ジュニアウエルター級がいつ始まったのか、正確には誰も知りません。

140ポンドとキレの良い数字は、英国で馴染みのあるストーン(1ストーンは14ポンド)単位でも10ストーンと区切りのウエイトでした。

1920年代、ミネソタ州ミネアポリスで発行されていた週刊のボクシング・ブレードで行われた初代王者はファン投票で行われ、ピンキー・ミッチェルが〝当選〟。

ミッチェルはこの専門誌のオーナーであるマイク・コリングスがプロモートするファイターで、投票は出来レースだったと考えられます。

「区切りの良い数字だから」という勝手な理由で新設階級が認められるわけもなく、当時のタイトル認定の最高権威だったニューヨーク州世界タイトルを管理していたニューヨーク州コミッションは1930年にジュニアウエルター級を廃止。

全米ボクシング協会(NBA)はジュニアウエルター級王者を認め続けますが、ストーン単位の母国である英国のボクシング管理委員会(BBBofC)ですら、この階級を「タイトルの権威を貶める」と認めませんでした。

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1930年代にはトニー・カンゾネリとバーニー・ロスが活躍、ジュニアウェルター級の他にカンゾネリはフェザー級とライト級、ロスはライト級、ジュニアウエルター級、ウエルター級でNBAのタイトルホルダーとなりましたが、彼らを3階級制覇と認めるのはきわめて少数派です。


https://fushiananome.superknova.org/archives/13327941.html

https://fushiananome.superknova.org/archives/13455342.html


同時代の傑物、ヘンリー・アームストロングが史上初の3階級制覇と認められているのは、彼がフェザー級、ライト級、ウエルター級の〝水増し無し〟のクラスで覇権を握ったからでした。

この記録は、約50年後にトーマス・ハーンズが「4」に更新しますが、ハーンズの4にはジュニアミドル級が含まれ、3団体時代であったこともありアームストロングとハーンズを同列に語る人はどこにもいません。

マニー・パッキャオの8階級制覇もジュニアフェザー、ジュニアライト、ジュニアウエルター、ジュニアミドルとその半数がオリジナル8ではなく、認定団体も4まで拡大、タイトルの価値は暴落していた時代でした。

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この紆余曲折の140ポンド、10ストーン、ジュニアウエルター級、いやさスーパーライト級???のオールタイムグレートはどんなランキングになるのか?

リング誌の「+DIVISION BY DIVISION:THE GREATEST FIGHTERS OF ALL TIME」を覗いてみると…。

①フリオ・セサール・チャベス
②アーロン・プライアー
③コンスタンチン・チュー
④バーニー・ロス
⑤アントニオ・セルバンテス


それこそファン投票ならプライアーになりそうな気もしますが、いやファン投票ならますますチャベスか?

英国の酔っ払いは「チューに勝ってるリッキー・ハットンが1位だ!」と大騒ぎしそうですが、そんなの「ホームズやスピンクスに勝ったタイソンが彼らより下なんてありえない!」とわめくタイソン信者と同じです。

次点としてニコリノ・ローチェ、ジャック〝キッド〟バーグ(ミッチェルに勝ったマッシー・キャラハンをTKO、安定王者になるもカンゾネリにKOされて陥落)、オスカー・デラホーヤの3人があげられています。


さて。この蠱惑的なジュニアウエルター級に日本から4人目のタイトルホルダーが誕生しようとしています。

これまで頂点を極めた3人は藤猛、浜田剛史、平仲明信。

島で育った無類の強打者、そして口髭という共通点を持つ140パウンダーは3人とも、あっという間にタイトルを奪い獲ってみせました。

3人との共通点を見出すのが難しい平岡アンディですが、2月21日は同じスタイルでタイトル奪取といきましょうかな。