井岡一翔が作った「最速」記録を、井上尚弥が塗り替える。

「ウサギとカメ」ならぬ「ウサギとウサギ」の追いかけっこは、4歳年上のウサギが先に躓いてしまいます。

2014年5月7日、IBF世界フライ級王者アムナット・ルエンロン(タイ)と対戦した井岡は、老獪なクリンチに苦しみ、世界最速プロ15戦目での3階級制覇を賭けた大一番をスプリットデジションで落とします。

リング誌はこの試合を「大番狂わせ」と報じました。実際に、戦前のオッズは明白に井岡でした。

「25歳で無敵の井岡」と「軽量級では峠を越えた34歳のアムナット」。「そして、井岡はスーパースターである大阪にタイ人を引っ張り込んだ」。

「スコアカードは井岡から見て114-113、108-119、112-115。大阪の試合という含みから、井岡の勝利だと思ったが、119-108は明らかにおかしなスコアだった」。

「再戦必至で、キャリアハイの報酬を手にしたアムナットも望むところだが、実は井岡よりもマネーを積めるボクサーがいる。中国のゾウ・シミンだ」。
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リング誌の扱いは同じ2014年12月30日の「井上尚弥vsオマール・ナルバエス」と同様に、小さな扱いでしたが、ゾウ・シミンを頂点に井上、井岡を「米国では信じられないマネーパワーを持つ軽量級の極東トライアングル」と、これから中国と日本でメガファイトが開催されると予想していました。

ゾウが下馬評通りにアムナットを破り、井岡と対戦していたら?

99%中国に引っ張り上げられていたでしょうが、オッズも予想の真っ二つ、とんでもないメガファイトになっていたでしょう。

井岡がゾウに勝っていたら、中国はもちろん、日本では劇的に再評価されたはずです。

くだらないイフです。

現実は、テレビカメラの前で「ゾウはスーパースター。俺なんて日本でもウンコ」と控え室で吐き捨てた反骨不屈の男が中国の希望を破壊することになるのです…。

2014年、井岡は番狂わせに沈み、最短3階級制覇に失敗。井上は今なおキャリア最高と評価されるナルバエス戦で最短2階級制覇を果たします。

2014年。井上が井岡に追いつき完全に抜き去ったのが、この年でした。