プロボクシングが他のスポーツと違う点はいくつもありますが、長いブランクから再びリングに戻って来る、非常識なカムバックがよく見られることもその一つです。

そしてほとんど全てのケースで、不要なはずだったはずの醜態を晒すのです。

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元ミドル級のLineral Champion のセルヒオ・マルチネスが3月21日(日本時間22日)に、母国アルゼンチンで行われることになりました。

アルゼンチン…世界的に見てもモハメド・アリと戦ったオスカー・ボナベナ、フロイド・メイウェザーを最も苦しめたファイターの一人マルコス・マイダナ、マニー・パッキャオと拳を交えたルーカス・マティセらメガファイトの舞台に上がった強打者を輩出してきました。

最近なら、ジャーメル・チャーロとジュニアミドル級のUndisputed Championshipを争ったブライアン・カスターニョが印象的です。

日本でもアルゼンチンのボクサーは馴染みがあります。 

白井義男からフライ級王座を奪ったパスカル・ペレス。ノンタイトル戦で田辺清がKO勝利を収めたオラシオ・アカバリョ。

WBA初代ジュニアバンタム級王者で渡辺二郎に返り咲きを阻まれたグスタボ・バリャス。畑中清詞が大逆転勝利でWBCジュニアフェザー級王者を奪取したペドロ・デシマ。

WBAジュニアミドル級王者決定戦で上山仁を初回で撃沈したフリオ・セサール・バスケス、平仲明信を地元判定で下し、吉野弘幸の夢を打ち砕いたWBAジュニアウェルター級王者ファン・マルチン・コッジ、WBCフライ級王者ユーリ・アルバチャコフにボディを抉られKOされたウーゴ・ソト…。

最近なら井上尚弥が2ラウンドで破壊した、フライ・ジュニアバンタムの2階級制覇王者オマール・ナルバエス 。井岡一翔が2度退けたファン・カルロス・レベコ、現IBFフライ級王者フェルナンド・マルチネス。

ミドル級の系譜ではウーゴ・コーロ、カルロス・モンソン、ホルヘ・カストロ、そしてMaravilla(Marvelous)マルチネスと個性的なファイターを輩出してきました。

この4人のうちカストロを除く3人は、Lineal Championでアルゼンチンでも絶大な人気を集めていました。そして、4人に共通するのは番狂せでタイトルを奪い取ったこと。

全盛期のMaravillaは、母国ではリオネル・メッシに次ぐ人気アスリート 。WBCダイアモンド王者として最も長く君臨しました。

そういえば、「井上尚弥vsスティーブン・フルトン」ではダイアモンドやフランチャイズやらのベルトは用意されないのでしょうか?Maravillaの頃は正規王者とダイアモンドは〝兼任〟していましたが、今ならWBCは防衛義務のないダイアモンドやフランチャイズを与えて正規王者決定戦を行う可能性が大で、ジュニアフェザーでも4団体統一を狙う井上陣営は、それを突っぱねているかもしれません。

さて、MaravillaマルチネスはホワイトホープのPFPファイター、ケリー・パブリック、ジュニアミドル級の強豪セルゲイ・ジンジルク、英国の刺客(ダレン・ベイカー&マシュー・マックリン)を次々と撃破。

パッキャオに次ぐPFP2位まで評価を上げると「ジュニアミドル級に落としてもいい」とメイウェザー戦を熱望しますが、実現せず。 

ジュニアミドル級に上げてきたミゲール・コットとのメガファイトが実現したのは膝の故障が悪化していた2014年、初回に3度のダウンを奪われ、10ラウンドでTKO負けを喫してしまいます。39歳、膝の怪我も限界に達して引退。

メイウェザー戦は実現しなかったものの、パブリックから勝利を収め、フリオ・セサール・チャベスJr.とのメガファイトも制しました。

ポール・ウィリアムスとの2試合はラバーマッチが熱望される〝名作〟でした。

しかし、2020年に6年2ヶ月のブランクを破ってカムバック。5戦全勝3KOと数字上は順調に復帰路線を進んでいるように見えますが、48歳のアルゼンティーナが「もう一度世界王者になる」という夢は叶うとは思えません。

21日に対戦するジョン・テーエランは18勝15KO2敗のコロンビア人。戦績は立派ですが、2つの敗北が地域タイトルへの挑戦に失敗したもので、何もKO負け。そして、セルヒオよりも10歳も若いとはいえ、すでに38歳。

今回のミドル級10回戦も無難に勝利を収めるかもしれませんが…。セルヒオのカムバック・ロードの先には、何が待ち構えているのでしょうか?