このブログでも何度か取り上げた「バニスター現象」。

「医学的に人類の限界」 と信じられていたマイル(1600m)の壁をロジャー・バニスターが一度切ると、続々と4分を切るランナーが現れました。

同じようなことは、最近の男子マラソン2時間6分や、100m10秒の壁でも見ることが出来ます。

「絶対に通用しない」と言われながらMLBでトルネード旋風を巻き起こした野茂英雄も、多くの後輩たちを鼓舞した〝バニスター〟でした。

生理的な限界よりも心理的な限界の方がずっと手前に設定されるのは、当然です。

かつて、スピードスケートの清水宏保はこの二つの限界の距離を縮めようと、失神するまで自転車を激しく漕ぎ続ける練習に肉体と精神を追い込みました。

連日、日本列島と北米大陸を沸かせている大谷翔平の二刀流もまた「バニスター」現象を引き起こすのでしょうか?

おそらく、それはありません。

バニスターや野茂は偉大な先駆者、Pioneerでしたが、大谷は違います。

大谷を表現する言葉ですでに繰り返されているPhenomenonが、最もふさわしいと思います。

直訳的には「現象」ですが、スポーツの世界で使われる場合は「超常現象」「突然変異」「本物の天才」の方がしっくりきます。

そうです。大谷は、後輩たちの道標となる偉大なPioneerでは、残念ながらありません。

大谷だけが演じられる、誰も真似のできない芸当が今、私たちの目の前で披露されているのです。
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Angels Star Shohei Ohtani Isn’t the Best Two-Way Player Since Babe Ruth. He’s Better.

米国のメディアは大谷翔平を「ベーブ・ルースの再来」と大騒ぎしているが、それは大きな間違いだ。

大谷はルースが出来なかったことをやってのけている。つまり、大谷はルースよりも上なのだ。

▶︎本塁打数1位で先発登板…100年前のルースが4月26日にやっているが、大谷はさらにシーズンが深まった段階でそれをやってのけた。

▶︎先発投手が月間8本塁打…大谷は4月でルースに並び、6月に13本でルースと自身の記録を更新した。

▶︎開幕30試合で10本塁打&30奪三振を2シーズンで達成…大谷は2018年と今年達成、ルースに並んだ。

▶︎年間10登板以上の投手が30本塁打…大谷は7月2日、ルースの29本塁打を更新。現在33まで数字を伸ばしている。

▶︎ルースは1920年代の伝説…100年前のベーブ・ルースを刺激し続ける大谷は、分業制が細分化された時代に現れた、あまりにも特別で摩訶不思議なPhenomenonだ。


時代を超えた選手を比較するのは無意味だが、それは「現代の方が技術が進んでいる」という角度から語る場合だ。

後世の選手の方が技術的に優れているのは、当たり前。

そして、より精度が高く、専門性と分業制が追求された現代では、ベーブ・ルースのような大らかな伝説が紡がれることはない。

古き良き時代は、二度と戻ってこない。そのはずだった。

大谷翔平が今、フィールドでやっていることは、本当なら100年前でなければ出来なかったことだ。

…いや、正確に言うと、100年前でも出来なかったことだ。


Angels Star Shohei Ohtani Isn’t the Best Two-Way Player Since Babe Ruth. He’s Better.

だから、大谷がやっていることは、ルースをすでに凌いでいる。

私たちが目撃しているのは「ベーブ・ルースの再来」ではない。

今、繰り広げられている異常現象は「大谷翔平」だ。それは「ベーブ・ルース以来100年ぶり」などという紋切り言葉で表現されるような「再来」ではない。

歴史上、一度も起きたことのない現象が、今、私たちの目の前で起きているのだ。


***** 「野球をやってる人で知らない人はいない名前。一緒に並べてもらえるだけで、光栄すぎます」(大谷翔平)。

フロイド・メイウェザーみたいに「シュガー・レイ・ロビンソンもモハメド・アリも俺から見たら下。俺が史上最高のボクサー」と吠えたら、もっと米国で話題になるんでしょうけど…」。

そういえば、もう現時点でメイウェザーの認知度8%レベルは、上回ってるかもしれません。