団体と階級の無分別な増殖。
1988年にWBAから分離独立した三つ目の団体WBOが産み落とされてから、第5の団体はまだ現れていないものの、4つの団体と17の階級で世界王者を大量生産し続けています。



摩訶不思議なタイトルに、WBCが率先して作りまくっている意味不明のベルト…これも4-Belt eraの特徴です。
4-Belt eraと、それまでの3-Belt eraの違いは「3が4になっただけ」ではありません。
〝地域タイトル〟と一括りにされる王座の中には「World」が付くものはもちろん「Inter-national」「Global」など、事情を知らないと世界チャンピオンと区別がつかないものがいくらでもあります。
また、同一団体でも通常の世界タイトルよりも格上のスーパーやフランチャイズ、ダイアモンド王者を設定するケースもあります。
3-Belt eraの世界王者の数は「3団体×17階級」でしたが、4-Belt era はそんな計算式が通用しない、恐るべき時代なのです。
営利を追求するアルファベット団体にとって、承認する王座の数が増えれば増えるほど儲かるわけですから、彼らが隙あらば王座を増やそうとするのは当然です。
「ボクシングの階級が細かく分かれているのは意味がある」なんて妄言をときどき耳にしますが、そんなものはアルファベット団体の商売事情という下劣な意味以外にはありません。
世界王者が多すぎて誰が一番強いのかが分からない、そんな状況はスポーツとして異常極まります。
世界王者は一つの階級に一人だけ、そんな当たり前が当たり前でないのが、プロボクシングの世界です。
かつて、承認団体は、王者が他団体との統一戦に乗り出そうものなら、タイトルを剥奪することが珍しくありませんでした。
ところが、ここ4〜5年で統一戦を許可するケースが激増しているのです。
Undisputed champion、完全統一王者だけを見ても2017年のテレンス・クロフォード(ジュニアウェルター級)を皮切りに、オレクサンダー・ウシク(クルーザー級)、ジョシュ・テイラー(ジュニアウェルター級)、カネロ・アルバレス(スーパーミドル級)、デビン・ヘイニー(ライト級)と、5年足らずで6人も生まれています。
※ここでのUndisputed championの定義は、リング誌とLineal titleは考慮せず「WBA、WBC、IBF、WBOの4つの王座を同時に保持している状態」とします(アルファベット4つを集めるとリング誌とLinealも付随してくることがほとんどですが)。
※テオフィモ・ロペスをUndisputed championにカウントするメディアが日本で特に目につきますが、テオフィモのWBCはフランチャイズというわけのわからないタイトルであるため、世界的には3団体統一王者と見るのが一般的です。

4-Belt eraでのUndisputed championは2004年のバーナード・ホプキンスが最初の一番目。2005年にホプキンスに勝ったジャーメイン・テイラーが二人目ですから、三番目のクロフォードまで12年の歳月が流れたことになります。
それが、5年足らずで6人、更にそのうち4人は2021年以降のわずか18ヶ月で輩出されているのです。
統一王者からも承認料は取れますが、王者の数が減ることは、試合数が減ることも意味します。
下劣な承認団体も、自分達がスポーツと関わる仕事をしていることに、ついに気がつき、これまでの行いを悔い改めたのでしょうか?
そんなわけはありません。
承認料は選手報酬に比例て高くなるので、試合規模が大きくなる統一戦は、アルファベット団体にとって単発で見ると歓迎すべきことです。
懸念材料は、王者が一人しかいないと試合数も減ること。世界王者が17人しかいないと、試合規模が大きくなって単価は上がるものの、一人年3試合しても51試合からしか承認料を取れません。
これが4人いると204試合も承認料をせしめることが出来るのです。
4-Belt eraで特徴的なのは王者が粗製濫造されていることだけではありません。ご存知の通り、安易な複数階級制覇も花盛りです。
Undisputed championがその階級に長居することはレア、もし居座りそうな王者なら指名挑戦の期限を理由に剥奪すれば良いのです。
統一と分裂を短いスパンで繰り返すなら、決定戦や暫定王者を設ける口実にもなります。
カネロ・アルバレスはスーパーミドル級を主戦場にしそうですが、Undisputed championの承認料はWBAとWBC、IBFが3%、WBOは自身のタイトルに加えて複数の王座を保持してる王者が統一戦に乗り出す場合は割引価格2%(WBO単独王者は規定の3%)。合計11%。
カネロが1試合で5000万ドル稼ぐとすると、承認料は550万ドル。デメトリアス・アンドラーデみたいな不人気王者に年10試合されるよりもカネロの1試合の方がはるかに儲かります。
カネロの場合はそもそもの分母がデカいだけでなく、プロモーターがカネロ・プロモーションズ、マネージャーは家族同然のエディ・レイノソなので〝天引き〟が少なく済みます。
マッチルームなどとの共同プロモートのケースでも、完全に主導権はカネロ、マネジメント料で強気の数字は出せません。関係をこじらせて「だったらアル・ヘイモンの提案に乗り換えるわ」なんて嫌われてしまうと取り返しがつきません。
かつて、カネロをゴロフキンの指名挑戦者といて対戦を急かしたWBCにカネロが激怒、マウリシオ・スライマンが「言葉足らずで誤解を生んでしまった」と許しを求めて謝罪する〝カノッサの屈辱〟もありました。
また、トレーナーやスパーリングパートナー、カットマンらコーナーへの手当もチーム・カネロの〝内製〟。
これが、ファイトマネー50万ドルの選手なら承認料11%として550万円。さらに人気のない選手、軽量級の選手にとっては統一戦の負担は大きくなります。
軽量級でも井上尚弥のバンタム級完全統一は「ドネア2」以上のビッグイベントになる公算大。そして、Undisputed titleの防衛は行わずに、ジュニアフェザーに上がる…承認団体にとって、これ以上はない最高のパターンです。
1988年にWBAから分離独立した三つ目の団体WBOが産み落とされてから、第5の団体はまだ現れていないものの、4つの団体と17の階級で世界王者を大量生産し続けています。



摩訶不思議なタイトルに、WBCが率先して作りまくっている意味不明のベルト…これも4-Belt eraの特徴です。
4-Belt eraと、それまでの3-Belt eraの違いは「3が4になっただけ」ではありません。
〝地域タイトル〟と一括りにされる王座の中には「World」が付くものはもちろん「Inter-national」「Global」など、事情を知らないと世界チャンピオンと区別がつかないものがいくらでもあります。
また、同一団体でも通常の世界タイトルよりも格上のスーパーやフランチャイズ、ダイアモンド王者を設定するケースもあります。
3-Belt eraの世界王者の数は「3団体×17階級」でしたが、4-Belt era はそんな計算式が通用しない、恐るべき時代なのです。
営利を追求するアルファベット団体にとって、承認する王座の数が増えれば増えるほど儲かるわけですから、彼らが隙あらば王座を増やそうとするのは当然です。
「ボクシングの階級が細かく分かれているのは意味がある」なんて妄言をときどき耳にしますが、そんなものはアルファベット団体の商売事情という下劣な意味以外にはありません。
世界王者が多すぎて誰が一番強いのかが分からない、そんな状況はスポーツとして異常極まります。
世界王者は一つの階級に一人だけ、そんな当たり前が当たり前でないのが、プロボクシングの世界です。
かつて、承認団体は、王者が他団体との統一戦に乗り出そうものなら、タイトルを剥奪することが珍しくありませんでした。
ところが、ここ4〜5年で統一戦を許可するケースが激増しているのです。
Undisputed champion、完全統一王者だけを見ても2017年のテレンス・クロフォード(ジュニアウェルター級)を皮切りに、オレクサンダー・ウシク(クルーザー級)、ジョシュ・テイラー(ジュニアウェルター級)、カネロ・アルバレス(スーパーミドル級)、デビン・ヘイニー(ライト級)と、5年足らずで6人も生まれています。
※ここでのUndisputed championの定義は、リング誌とLineal titleは考慮せず「WBA、WBC、IBF、WBOの4つの王座を同時に保持している状態」とします(アルファベット4つを集めるとリング誌とLinealも付随してくることがほとんどですが)。
※テオフィモ・ロペスをUndisputed championにカウントするメディアが日本で特に目につきますが、テオフィモのWBCはフランチャイズというわけのわからないタイトルであるため、世界的には3団体統一王者と見るのが一般的です。

4-Belt eraでのUndisputed championは2004年のバーナード・ホプキンスが最初の一番目。2005年にホプキンスに勝ったジャーメイン・テイラーが二人目ですから、三番目のクロフォードまで12年の歳月が流れたことになります。
それが、5年足らずで6人、更にそのうち4人は2021年以降のわずか18ヶ月で輩出されているのです。
統一王者からも承認料は取れますが、王者の数が減ることは、試合数が減ることも意味します。
下劣な承認団体も、自分達がスポーツと関わる仕事をしていることに、ついに気がつき、これまでの行いを悔い改めたのでしょうか?
そんなわけはありません。
承認料は選手報酬に比例て高くなるので、試合規模が大きくなる統一戦は、アルファベット団体にとって単発で見ると歓迎すべきことです。
懸念材料は、王者が一人しかいないと試合数も減ること。世界王者が17人しかいないと、試合規模が大きくなって単価は上がるものの、一人年3試合しても51試合からしか承認料を取れません。
これが4人いると204試合も承認料をせしめることが出来るのです。
4-Belt eraで特徴的なのは王者が粗製濫造されていることだけではありません。ご存知の通り、安易な複数階級制覇も花盛りです。
Undisputed championがその階級に長居することはレア、もし居座りそうな王者なら指名挑戦の期限を理由に剥奪すれば良いのです。
統一と分裂を短いスパンで繰り返すなら、決定戦や暫定王者を設ける口実にもなります。
カネロ・アルバレスはスーパーミドル級を主戦場にしそうですが、Undisputed championの承認料はWBAとWBC、IBFが3%、WBOは自身のタイトルに加えて複数の王座を保持してる王者が統一戦に乗り出す場合は割引価格2%(WBO単独王者は規定の3%)。合計11%。
カネロが1試合で5000万ドル稼ぐとすると、承認料は550万ドル。デメトリアス・アンドラーデみたいな不人気王者に年10試合されるよりもカネロの1試合の方がはるかに儲かります。
カネロの場合はそもそもの分母がデカいだけでなく、プロモーターがカネロ・プロモーションズ、マネージャーは家族同然のエディ・レイノソなので〝天引き〟が少なく済みます。
マッチルームなどとの共同プロモートのケースでも、完全に主導権はカネロ、マネジメント料で強気の数字は出せません。関係をこじらせて「だったらアル・ヘイモンの提案に乗り換えるわ」なんて嫌われてしまうと取り返しがつきません。
かつて、カネロをゴロフキンの指名挑戦者といて対戦を急かしたWBCにカネロが激怒、マウリシオ・スライマンが「言葉足らずで誤解を生んでしまった」と許しを求めて謝罪する〝カノッサの屈辱〟もありました。
また、トレーナーやスパーリングパートナー、カットマンらコーナーへの手当もチーム・カネロの〝内製〟。
これが、ファイトマネー50万ドルの選手なら承認料11%として550万円。さらに人気のない選手、軽量級の選手にとっては統一戦の負担は大きくなります。
軽量級でも井上尚弥のバンタム級完全統一は「ドネア2」以上のビッグイベントになる公算大。そして、Undisputed titleの防衛は行わずに、ジュニアフェザーに上がる…承認団体にとって、これ以上はない最高のパターンです。
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