タイソン・フューリーはモハメド・アリに勝てるか?

単純なサイズではフューリーの身長206㎝/リーチに対して、アリは身長191㎝/198㎝。

デオンティ・ワイルダーとの決着戦でフューリーが乗った秤は277ポンド(125.6kg)、ジョージ・フォアマンを沈めた「キンシャサの奇跡」のときのアリは、216ポンド½(98.2kg)。

ヘビー(無差別)級は「ウィルフレド・ゴメスも井上尚弥もジュニアフェザー級・122ポンド(55.3kg)で変わらない」という他の階級とは全く理屈が違います。

フューリーとアリの差は60ポンド½(27.4kg)、ジュニアバンタム級(115ポンド)とライトヘビー級(175ポンド)もの体重差です。

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そして、単純な大型化だけでなく、ボクシングの広義の技術も50年前のアリの時代から新しい練習方法や調整法、ダイエット(食事)など進歩していることは否定できません。

さらに、試合数が大きく減っていることも現代のボクサーの方がより精度の高いボクシングを披露しています。


とはいえ「タイソン・フューリーはモハメド・アリに勝てるか?」、なんだか最近は極めて怪しい空気になってしまっていますが、ここでの「勝てるか?」は「見て面白いか?」です。

「それ、言い出したらアリの試合は凡戦でも『アリが戦った』という事実だけで面白いということになるじゃないか」という反論もあるかもしれませんが、ここでの「見て面白いか?」は「レベルに比例する」という意味で捉えて下さい。


スポーツにおいては男女の人気格差が大きく、「女子スポーツは面白くない」と考えている人が圧倒的に多いのが現実です。

男子はメジャーなのに女子野球は…女子サッカーは…女子ボクシングは…。


マラソンのようなタイムスポーツの場合、女子の方が「遅い=レベルが低い」ことがはっきりしていますが、この〝タイム差〟は〝時代差〟と置き換えることができます。

カール・ルイスがロスアンゼルス1984の男子100mで9秒99で優勝したとき、日本ではルイスは化け物で、日本人は1000年経っても追いつけないと思われました。


一方で、女子はまだ9秒台には遠いものの、世界記録との差は1秒もありません。

「女子スポーツは面白くない」と信じている人は、この「1秒差」を正確に把握する特殊能力を持っているのでしょうか?

チューリヒ大学の、プロボクサーみたいな名前のカルロス・ゴメス・ゴンザレス博士研究員が発表した論文と、様々なサンプルを交えながら「女子スポーツへの過小評価は、性別による先入観に影響されている」という仮説について、潜航・熟考してゆきます。