PFPは Mythical rankingと呼ばれるように、実態のない妄想です。

リングの上ではなく、人間の脳内が決めるという点では、ボクサーにとって最上級の目標とされる殿堂入りや、全米ボクシング記者協会(BWAA)のFighter of the yearと変わりません。
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しかし、その価値はまさしく絵に描いたように軽佻浮薄なPFPとは比べようもありません。

例えば、10年前、2011年のFighter of the yearはアンドレ・ウォードです。

ボクヲタなら今年のタイソン・フューリーからカネロ・アルバレス…と順に辿って2011年に行き着くことも普通に出来るでしょうし、調べるとすぐにわかります。表彰式のシーンや記事も簡単に見つかるでしょう。

しかし、2011年はおろか去年2020年のPFP1位は誰?と聞かれてまともに回答出来る人は皆無です。

期間を決めずに、1日でシャッフルされることが珍しくないPFPなど誰が記憶できるでしょうか?誰もできません。

そればかりか、BWAAの他にも、ESPNやリング誌など様々なランキングが乱立しているのですから。

しかし、というか、実は、ラング誌は2016年までの年間表彰でFighter of the year等と一緒にBest Fighter Poll(年間PFP)を10位まで発表していました。

かつては、1月号でBest Fighter 100(年間PFP100位)なんて大きくページを割く企画もあり、日本人ボクサーの名前を見つけて解説を読むのを楽しみにしていました。

しかし、Best Fighter PollもBest Fighter 100もリング誌の経営不振→誌面リストラから、消滅してしまいます。

私にしては結構楽しみにしていた、良い意味でバカらしい企画でしたし、リング誌そのものも読み応えのある良い雑誌だと思ってるから、もう何十年も定期購読しています。

そもそもボクシングだってこんなに面白いスポーツは他にないと信じているのですが、そんな大好きなものがメディアも含めた産業としてどんどん没落していくのは本当に寂しい限りです。

ESPNでも年々扱いがショボくなるボクシングよりも米国スポーツの本流、NBAや NFL、新興のXゲームのファンになって成長期の現在と明るい未来を満喫する方が楽しいと思うこともあります。

バスケやフットボール、Xゲームも日本人が出場して活躍してるなら応援しますが、そこまでです。本能的な興味は全く湧きません。

変なカゴにボール入れたり、全身防具で固めて楕円球とじゃれ合ったり、スケボーで飛んで回転して採点を待つ、なんて競技には全くムラムラしません。

世界的な統括団体が存在しない、腐った承認団体が利権を争い巣食っている、傘下の選手を保護するプロモーター、スポーツなのに誰が一番強いのか分からない理不尽、オリジナル8の時代なら存在意義がなかったPFPがあちこちで囁かれる…現状のボクシング界がこのままで良いはずがありません。

これほど深刻に、しかも長期的に腐敗したスポーツなど人類史上存在しませんでした。

多くの人、大きなテレビ局もこのスポーツに見切りをつけて離れていきました。

これだけ多くの理由があれば、没落するのはよくわかります。


それでも大好きなんです。

技術と勇気で二つの拳を操るファイターを見ると、胸が躍ります。

完全Bサイドのマニー・パッキャオがマルコ・アントニオ・バレラやオスカー・デラホーヤに斬り込んで行くのを見ると、野球やサッカーのゲームでは絶対に湧いてこない感情が心の中のずっと奥の方から噴火してしまうのです。





なぜかこの4〜5年でPFPに敏感になった日本の一部ボクシングファンに歩調を合わせるように、2015年に山中慎介と内山高志が日本人として初めてリング誌PFPランキングに入りました。

井上尚弥が10位に食い込んでくるのは、内山陥落(2016年12月)後で、惜しくも日本人3人揃い踏みはならず。

いまは、Best Fighter PollもBest Fighter 100もなくなってしまいましたが、電子版で井上尚弥が2位(10傑内に205週間連続登場)井岡一翔が10位(28週間)の評価を受けています。

手っ取り早くランキングを駆け上るには、上位選手を喰うことですが、王手をかけている2位・井上の先にいるのはスーパーミドル級のカネロ・アルバレスだけ。対戦に現実味はありません。

一方、10位・井岡は同じジュニアバンタム級のファン・フランシスコ・エストラーダが8位にいます。

しかし、メキシコの雄鶏は10月16日に会場未定ながらローマン・ゴンザレスとのラバーマッチがセットされ、これがWBCトーナメントの準決勝。

この優勝者と戦うのは、どんなに早くても来年後半。しかも、エストラーダが優勝するとは限りません。

その次に階級が近いのは2位の井上。こちらは実現するととんでもないメガファイトですが、島国根性プロモータートでは難しいでしょう。

その次に階級が近いのは9位のワシル・ロマチェンコですが、ウクライナのハイテクはライト級、現実味はありません。

〝直接対決〟が難しいとなると上位ランカーが負けて、順位を繰り上がる棚ボタ待ち。

しかし、モンスターの上にのしかかるのはカネロなんです。

コイツは現代ボクシング界で最もプロテクトされ、尚且つ強い…これを、わかりやすく表現すると、最も負けにくいファイターということです。

そして、井岡の上を仰ぐと、エストラーダがロマゴンに負けた場合は10傑陥落、ロマゴンのPFP圏再突入が考えられます。

最悪のパターンは第2戦同様の「2人とも勝者。最大の勝者はこの試合を見たボクシングファン」という大激戦をロマゴンが制して、エストラーダが10傑に残り、井岡が弾き出されることです。

それよりも4位のオレクサンダー・ウシクがアンソニー・ジョシュアに惨敗、7位のテオフィモ・ロペスがジョージ・カンボソス相手に不細工な内容で敗れる方が、井岡の繰り上げに直結しそうです。



前置きが長くなりました。

PFPキングの系譜を、年度軸で総覧するんでした。

リング誌でBest Fighter Pollが発表されていた1980年から2016年までは、このランキングの1位をご紹介。

2017年以降はリング誌プリントバージョンPFPランキング12ヶ月(12冊)の〝多数決〟でPFPキングを決めます。

リング誌は経営難から2015〜2017年まで月刊体制が崩壊しますが、今回の多数決に不都合はありません。