昨年、2019年は、2010年代の最終年でした。

この10年区切りの最高選手、Fighter of the decade にはフロイド・メイウェザーが選ばれましたが、マネーは2016年からの4年間を全く評価に値しないコナー・マグレガーとの1試合しかこなさなかったにもかかわらずBWAA(全米ボクシング記者会)とリング誌で〝10年賞〟を獲得しました。

実質「6年」の実績で「10年」の賞に輝いたわけですから、これはカッコいい、さすがです。

他の候補選手、カネロ・アルバレスとマニー・パッキャオを直接対決で叩いているわけですから、受賞の該当者はフロイド一択、カネロとパックマンは「形だけのノミネート」でした。 
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もちろん、この時間軸の区切りに大きな意味などありません。所詮は西暦軸です。キリスト教徒の勝手な理屈です。日本なら平成10−19年の「10年最高選手」などの区切りでやっちゃってもいいと思います。

それをやるとFighter of the decadeがどれだけブレるかが、よーくわかります。

そんなわけなので、Fighter of the year も同様ですが、活躍期間がそこにすっぽり入る選手が幸運で、year 跨ぎ、decade 跨ぎで活躍する選手は不利になります。

また、これも不公平な話ですが、特にdecade では後半活躍した選手の評価が高くなります。これは、試合のラウンド評価にも言えます。

この幸運に最も浴したFighterがマニー・パッキャオで、その逆がロイ・ジョーンズJr.です。

2003年に106年ぶりにミドル級王者のヘビー級制圧するなどキャリアハイだったロイは、decade 後半は目も当てられない大失速。

逆にパッキャオは2008年にオスカー・デラホーヤを撃破、2009年もリッキー・ハットンとミゲール・コットを、攻め落として史上初の7階級制覇を達成。

あらゆるメディアが、満場一致の文句無しでパッキャオをFighter of the decadeに選びましたが…。

もし、2人の活躍時期が反対だったなら?

あるいは、ジョン・ルイスに勝った時点で引退していたら?(ボクサーのレガシーは加算されるのみ、引き算はないという〝ルール〟はウソです)。

そして、このFighter of the decadeを和暦の平成10−19年(1998年−2007年)として切り取ると「パッキャオの2008−2009年」は見事に次の10年に先送りされてしまいます。

Fighter of the decade=和暦版=なら、2006年にザブ・ジュダーをウェルター級団体統一戦で退け、2007年にオスカー・デラホーヤとリッキー・ハットンに勝利した フロイド・メイウェザーが選ばれていたはずです(ロイは和暦10年でも惨敗の印象が強烈です)。 

しかし、日本でも残念ながら Fighter of the decade とは西暦ベースです。

パッキャオの恐るべき幸運は、超強豪・超ビッグネームが次から次に現れたことはもちろん、活躍期間とタイミングもありえないほどに絶妙なのです。

次元が違うとはいえ、井上尚弥にはこの辺りの運に今のところ全く恵まれていません。間違いなくこの10年でバンタム級がボトムに落ち込んだタイミングで、ブラックホールに吸い込まれるように118ポンドに乗り込みました。

パッキャオは本来ならロイとの一騎討ちになるべき、Fighter of decadeを、神が配剤したかのような2008-2009の強烈で何より新鮮な印象をファンとメディアに焼き付けて簡単に勝ち獲りました。

さらに昨年は「4つのdecadeに跨って世界王者」という、一見すると度肝を抜かれる世界初の大記録も打ち建てました。
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1998年に最初の王位(WBCフライ級)、2019年に今のところ最後の王位(WBAウェルター級)と、ここでも最高のタイミングでタイトルをゲット。

「4つのdecadeに跨って世界王者」と聞くと「40年間」も世界のトップ?!と勘違いしそうですが、実際は「20年ちょっと」です。

それでも、とんでもない偉業であることは変わりませんが、とにかくパッキャオというボクサーは西暦カレンダーにまで愛されているということです。



前置きが長くなりました。

今夜のテーマはDivisional rankings 2010-2019 。

Fighter of the decade のDivisional 、階級別バージョンです。

複数階級制覇が当たり前の時代に、10年区切りのDivisional ranking にどこまでの意味があるのかはさておき、2010−2019年のストローからヘビーまでの17階級のFighter of the decade−Divisional version を総覧・総括してゆきます。