これまで日本人が敵地で世界タイトルを防衛したのは2度だけ、でした。

パイオニアは渡辺二郎。

1985年12月13日、韓国で尹石煥を5回KO勝ち。日本人世界王者として初の国外での世界王座防衛を果たしました。WBCジュニアバンタム級王者として4度目の防衛に成功、WBAの6度と合わせて通算10連続防衛でした。

ちなみに、2年くらい前に韓国大統領・尹錫悦が大物政治家を糾弾する検察側だった時代。

「
尹錫悦ってどう読むんだ?」という話になったときに、私は「ユンに決まってるやろが。お隣の国やのにそんなのもわからんのか?金とか朴とかと同じ当たり前の名前やぞ」と自慢げに言い放った後に「じゃあ、下の錫悦はなんて読むんですか?」と聞かれたら全てが破綻すると慄きながらも、お前らこれ以上何も言うなよ!と睥睨してると、誰からもそんな質問はでず「韓国のことでもなんでもよく知ってますね」と丸く収まりました。

もちろん、私が「ユン」を読めるのは尹石煥(ユン・ソクファン)のおかげです。


渡辺の次の海外防衛は、24年後の2009年5月23日。

メキシコのモンテレーアリーナで、西岡利晃が1-3のオッズと圧倒的不利予想に初回のダウンを跳ね返し、ジョニー・ゴンサレスを3ラウンドKO。

逆転の左ストレート。震えました。

もちろん、ただでさえムラっ気があって打たれ弱いジョニゴンが、最悪のスランプだった時期。西岡は評価の高い王者ではありませんでした。

競争入札でホームに西岡を引っ張り込んだことも、気の弱いジョニゴンは「大きな重圧に負けてしまった」。

そんな勝負弱さが代名詞だったジョニゴンですが、長谷川穂積戦を西岡のときとは逆目の1-3のオッズを覆して圧勝。アブネル・マレス戦では1−10と咬ませ犬扱いも大番狂わせを起こしました。

とはいえ、ジョニゴンには「全自動KO負けマシーン」「番狂わせを起こされる方」のイメージが付きまとってます。

それでも、山中慎介に文字通り切り落とされたトマス・ロハスにやはり番狂わせで敗れてから、雑魚相手に3連勝。

40歳になってライト級で戦うジョニゴンが陽の当たる場所に戻る日は訪れるでしょうか?

そして、亀田興毅(vs孫正五=2013年11月19日:韓国)、三浦隆司(vsセルヒオ・トンプソ=2013年8月17日:メキシコ)が続きます。
 

最初に「敵地で世界タイトルを防衛」という表現をしたのは、井上尚弥のアントニオ・ニエベス戦やエマヌエル・ロドリゲス戦、ジェイソン・モロニー戦、マイケル・ダスマリナス戦は海外防衛ではありますが「敵地」とは到底言えない、むしろホームの舞台だったからです。

中谷潤人のアンヘル・アコスタ戦も、敵地ではありません。

しかし!今日、京口紘人は文句無しのアウエー!5人目の快挙を果たしました。素晴らしい!!!

あの会場の雰囲気、あのレフェリング、あのジャッジ…完全無欠のアウエーでした。



そして、パックマニアの私に言わせてもらえるなら、敵地で最も大きな業績を収めたのはマニー・パッキャオ。2位はいない、それほどの存在です。

相手がメキシコのスーパースターなだけに、京口以上のアウエー、包囲網を破壊的に突破、いつの間にかラスベガスの大会場をホームに仕立ててしまうという、ロベルト・デュランもゲンナジー・ゴロフキンも出来なかったmission-impossibleをやってのけたのです。

パッキャオみたいな馬鹿はもう現れないのかな…。

…パッキャオ・ロスが癒えないぜ、俺。