階級を無視して誰が最強か?

PFPの概念は、無差別級以外のライト(軽量)級やミドル(中量)級が作られた19世紀にすでに存在していたと考えられますが、最初に多くのボクシングファンが知ることになったのは1950年代。

ヘビー級のロッキー・マルシアノの影に隠れたシュガー・レイ・ロビンソンの秀悦なボクシングを正しく評価するモノサシとして、広がりました。

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とはいえ、当時の階級はオリジナル8、世界に8人しか王者が存在しない古き良き時代です。

PFPランキングという代物は無く、SRLだけにスポットライトを当てるツールでした。

もちろん、定期的にPFPを発表するメディアは存在しません。

次に、PFPが取り沙汰されるのは1980年。

マルシアノの時代は文句無しのメジャースポーツだったボクシングのステイタスは没落、さらにモハメド・アリの引退が目前に迫り、業界全体が危機感に震えていました。

当時はまだ、ヘビー級が絶対だった時代。

プロモーターやメディアは、競技人口の厚いタレント豊富なウェルター級やミドル級のクローズアップに舵を切ります。

リング誌が年間表彰に、その年に最も活躍した Fighter Of The Year とは別に、年間PFPであるBest Fighter Poll を新たに加えました。

当初から「わかりにくい」と存在意義が問われたBest Fighter Poll でしたが、定期的に発表する定点観測のPFPランキングとして、10人の顔ぶれを見るとその年のボクシングシーンが想起出来るというメリットが、個人的にはありました。

現在、年間表彰的にPFPをランキングしているメディアはありません。これは、一年間でPFP1位が何度も変わる可能性があることを意味しています。

Fighter Of The Year とは違い、年に何度もシャッフルされるPFP。

そもそも「注目度が飛び抜けているヘビー級から目を逸らす」という目的から派生した〝弱者救済〟ランキングだけに、ジュニアフェザー級以下の軽量級ボクサーも数多くランキングされてきました。

近年では、ジュニアバンタム級からローマン・ゴンサレス、ファン・フランシスコ・エストラーダ、シーサケット・ソールンビサイ、ドニー・ニエテス、井岡一翔らが入れ替わり立ち替わりランクイン。

ジュニアバンタムだけで最大3人がPFPランキングに名前が刻まれる時代が5年近くも続いていました。

これに、我らが井上尚弥が加わり、超軽量級から4人がランクされる〝超軽量級黄金時代〟を謳歌していましたのです。

現在のリング誌はジュニアバンタム級のグレードたちはランクアウト、超軽量級のPFPランカーは井上だけ。

ドミトリー・ビボルとアーサー・ベテルビエフのベスト10突入で重量化が進んでいます。

とはいえ、エストラーダやロマゴン、井岡、そしてバム・ロドリゲスが圏内突入の可能性を孕み、フライ級では中谷潤人、ジュニアフェザー級ではスティーブン・フルトンもウェイティング・サークルに入っています。

まだまだ超軽量級によるPFP席捲トレンドは続きそうです。



ベスト10の過半数を超軽量級が寡占する、そんな時代の足音が聞こえてくる中で、PFPランキングがジュニアフェザー級以下の小さな巨人たちとどう向き合って来たのかを振り返ってゆきます。