刺客番号③ ルイス・ネリ 26勝20KO無敗

この暗愚な男の卑劣な行為によって、バンタム級のリング誌とWBCバージョンは空位のままです。

リング誌と英国ボクシングニューズ誌の老舗マガジンは、ネリをバンタム級ランキングから追放していますが、世界最大のスポーツ総合メディアESPNは1位評価を崩していません。
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リング誌6月号「THE RING RATINGS」から。ルイス・ネリに連敗した山中慎介は引退を表明、リング誌バンタム級王座は空位となってしまった。ネリは(前回のドーピングに続いて)今回も体重の大幅超過という失態を晒した。山中の偉大なキャリアがこんなことで終わってしまうなんて、不愉快極まりないことだ。

日本ボクシングコミッションはネリを「永久追放」、WBCも5月9日現在、40位までのランキングからNOT AVAILABLEとして排除しています。

しかし、この処分は日本ボクシングコミッションという一国の統括団体と、WBCというアルファベット団体の局地的な処分でしかありません。

実際にネリは6月9日に対戦相手未定ながら、カリフォルニアでバンタム級10回戦のリングに上がります。山中戦からたったの101日目で、もう試合が出来るのです。ドーピングも体重超過も、このスポーツには有効なペナルティを課すことができず、事実上許されると言っても差し支えないでしょう。

ネリを「三人目の刺客」に挙げたのは、半分冗談です。

ただ、私は性根の腐った人間ですから、ネリが日本で試合をすることは許せませんが、あの卑怯者がアメリカやメキシコの地で井上尚弥に叩きのめされるシーンは見たいと思ってしまいます。

その考えが、スポーツ道に反する、恥ずかしくて歪んだ憎しみを発露とするとしても。

ネリの行為はけして許されませんが、ドーピングと体重超過に対する処分が各国の統括団体や、アルファベット承認団体によってまちまちで、足並みが揃っていないこと、いいえ、処分が軽いという一点においては見事に足並みが揃っていることこそが問題の根源であることも、理解しているつもりです。

ネリを憎むなら、ボクシングを憎むべきなのです。ネリが五輪選手だったらあんな軽率なことを2度も犯さないでしょう。悪いのはプロボクシングの構造です。

それでも、井上尚弥が、スポーツを侮辱したメキシカンと対決するリングを見たい、その感情は抑えられません。現実には、日本から追放した男との試合は、たとえ海外でも認めるべきではありません。さらに、井上がネリに惨敗してしまったら、そのときに味合うのは到底耐えることのできない苦さだけでしょう。

やるべきではないし、ネリにそんなチャンスを与えるべきでもありません。

「刺客番号③」は、その意味ではPFPと同じミシカル・マッチアップ(実現しない試合)です。