烏、鴉、カラス、からす…。
カラスは、頭が良いことでも広く知られています。
10日ほど前の日曜日にも、ゴミ収集場のネットを器用に開けて、中の生ゴミを漁るカラスのことが、友達の小中高生らとのBattle of Ageな会話であがりました。
「カラスは頭が良い。簡単な訓練でオウムのように人間の言葉も覚える」なんて知ったかぶった私に、1人の女子小学生が「カラスにはカラスの言葉がある」と言い出したんです。
すると周りも「京香ちゃんはカラスと話せる」と、こいつら大人をからかおうとしているな、と私はにわかに「信じられない」という空気を放ちます。
しかし、さっきのゴミ集積場の話に戻って「京香ちゃんが話しかけてからカラスは別のところに行って来なくなった」というのです。
ゴミ集積場の話の「ネットを開けるカラスの器用さと頭の良さの話」は、触りだったようです。
その子に聞くと「どう説明していいか分からないけど、ここを荒らされると嫌だ、というのは伝えられる。カラスの声を出す私をカラスは人間だと思っていない」と真顔で言うのです。
いつもバカにしてくる憎たらしい大人=私をみんなで騙そうとしている…その疑いを完全に払拭できないほど、彼らの顔は真面目なのです。
「本当?じゃあ、今度お父さん、お母さんに聞いてみるよ」と切り出すと、みんな「大人が信じるわけないじゃん」とガッカリした表情。
…待て、待て。ワシも立派な大人やぞ。という憤りはそこそこに「今度カラスと話してるの見せて」と約束したばかりでした。
そして、今日。その約束の日ではありませんでしたが、一本の電柱の周りを20羽くらいのカラスがアー、アーと鳴きながら数羽のグループで順番に旋回して電線に止まるという奇妙な行動を繰り返していたのです。
私は「遊んでる」と思ったのですが、電柱の側まで近づくと、そうではないことに気づきます。
一羽のカラスが電柱の下で死んでいたのです。
それがわかると、きっと気のせいですが、彼らのアー、アーという鳴き声がものすごく悲しい音色に聞こえてきました。
あの旋回は彼らの哀しみの儀式なのでしょう。
私もアー、アーと彼らの声を真似て哀悼したい衝動に駆られました。
京香だったら、哀悼の声も寄せることが出来るのだろうか?
週末にある中高生の野球チームの練習試合、京香はお兄ちゃんの応援に来るだろうか?
さっきラインメールで、カラスの〝お葬式〟の動画を、一文だけ添えて送りました。
「この声、なんて鳴いてるのかわかる?」。

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