日本時間の8月9日日曜日、WBAの暫定タイトルマッチがロスアンゼルスのMicrosoftシアターで開催されます。

ウェルター級(ジャマル・ジェームスvsトーマス・デュロルメ )と、スーパーミドル級(レノックス・アレンvsデヴィッド・モレル)の2試合。

まずはウェルター級の方から。

現在のランキングはマニー・パッキャオが王者。WBAが「レギュラー王者」と主張するも、まともなメディアは「セカンド王者」と相手にしていない、日本では王者と認められる「正規王者」は空位です。

そして「ゴールド王者」にはバージル・オルティスJr.。

今回の暫定王者決定戦に出場するジェームスは5位、デュロルメは10位。
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5位と10位で暫定王者、トップ5でセカンド王者を決める算段でしょう。

WBAに限らず、承認団体がタイトルを増殖させるのは抑止できるわけがありません。彼らは営利団体の製造業だからです。

では、トヨタは自動車を日清食品はカップヌードルを作ってますが、ボクシングの承認団体は何を作っているのか?世界タイトルです。

彼らに「これ以上世界タイトルを作るな!」と言うのは、実は言う方がイカれてるのです。バイキンの「増殖するな!」というのと全く同じです。


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そして、もう一つの暫定王者決定戦、スーパーミドル級はもっと酷くて、笑えるレベルです。

アレンは世界基準相手の対戦経験は全く無いものの、百歩譲って22勝14KO1分と綺麗な数字を並べています。

相手のモレルも全戦全勝全KOですが、キャリアはわずか2戦。つまり2勝2KOです。

キューバのエリートアマとはいえモレルは世界ユース(ライトヘビー級)のタイトルしか獲っていません。

WBAプレスは「3戦目で世界獲得ならセンサク・ムアンスリンとワシル・ロマチェンコ以来の快挙」と報じ「22歳のキューバの天才が35歳の無敗無敵のギアナ人と激突する。ウェルター級に新たな伝説が生まれる」と浮き足立っていますが、リング誌やESPNなど米国メディアの反応は冷ややかです。

「その世界タイトルマッチに何の裏付けがあるのか?」という質問にWBAプレスは「1位アレンと3位モレルが戦い、その勝者が王者を名乗ることに何の矛盾もない」「WBCやIBF、IBO、WBOと比較したらWBAランキングが一番説得力がある」と、彼らのランキングが根拠だと短く答えただけ。

ランキングの矛盾、錯乱を指摘しだしたら、どの団体も同じです。

それにしても、酷い。

王者不在を、一時的に穴埋めするのが暫定王者で、復帰した王者と速やかに団体統一戦を行うのが筋でしたが…。

そして、今回の承認料ですが暫定タイトルの決定戦にもかかわらず2万5000ドル、約275万円と伝えられています。

通常は報酬の3%が相場ですから、この承認料を当てはめると両者のファイトマネー合計は160万ドル前後と、このパンデミック下を考えなくとも、無名の二人ではありえない数字になります。

「世界最短奪取」をぶら下げて視聴者数を稼ぎたいFOXの思惑です。

ボクシングファンのほとんどは、タイトルが完全に腐ってることを知りません。そんなライトユーザーは「世界最短」でチャンネルを合わせてくれます。

そして、承認団体の正体を知っているヘビーユーザー、コアなファンは文句を言いながらも必ず見てくれる、そのことをFOXはよく理解しているのです。

週明けには、WBAの抱える世界王者は17階級で52人になっているはずです。