試合はガルシアを応援したくなってきました。