日本のボクシングは世界の人気階級と、どう格闘してきたのか?

軽量級のように王者を日本のリングに引っ張り上げることが非常に難しい人気階級。

そこでの勝利は、軽量級のパートタイムボクサーを叩きのめすよりもずっと輝いて見えます。いいえ、もしかしたら、たとえ敗れたとしても…。



【第6位】ワシル・ロマチェンコ

またしても中谷正義です。

2021年6月26日、ネバダ州ラスベガス・バージンホテル。

ウクライナのハイテクを今更説明するのも何ですが、岸田文雄的に言うと「異次元の」動きで世界中のボクシングファンを魅了、PFPキングに1年以上も君臨した天才ボクサーです。



ただ、悲しいかなウクライナ人。米国にはファンベースが存在しません。ホルヘ・リナレスとのファン垂涎の一戦もチケット売り上げが振るわず、マディソン・スクエア・ガーデンの上階席を封鎖する形で行われました。

ルーク・キャンベル戦も敵地英国へ。米国でやってもカネにならないからです。

それでも、ロマチェンコです。日本においそれと呼べるタマではありません。

中谷には、フェリックス・ベルデホ戦に続く大番狂せを期待しましたが…。




【第5位】ポール・ウィリアムス

さあ、石田順裕の登場です。

セルヒオ・マルチネスの評価を一気に沸騰させてしまったThe Punisherですが、逆に言うとそれほど評価が高かったファイターでした。

シャンバ・ミッチェル、バーノン・フィリップス、アントニオ・マルガリート、カルロス・キンタナ、カーミット・シントロン、エリスランディ・ララ、セルヒオ第1戦…。誰に勝ったのか?という命題に対して十分な答えを持つウィリアムスは、PFP3位まで評価を上昇。

当時のPFPは1位マニー・パッキャオ、2位フロイド・メイウェザー。この2人に「体重は何ポンドでも合わせる。ファイトマネーもゼロでいい」と対戦を要求しますが、パックメイは全く聞こえなかったふりを通します。

「オスカー・デラホーヤに苦戦したメイウェザーにとって、ウィリアムスは大きすぎてタフすぎる」「パッキャオがおもちゃにしたジョシュア・クロっティやマルガリートとウィリアムスでは全く違う」…。パックメイでも勝てないと見る専門家もいました。

The Punisherの前に石田は何分間立っていられるのか?そんな惨敗予想が大方を占める中で始まった〝ミスマッチ〟でしたが、石田は勇敢に戦い12ラウンド終了ゴングを聞くのです。



【第4位】ジェームス・カークランド

NHKでもドキュメンタリー化された石田のShock the world!

カークランドは、犯罪歴豊富で波乱万丈の人生を歩む米国人好みの黒人ファイター。女性トレーナー、アン・ウルフとのコンビも話題で、米国では世界王者並みの注目を集めていました。石田戦前の戦績は27戦全勝24KO。

2011年4月9日、ラスベガスはMGMグランドガーデンアリーナ。

17−1という絶望的なオッズの中、オープニングラウンドから仕掛けたのは石田でした。



試合前には「弱そうなのが出てきたなっていう会場の空気を感じていた」石田でしたが、電光石火の勝利を挙げてロッカールームに向かう道で、ファンにもみくちゃにされます。「あまりの熱烈歓迎で、遠くに見える妻が近寄ってくることができなかったけど、それもいい思い出」。

米国を震撼させたという一点では、日本ボクシング史上最大の勝利でした。