日本ボクシング界の中で最も特別な階級を一つ挙げろ。

そう問い詰められたとき、多くの人は「バンタム級」と答えるのではないでしょうか。



欧米では「ライト(軽量)級」は文字通りに軽量級。

ライト級よりも下、ジュニアライト級以下はほとんど関心が払われないゾーンです。

「ライト級未満ってどういうこと???」。

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「フェザー・パンチ」は、羽毛のように軽いパンチという嘲りを含んだ表現、バンタムは小型の鶏(つまりフェザー以下)、フライは…みなさんよくご存知なので、やめましょう。

アジアや中南米、アフリカ…先進国にとって馴染みのない、開発の遅れた国々の選手がメインストリームの超軽量級が、ライト(軽量)級以上のまともな階級と同列に扱われることは、PFPという「ボクサーは階級によって差別されてはならない!」という高尚でマイナーな概念を除くと、まずありえないことです。

しかし、欧米からはるかに離れた極東(Far East)にある日本は「先進国」でありながら、ボクシングは軽量級が中心。

もちろん、ここで私たちが忘れてはいけないのは、欧米がジュニアライト級以下に全く興味を持たないのとは違い、日本のボクシングファンの心の奥底には「ミドル級で世界チャンピオンなんて、大快挙。(軽量級とは)別格ですよ、一緒にできない」(畑山隆則)という本音が通底していることです。

逆目で読むと、米国で「バンタム級の世界チャンピオンになるなんて、とんでもない快挙!」なんて、まともなメディアが大きく報道することはなく、誰も口にしません。

米国ボクシングの惨状を見ると、あの国に世界ヘビー級王者が復活しても、もうまともなメディアは大きく取り上げることはないでしょう。


さて、極東の島国に話を戻すと、事情は全く変わってきます。

実際に、井上尚弥や中谷潤人がヘビー級やミドル級で同じことをやっていたら、日本国内はもちろん、世界的にも今とは次元の違う評価と人気を集めていたのは間違いありません。

同じように、村田諒太がジュニアフェザー級やフェザー級で同じことをやっていたなら、あんな特別扱い受けることは、絶対にありません。

あるいは、亀田一家が人気階級のヘビー級やミドル級で同じことをやっていたなら、彼らは軽蔑されるだけでなく、一定の共感を呼ぶヒールになっていたかもしれません。

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それでも。


日本ボクシング界の中で最も特別な階級を一つ挙げろ。

そう問い詰められたとき、多くの人は「バンタム級」と答えるでしょう。

矢吹丈と力石徹が死闘を演じたバンタム級。

ファイティング原田が、絶対不可能のエデル・ジョフレ攻略をやってのけたバンタム級。

辰吉丈一郎が浪花節全開で七転八倒したバンタム級。

井上尚弥がノニト・ドネアとFight Of The Year の傑作を紡いだバンタム級。



ーーー明日、そんな日本人が大好きな「米」のように、特別な思いを込める「バンタム級」のゴングが打ち鳴らされます。

大方の予想や、オッズの通りの展開と結果に落ち着くのか?

それとも、意外な展開を見せてくれるのか?

さらには、衝撃的な大番狂せが起きるのか?