6月1日 サウジアラビア リヤド

ヘビー級12回戦






北京2008のメダリスト対決にして、米中決戦。

世が世ならもっと熱狂的に盛り上がったのでしょうが、現代ではボクシングは完全マイナースポーツ。

米国でもネットの専門メディアが騒ぐだけ、小さなコップの中のさざなみです。

それでも、ワイルダーです。

初めて彼を見たのは、北京2008の91kg級で銅メダルを獲ったときだったでしょうか。ワイルダーが日本人なら大騒ぎですが、そこはヘビー級大国のアメリカ。

米国の評価は「またヘビー級でアメリカ黒人は金メダルを逃した」。1988年のレイ・マーサーから20年も米国はヘビー級の金メダルから遠ざかり、4年ごとにボクシングファンは幻滅のため息をつき続けていたのでした。

アマチュアでもヘビー級は巨大化、91kg級は「ヘビー級」でしたが無差別級ではありません。1984年から無差別級は「スーパーヘビー級」として設定だれています。

北京で、そのスーパーヘビー級に出場、銀メダルに輝いたのがヂャン・ヂレイでした。

北京から帰国したワイルダーはプロ転向を宣言。2008年11月に2ラウンドTKOでデビューします。このときの秤はわずか207ポンド1/4、94kgでした。

一方のヂャンは北京のあとも五輪金メダルを目指してロンドン2012にも出場しますが、金メダルには届かず。ワイルダーから6年遅れの2014年8月にプロデビュー。

ここまでのプロ戦績は38歳のワイルダーが43勝42KO3敗1分、41歳のヂャンが26勝21KO2敗1分。

年齢こそBronze BomberがBig Bangより三つ若いものの、痩せっぽっちのヘビー級は劣化と消耗に蝕まれています。

大方の予想は、サウスポーの中国人が体格と体重でワイルダーを削り、終盤でKOする。そして、これが稀代のビッグパンチャーの引退試合になる…。

ところが、オッズは専門家予想とは違います。中国人の勝利が4/7(1.57倍)、アラバマ州タスカルーサ出身の黒人が13/10(2.3倍)。

オッズは実力だけでなく、人気も反映する数字です。多くの人がワイルダーのパンチャーズチャンスに期待していることの表れでしょう。

私も、あれだけ楽しませてくれたデオンティ・ワイルダーにもう一花咲かせてほしい、それもThis is Wilder というKO劇で!