井上尚弥が完全統一を目論む118ポンド、バンタム級。

WBOのストラップを持つジョンリール・カシメロと、WBAセカンド王者ギレルモ・リゴンドーの団体統一戦が来年3月か4月に対戦することで交渉が進んでいます。

IBFとWBAをコレクションした井上がコンプリートを目指すバンタム級に残されたストラップは、カシメロのWBOとノルディーヌ・ウバーリのWBC。

リゴンドー が腰に巻くWBAセカンドベルトは、上位(スーパー)王者である井上が議論する余地のない王者=The Undisputed Champion になるために必要なピースではありません。

もちろん、世界中のボクシングマニアが難攻不落と評価してきた高等技術を持つキューバ人を、すでに全盛期のスタイルではないとはいえ、派手に撃沈する意味はあるでしょう。

いずれにしても、31歳のフィリピン人と40歳のキューバ人の勝者を潰すことで、バンタム級コンプリートに王手をかけ、セカンド王者を一時的には殲滅できます。

完全統一に不要とはいえ、セカンドとはいえ、自分の他に王者を名乗るヤツがいるのは目障りです。

もちろん、WBAのことです。井上がセカンドを潰すと、すぐさま決定戦を画策するのは間違いありません。

カシメロvsリゴンドー。世界的には全く関心を払われないバンタム級の世界タイトルマッチですが、非常に面白いマッチメイクです。

野生と洗練。直感と理屈。 狂気と保身。

何もかも対照的に見える二人ですが、共通点があります。

無名であることへの苛立ち。自分の実力が正当に評価されないことへの怒り。 

しかし、ユリオルキス・ガンボアやエリスランディ・ララらと同様に「キューバのトップアマはプロでは面白くない」という烙印が押されたリゴンドーに対して、マニー・パッキャオのように世界でスペクタクルな拳を振るうカシメロは、少なくとも母国では英雄扱いされてもおかしくない存在でした。

しかし、最も人気にあるウェルター級まで征服したパッキャオの果実を味わったフィリピンにとって、米国でテレビにすら乗ったことがないカシメロは「スター」とは言い難い存在に甘んじてきました。

井上尚弥との対戦を熱望したのも「評価の高い日本人を倒すことは母国で人気を上げる最も手っ取り早い方法」だからでした。

そして、井上をプロモートするトップランクとの交渉が停滞すると、MPプロモーションズと関係の深いPBCから打診された「チャーロ兄弟のPPVイベント」出場へ舵を切ったのはあまりに当然のことでした。

待望の米国テレビ初登場も、井上戦ならESPNの枝葉放送ESPN+でしたが、デューク・ミカー戦はShowtime 、格が違います。
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リング誌1月号から。〜カシメロはフィリピンの偉大な先人たちとは全く違う異才だ〜

井上とカシメロもまた、全く対照的なファイターです。

基本から応用、教科書に沿ったカウンターパンチャーと、一瞬の閃きで放つ一撃でゲームを引っくり返すスラッガー。

そして、共通点は飛び級の3階級制覇にもかかわらず、その強打が色褪せるどころかますます火力を増しているアジア人ということ。


カシメロ話は読むのも書くのも、面白いです。