今朝、米国BOXING NEWS24が「 The Most Overrated Boxers Today(最も過大評価されたボクサーたち)」をアップ、井上尚弥も含めたPFPファイターの評価に疑問を呈しています。

記事の冒頭で触れているように、PFPランキングは非常に主観的で様々なバイアスがかかる妄想ランキングです。

タイトルが溢れすぎて誰が強いのかがわからない4-Belt Eraにおいて、PFPはボクシングファンが脳内で楽しむ現実逃避のお遊びです。

正解はなく、全てが間違いです。逆に、間違いはなく、全てが正解とも言えます。つまりは、真剣に考える価値がない、お遊びです。

そのランキングを持ち出して「こいつら全員過大評価」という米国BOXING NEWS24があまりにも大人気ないと見えるかもしれませんが、それも包括して〝広義のPFPプレイ〟なのです。

登場順にThe Most Overrated Boxersの記事■をご紹介。▶︎は私見です。


Overrated↓


■ジャモール・チャーロ(32戦全勝22KO無敗)

約2年に渡ってWBCミドル級王者に君臨しているものの、昨夏からリングに上がっていない。その相手はジャン・マシアス・モンティエル、世界基準から外れたファイターだった。

彼のキャリアを「誰に勝ったのか?」という視点で見渡しても、セルゲイ・デレビヤンチェンコが最も手強い相手というお粗末さ。



▶︎全米ボクシング記者協会(BWAA)のPFP9位。ジャーメルの場合は「まだ強い相手に当たっていないから無敗」「弱い相手に派手に勝つ」という過大評価が生成される化学反応の典型例です。



■デビッド・ベナビデス(26戦全勝23KO無敗)

最も過大評価されているファイターの1人。多くのファンは彼のパワーがカネロ・アルバレスやドミトリー・ビボル、アルツール・ベテルビエフも圧倒すると考えているが、まだ何も試されていない。

アンソニー・ディレルが過去最高の相手では話にならない。

来月のケイレブ・プラント戦は、べナビデスの評価と実力の乖離がどれほどあるのかを測る良い機会になるだろう。

▶︎デビュー前から騒がれた人気者。BWAAはもちろん大手メディアのPFPランキングには食い込めていません。「人気と実力のギャップが大きい」Overrated 。米国で人気のあるファイターですから、傷物になる前にカネロとのメガファイトに滑り込みたいところ。




■テレンス・クロフォード(39戦全勝30KO無敗)

ジュニアウェルター級でundisputed championになり、現在はウェルター級のWBO王者だが、全勝の内容はレベルの低い相手がほとんど。

勝ったのはユリオルキス・ガンボアにビクトル・ポストル、ショーン・ポーター。ポーター戦がベストばうとだが、この試合でポーターが引退したように完全にピークを越えた状態だった。

エロール・スペンスJr.に勝利したときに文句なしのPFPだが、それはこの試合が成立したらの話。

▶︎BWAA1位。階級を上げて決定力がアップしていますが、やはり対戦相手の質が低い。専門家評価の高さと人気が反比例する、ある意味で可哀想なボクサー。

頭の悪い言動を繰り返すことからわかるように、セルフプロデュースも全く出来ません。



■ワシル・ロマチェンコ(17勝11KO2敗)

最も妄想が膨らむ過大評価ファイター。伝説的なアマチュアキャリアは、文句なしで歴代最高クラス。しかし、プロでの実績はその領域から程遠い。

勝ったのはゲイリー・ラッセルJr.、ホルヘ・リナレス。世界基準の相手だが、いずれも特別な選手ではない。ギレルモ・リゴンドーはプロバージョンで、キャッチウェイト。

デビン・ヘイニーに勝てばキャリア最高の勝利。

▶︎誰が見ても素晴らしいテクニシャンですが、対戦相手に恵まれていません。何よりも、オルランド・サリドとテオフィモ・ロペスに負けていることに、言い訳が出来ません。



■井上尚弥(24戦全勝21KO無敗)

PFP上位の常連。ジュニアフライ級、ジュニアバンタム級で王者になり、バンタム級は4団体統一。

しかし、誰に勝ったかとなるとプライムタイムをとっくに越えたノニト・ドネアだけ。

噂されるスティーブン・フルトン戦で印象的な勝利を挙げるようなら、PFPベストの1人として文句なしに認められるだろう。

▶︎BWAA2位。井上もクロフォードと同じ悩みを抱えています。世界戦は数多くこなしているのに、旬の強豪との手合わせがゼロ。その意味で、フルトン戦がキャリア最大の大勝負です。




そしてNot Overrated(過大評価されていない)ファイターにも3人あげています。

Not Overrated↓


■ガーボンタ・デービス(28戦26KO無敗)

最も見映えのするファイターなのにPFPにランクするメディアは多くない。

「誰にも勝っていない」というキャリアだけでなく、リング外で繰り返す犯罪行為も、彼の評価のマイナス材料になっているかもしれない。

「誰にも勝っていない」が「無敗・高いKO率・派手な試合」を見せるデービスは、過大評価グループに入っていてもおかしくないはずだ。

▶︎デービスは「誰にも勝っていない」にも程がありますからね。ただ、PFPに入れるメディアが少なすぎるのは同意です。



■デビン・ヘイニー(29勝15KO無敗)

デービスとは真逆のボクサー。

リング外のトラブルはほとんどなく、リングの中ではディフェンス優先の慎重なスタイルで、ファンベースは脆弱。

人気の階級で24歳にして頂点に立ったが、ファンベースが無いに等しいことが痛い。



▶︎BWAAのPFPで10位。メディアとマニアからは高い評価を受けています。ヘイニーの場合は「実力」と「人気」の乖離が大きいNot Overrated。デービスやライアン・ガルシアに完勝、ジュニアウェルター級、ウェルター級とより人気の濃いクラスに進出して勝ち続ければ〝クロフォード路線〟ですが、クロフォードよりもマシな人気は獲得できそうです。



■ジャーメル・チャーロ(35勝19KO1敗1分)

ジュニアミドル級のundisputed champion。タフなブライアン・カスターニョをストップして、彼の実力を疑問視していたメディアやファンを黙らせた。

▶︎BWAA9位。評価に見合う実力がありますが、やはり人気がない。地元限定のローカルスター。面白い試合をするんですが、全米規模の人気を創出するにはカネロに勝つしかありません。