今夜、菅義偉総理大臣をトップに新内閣が誕生しました。

総理大臣でも大統領でもエラーばかりが指摘される因果な商売です。

普通にやって当たり前、ゴールキーパーみたいな仕事です。

しかし、最も重要な仕事の一つであることは誰もが認めるところです。

安倍晋三前首相の退任会見で、記者から「おつかれさまでした」のねぎらいの声が聞こえなかったことに橋下徹が憤慨していましたが、全くその通りです。

約8年もの長期政権は、圧倒的な支持を集めた時期のない「消去法政権」でしたが、良い意味で「安倍ままの方がマシ」というのが国民感情でした。つまり、8年間を安倍首相に託すことに多くの国民が異論はなかったのです。

そして、新たな挑戦の舞台に立つ菅新首相にも、出航の今この時はエールを送りましょう。

どんなに素晴らしい舵取りをしても、必ず非難の嵐に晒されるのがこの仕事です。

ハネムーンくらいは、殺伐としてはいけません。熱いエールを送りましょう。
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【事件の概要】「ヘビー級が動くが如くボクシングは動く」。

レスリングや柔道など階級制格闘技において、無差別級の地位ば絶対的で、この真理はプロボクシングにおいてより強烈な光を放ち続けていました。

しかし、20世紀終盤からその絶対的地位は揺らぎ始めます。

ファイトマネーの大台、100万ドルをマークしたのも1000万ドルを突破したのも、最初はヘビー級でした。※

しかし、記念すべき1億ドルの空を最初に突き破ったのは身長170㎝前後と小さな二人のウェルター級でした。

一体誰がヘビー級を殺したのか?




◎1960年代のアリバイ◎

ヘビー級はフロイド・パターソンから王座を奪ったソニー・リストンが長期絶対王政を敷くと見られていましたが、カシアス・クレイが登場。

米国ボクシングはそのステイタスの面ですでに衰退期に入っていたと考えられる60年代でしたが、まぶしすぎるアリの時代は、ある意味で米国ボクシング、それどころか米国スポーツの黄金時代でした。

このディケイドでウェルター級王者のベルトを巻いたのはベニー〝キッド〟パレット、エミール・グリフィス、カーティス・コークス、そして1969年にはホセ・ナポレスが滑り込みます。

錚々たるメンバーです。

1962年3月24日、マディソン・スクエア・ガーデンで行われたパレットvsグリフィスの惨劇がきっかけとなり、ボクシングのリングは3本ロープから4本に改革されるなど、世界的に注目される大試合が繰り広げられますが、アリの存在を脅かすようなスターパワーは持ち合わせていませんでした。

それを言い出すと、ヘビー級を殺した真犯人は、モハメド・アリということになってしまいます。

容疑者A:モハメド・アリ
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もちろん、ヘビー級の伝説アリが真犯人であるわけがありません。



 
◎1970年代のアリバイ◎

アリの時代が続いた1970年代ですが、真犯人のアジトとして有力なウェルター級とミドル級で、今なお「歴代最強」とも言われる王者が君臨します。

容疑者B&C:二人の「カルロス」

この二人は極めて怪しい容疑者です。

強打のメキシカン、パロミノはウェルター級の名王者です。今なら、カネロ・アルバレス並みの補助輪付きの過保護なキャリアを送っていたでしょう。

しかし、それは逆に1970年当時、パロミノはボクシングの世界を牽引するリーダーではなかったことを意味します。

もう一人のカルロス、モンソンはまさに伝説的な生涯を送った最強のミドル級でした。しかし、アルゼンチンのショットガンも生まれるのが早すぎました。

モンソンのあと、ミドルを恐怖で支配したマービン・ハグラーのようなメガファイトとは無縁でした。





◎1980年代のアリバイ◎

極めて真犯人と思しき男を連行しました。

この男の二つの拳によって、ヘビー級の独壇場だった「史上最高のファイトマネー」の歴史が打ち砕かれてしまうのです。

容疑者D:シュガー・レイ・レナード

「これからはスターの時代になる」。

そう公言したのはリング誌でもESPNでも、スポーツイラステレイテッド誌でもありません。

公平平等であるはずの承認団体の一つWBCのホセ・スライマン会長でした。

「実質5年以上もリングを離れているレナードをランキングに入れた理由を説明できるのか?」。

スライマンは淀むことなく答えたのです。

「レナードは他のボクサーとは違う」。

史上最大のメガファイトで手にした「最低保障」は1100万ドル(当時のレートで約16億5000万円)、リングの大きさやカンバスの硬さ、ロープの緩みなど全てをオーダーメイドすることと引き換えにハグラーの1200万ドル(約18億円)は下回りましたが、両者の報酬は史上最高でした。

そうです「最低保障」です。実際にはクローズドサーキットを主軸とした興行収入が契約ラインを超えた時点で歩合が発生するので(現在のPPVと同じシステム)、ハグラーは最終的に2500万ドル、40億円近くを手に入れました。

このお話はテーマから外れ、きっとどこかでしたのでこの辺りで。

その後もスライマンはまるで飼い犬のように、レナードにべったり寄り添い、挙げ句の果ては1試合で2階級のタイトルか懸けるという〝離れ業〟までやってのけました。

しかし「ヘビー級を殺した」と認めるには、レナードは一代限りで、その荒稼ぎの舞台は、彼が最も素晴らしいパフォーマンスを見せたウェルター級ではありませんでした。


 
◎1990年代のアリバイ◎

この二日間、ヘビー級を殺した真犯人を、リングの上で探していた私は間違っていたのかもしれません。

リングの上でヘビー級よりも魅力的なパフォーマンスを見せる才能あふれる若者が犯人だ!…そんな犯人像に縛られて、重大な事実を私は見落としていました。

リングで戦うのはボクサーですが、そこには必ず演出家が、舞台監督が存在します。

そうです。プロモーターです。

容疑者E:ボブ・アラム

ヘビー級を独占していたドン・キングを駆逐するのに「ヘビー級のタレントを奪う」のは不毛な争いを生み出すだけです。

アリやマイク・タイソンという素材のまま売り出すしか能のないキングの欠陥をアラムは見抜いていました。

「あの男はあと5年以内、いや来年にも最前線から消してやる」。

「素材のヘビー」が〝刺身〟だとすると、演出というソースをかけた「中量級」は〝フランス料理〟でした。

そして、アラムは風を読むにも敏でした。「メキシコの風」を読み取り、オスカー・デラホーヤを〝ドラ1〟で獲得。

アラムはデラホーヤやフロイド・メイウェザーが反旗を翻すのも想定内だったでしょう。

唯一、計算外だったのはメキシコのスター選手の踏み台と考えていたフィリピン人が次々に番狂わせを起こしたことくらいでしょうか。





◎2000年年代のアリバイ◎

アリに続いてまたもや、ヘビー級の容疑者が起訴されました。

容疑者F&G:ピタリとウラジミール、クリチコ兄弟

この〝ウクライナの軛〟によって、米国のヘビー級離れは決定的になります。

「試合が面白くない」。米国のファンは口を揃えますが、ヘビー級の試合なんて大概あんなものです。クリチコ兄弟の試合は、ヘビー級としてはむしろ面白かったです。

やつらの胸の内は「(米国人がロシア系のクリチコ兄弟に惨敗するのが)面白くない」のです。
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ビタリは首都キエフの市長。ロシアの武力干渉にも新型コロナも彼を倒すことはできません。

政治家ボクサー最強は、マニー・パッキャオではないのです。間違いなく、ビタリです。





◎2010年代のアリバイ◎
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米国ボクシングのリングに大異変が起きます。

米国に限らず、異邦人がスターダムの頂点に立つのは至難の業です。それが北中米を遥か離れたアジア、しかも軽量級となると、スターダムの「ス」にも届かないのが常識です。 

ボクシングはとっくの昔にマイナースポーツに堕落していましたが、それゆえにミステリアスなベールをまとい、酔狂なマニアの興味を刺激したのかもしれません。

そのベールを被った小さな男がよりミステリアスに映えたのは、米国人がよく知らないアジアからやって来たことと無縁ではないでしょう。

「東洋人は米国スポーツで過剰に優遇されている。ボクシングでもバスケでも野球でも!本当の実力勝負なら黒人が最強だというのに!俺たち黒人はいつも損ばかりしてるんだ!」(メイウェザー)の言葉は確かに一理あります。

壁も屋根も寝床も無い極貧のドン底から這い上がって来た生ける伝説は、正真正銘のアメリカンドリームを摘みました。

容疑者H:マニー・パッキャオ



◎2020年のアリバイ◎

2020年代。次の事件が起きるかもしれません。

つまり「誰がウェルター級を殺したのか」?

すでに有力な容疑者は挙がっています。

やはり、今回もアジアの島国からやって来た男です。

しかし、2010年代にしょっ引いたフィリピンの貧乏人とは様子が違います。

フィリピンとは比べ物にならない金持ちの国から上陸した118パウンダーには、ウェルター級を殺す動機も、何よりもその実力がないように見えます。

ただ、それを言い出すとあのフィリピン人もボクシング界を震撼させるような大事件を何度も起こすなんて…誰も考えていませんでした…。

容疑者IあるいはN
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菅新首相と同じように、新しい挑戦に乗り出す第一歩です。

便所の落書きブログから、頼まれてなくてもハネムーンお見舞いです。

あと1ヶ月と少し。

「階級下克上」を成し遂げるには、あまりにも頼りないクラス、あまりにもしょぼい相手ですが、それを補って余りある花火を上げましょうぜ。