見るスポーツは、巨人戦とボクシングだけの時代。


そして「日本シリーズ止まり」の読売ジャイアンツに対して「世界タイトルマッチ」を戦う日本人ボクサーは、間違いなく「国際試合」に出陣する唯一の「日本代表」でした。

新人戦から世界戦までが、ゴールデンタイムで流されていたボクシング黄金時代。

1960年代には日本テレビだけで 「チャンピオンアワー」(月曜20:45〜21:30)、「ダイナミックグローブ」(月曜22:15〜23:00)、「ワールドボクシング」(日曜21:30〜22:26)と週3本、TBSは「東洋チャンピオンスカウト(木曜21:30〜22:15)、フジテレビは「ダイヤモンドグローブ」(日曜21:30〜23:15)、NET(現・テレビ朝日)は「ゴーレデングローブ」(金曜20:00〜20:45)と、民放各局で週7日もボクシングの定期番組を持ってしたのです(ボクシングマガジン2020年7月号から)。

その黄金時代のヒーローが、ファイティング原田でした。
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「Human Windmill〝人間風車〟」はダメダメ…。エデル・ジョフレを倒してスポーツ・イラストレイテッドが特集した中で命名した「Frantic Windmill〝狂った風車〟」が正解です。

70年代になるとボクシングのゴールデンタイムに組まれた定期番組は一つ、二つと姿を消し、80年代はついにゼロに…。

1981年に具志堅用高が引退してからは、国民的ヒーローと呼べるスターは、もう40年近くもリングの中から生まれていません

21世紀になると、亀田興毅が原田には遠く及ばないものの、黄金期に迫る視聴率をマークしますが、彼を「国民的スター」と呼ぶのは私でなくてもさすがに憚られます。

日本でボクシングがメジャーの座から転がり落ちたのは、複合的な原因がいくつも絡み合ったからです。しかし、一言で集約するなら「国際試合」「日本代表」としての上質と緊張が喪失したことが全てでしょう。

テニスの錦織圭、サッカーの男子A代表、大谷翔平らが戦う「世界」に疑惑を持つ人はいません。

しかし、日本ボクシングの世界の「伝説の名王者オマール・ナルバエス」「10年無敗の絶対王者ジェイミー・マクドネル」…ボクシングマニアですら初めて聞く、試合が決まってからテレビ局が必死で考えた〝不可解で不必要な枕詞〟からは胡散臭さしか匂ってきません。

時代とともにボクシングの世界王者のステイタスがどんどん希釈されていく一方で、サッカーやラグビーなど正真正銘の「国際試合」「日本代表」が台頭、ボクシングは相対的にも沈降していきます。

そして格闘技ではボクシングの前に、歴史上初めてのライバル、UFCに代表されるMMAが登場。MMAは日本でこそ市民権は得ていませんが、米国ではESPNなど大手メディアの取り扱う情報量はボクシングを超えています。

〝ボクシングの聖書〟リング誌もリンダ・ラウジーが「ボクシング転向」を表明するとすぐに食いつき、単独カバーに大々的な特集を組みました。そして、本誌にもMMAコーナーを定番化、廃刊が噂される中で〝藁をもすがる〟姿でした。

現在、日本でボクシングがキックやMMAよりも「格上」と見られているのは、たった一つの理由「市民権があるから」だけに過ぎません。

もし、あっちの世界も市民権を得て那須川天心や堀口恭二の試合が一般紙やNHKスポーツコーナーで扱われるようになれば、少なくともファーストインパクトでボクシングはプロ格闘技二番手に沈むでしょう。

そして、格闘技No.1の座を奪回できるかどうかは、非常に難しいと問題だと思います。


現状でも、ライジンのトップ選手と同等の注目を集めることが出来るボクサーが何人いるでしょうか?


前置きが長くなりました。

世界の話、軽量級への関心・興味が失われた原因や時期を、オリジナル8が固まった時代に遡るお話、でした。