中谷正義とワシル・ロマチェンコの試合が内定しました。

会場はこれから詰めていくようですが、日程は6月26日か7月10日の土曜日が予定されています。
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日本人が人気階級で評価の高いグレートと拳を交えることは、まずあり得ないことです。
 
欧米の人気階級…ヘビー級とミドル級、ウェルター級が鉄板です。

スター選手が進出することでジュニアミドルや、スーパーミドル、ライトヘビーでもメガファイトが繰り広げられることがありますが、スター選手の〝起点〟はウェルターとミドルです。
 
日本人がこの人気階級と絡むことができない理由は、①ミドル級が事実上の上限階級である日本には、スーパーミドル級以上の人材がそもそも存在しない、②ウェルター級とミドル級は日本の層が薄いだけでなく、欧米の支配力が強くコストとリスクが大き過ぎる、という2点でしょう。

①の背景から、ヘビー級はもちろんスーパーミドル級以上で世界のトップシーンに日本人が立つことは歴史上一度も叶っていません。

②については、日本にもランキングが存在する階級ですが、コストの問題から極めて稀なチャンスが巡って来ても、アウエーに出向くしかありません。

番狂わせで王者に就いたアルゼンチンのホルヘ・カストロのような、コスパの良いベルトホルダーならなんとか日本に引っ張り込むことはできましたが「竹原慎二」は様々な幸運が重なったレアケース、というか後にも先にも一度きりの奇跡です。

この人気階級が必然的に内包する「コストとリスク」をカネの力で一気に氷解させたのが村田諒太です。

しかし、村田にカネが集中した理由は「五輪のミドル級金メダル」というプロで世界王者になるよりも遥かに困難なハードルをクリアしたからこそ。「村田」は「竹原」よりも遥かに奇跡度が高く、不世出かもしれません(そうあって欲しくはありませんが)。



横道に逸れそうなので、本道にハンドルを切ります。

中谷正義が世界のトップに激しくチャージしているライト級です。

 欧米基準では文字通り軽量級のライト級を「人気階級」と断言することは出来ません。

しかし、人気階級への導火線であることは間違いなく、スターダムの頂点に駆け上がるかもしれないタレントも、ときに現れます。

そして今が、その「とき」です。テオフィモ・ロペスやライアン・ガルシアは、人気階級に上げてマニー・パッキャオやカネロ・アルバレス のようなForbes Fighterになる可能性を秘めています。

また、人気階級への導火線・ライト級には、下の階級の実力者も集まって来ます。

リング誌PFPに現役最長の254週間連続でリストアップされているワシル・ロマチェンコ、メイウェザープロモーションズで最も色鮮やかな絵札のガーボンタ・デービスも注目度の低い下の階級からジャンプアップしてきました。

ライト級は、常に人気階級ではありません。しかし、今現在は間違いなく人気階級です。

中谷はその真っ只中で、人気No.1スターに悪戦苦闘の悪夢を見させ、最大のホープを地獄の底に叩き落としました。

とはいえ、 パクス・メキシカーナ、ヒスパニックの時代、米国のスター・システムに日本人が乗ることは「パッキャオの曲芸」を演じることができるなら可能ですが、そうでないならありえません。

いくら楽観的な私でも、中谷がウェルター級のトップ戦線で大番狂わせを何度も起こしてForbes Fighterに登り詰める、なんて近未来は想像できません。

しかし、米国のスター・システムが丁寧に敷いてきた線路を走る貴賓列車を脱線させることは出来ます、何としてもひっくり返して欲しいですねぇ。

 
その前に立ち塞がるのが、線路も温室も関係ないロマチェンコです。

このお話では「人気階級で爪痕を残した日本人」を振り返りつつ〝アジアの鉄人〟と〝ウクライナのハイテク〟の戦力分析と試合展開を予想してゆきます。