リング誌の選手評価の最高峰は、あらゆるメディアがそうであるように「Fighter of The Year」(年間最高選手賞)です。

この賞は、サイ・ヤング賞のように世界で一人だけ選ばれるのではなく、かつて井上尚弥をFighter of The Yearに選んだBoxing Scene.comなど、様々なメディアが制定しています。

リング誌のFighter of The Yearは、最も歴史がありますが、圧倒的に権威があるのはBWAA(全米ボクシング記者協会)のFighter of The Year、すなわち「シュガー・レイ・ロビンソン賞」です。

「え?リング誌はSRL以前、1928年からFighter of The Yearを選出してきたじゃないか!」というのはその通りですが、当たり前ながらリング誌も包括するBWAAの権威が一番です。
IMG_1204
これが「シュガー・レイ・ロビンソン」トロフィーだ!

話が脇道に逸れる前に、リング誌の選手評価は「Fighter of The Year」を最高峰に、PFPなどがあります。

1980年から始まった「BEST Fighter POLL 」、年間PFPとでもいうべき企画もありました。

アジアからは張正九や柳明佑、カオサイ・ギャラクシー、ポンサクレック・ウォンジョンカム、ノニト・ドネアが10傑に名乗りを挙げましたが、日本人には門戸が閉ざされ続けました。 

ここに風穴を開けたのが井上尚弥。2017年に6位にランクインしたのです。
IMG_4459
1位の座はゲンナディ・ゴロフキンとテレンス・クロフォードが、同点(123ポイント)で分け合いました。投票得点制ゆえに、同点タイは珍しくはありませんが、1位をめぐっての同点はこれが最初で最後でした。

「最初で最後」。そうです、この2017年で BEST Fighter POLL は、リング誌の経営悪化が影響してリストラ、37年間の歴史を閉じてしまうのです。

ちなみに、この年にリング誌が選んだ Fighter of The Yearはワシル・ロマチェンコで、BEST Fighter POLLでは3位でした。

Fighter of The Year だけど BEST Fighter POLLでは3位…。もう訳がわかりません。

4団体17階級、王者の上にフランチャイズやダイアモンドや勝手に上位タイトルまでこしらえる時代ですから、純真なボクシングファンは「誰が一番強いのか」がリングの中で決められることを諦めています…というかもうファンの興味がそこにないことは、完全統一王者が一番人気を獲得できていないことからも明らかです。

それにしても各メディアがPFPを並べ立て、ビッグファイトのたびに「ああだこうだ」と理屈をこねるのには、そろそろげんなりしてきました。

選手の優劣はメディアやファンの脳内で決まるものではありません。小さな四角いリングの中でしか決まらないのです。

「四角いリング(四角い円形)」 。よく考えると、そこからすでに巨大な矛盾をはらんでいるのが、ボクシング。どんな不条理や理不尽がはびころうが、驚くには値しないのかもしれません。



ようやく、ロイ・ジョーンズを出せそうです。

リング誌の BEST Fighter POLL からロイがどれほど高く評価されていたか、そしてマイク・タイソンもビックリのどれほど見事な手の平返しを食らったか、に迫ります。

そして、これがホンマもんの「存命PFP 」じゃ!をこの世界の片隅で考えるのです。