ローマン・ゴンザレスもマイキー・ガルシアも阻まれた「階級の壁」。
減量とはほとんど無縁のフロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオですら、ミドル級に足を踏み入れようとしないのは、そこが〝越えてはいけない壁の向こう側〟だとわかっているからでしょう。
つまり、人間もどきの化け物や変態にも階級の壁は厳然として存在するのです。
もちろん、ライト級〜ジュニアウェルター級がベスト、最も優れたパフォーマンスを発揮できる体重レンジのパックメイが「カネと注目」を求めてウェルター級を主戦場にしたことには驚愕と尊敬しかありません。
軽量級では史上初のPFP1位に就いたローマン・ゴンザレスが105ポンド(ストロー)級から4階級目の115ポンド(ジュニアバンタム)で壁にぶち当たりました。
全盛期の2012年にはBWAAのFighter of The Year に輝いたノニト・ドネアも112ポンド(フライ)級から4階級目のジュニアフェザー級で光度に陰りが見えてしまいます。
小刻みに階級が細分化されているとはいえ、元の肉体の〝分母〟が小さいだけに、軽量級には「10ポンドの壁」と言われてきました。
もちろん、112ポンドから154ポンド(ジュニアミドル級)という42ポンドのレンジで世界王者になったパッキャオがドーピングを疑われるのは、何の証拠もなくとも致し方ない気もします。
さて、パッキャオほどの変態度はないものの、日本にも「10ポンドの壁」をクリアしたと考えられる2人の軽量級ボクサーがいます。
日本人初の4階級制覇を達成した井岡一翔(105〜115ポンドを制覇)と、PFP3位でバンタム最強と目される井上尚弥(108〜118ポンド)です。
2人の共通点は2つ。
10ポンド目になるクラスでもパワー負けせずに、KOでタイトルを奪取したこと。
そして、もう一つは井岡と井上は世界屈指のリバウンドを含めた体重コントロールの天才だということ。
この「リバウンド表」で驚くべきはマクドネルの異常な数値です。前日計量で自力で上着を着れなかったのはもちろん、当日の健康状態も本当にリングに上げて差し支えないものだったのでしょうか?
そして、元の肉体の〝分母〟が馬鹿でかいはずの村田諒太のリバウンドが、遥かに軽量の井岡・井上の「名人」よりもkgで明らかに小さいという事実です。
これは、井岡・井上が減量のタイトロープを渡る術を習得しているというだけでなく、ジュニアミドルでも高いパフォーマンスを見せるはずの村田がミドル級とナチュラルにこだわっている結果でしょう。
当日計量では「いかに健康的に減量するか」がテーマでした。
前日計量の時代ではそれに加えて「いかに健康的にリバウンドするか」も大きなテーマになりました。
減量とリバウンドは個人の体質や年齢など様々な要素が絡み合うため、どの程度のリバウンドが効果的なのかは十人十色です。
しかし、メイウェザーが何度かみせた「当日の体重が前日を下回る」のは常識的にはウェイトコントロールの失敗です。
また、井上戦で重篤な病人状態でリングに上がったジェイミー・マクドネルのような生命を危険にさらす「20%を超えるリバウンド」もありえません。
一般人の感覚では信じられませんが、ボクシグでは「9〜12%が理想」とされています。
パックメイと井岡・井上。
この2つのペアの共通点は、階級の壁を突き破ったこと。
そして相違点はパックメイが過酷な減量とリバウンドにほとんど神経を使わなかった一方で、井岡・井上は減量とリバウンドの名人だということです。
井岡・井上は体重コントロールというリングまでの戦いにおいて、卓越した技量を発揮し、リングに上がった時に〝階級差〟をつける見事なリバウンドを駆使しているのです。
特に、井上の減量と体重コントロールの技量は「10%制限」のIBFが絡むと、きっちり9%台で仕上げる周到さです。
154ポンドのジュニアミドル級戦に144ポンドで計量したパッキャオの杜撰な体重調整と、井上の精密さは天地の差です。
この2人が階級の壁をクリアしているのは、技術とボクシングIQの高さに加えて体重調整の天才という要因があるのは間違いありません。
「階級の壁」を超えるのに「リバウンドの妙」が有効であるのは、全くもって自然で納得できるものです。
井上がドネアに苦戦したのは〝ドーピング教祖〟ビクター・コンテの指導のもとでドネアもまた卓越した体重コントロールを駆使した「リバウンドの妙」を会得した〝マスター〟であったことと無縁ではないでしょう。
常にフィジカルで対戦相手を圧倒してきた井上が初めてフィジカルを持て余したのは、37歳のドネアだったのです。
〝井・井〟コンビの成功に「リバウンドの妙」が大きな役割を果たしているのは明らかです。
では、彼らは〝アジアのブローナー〟だったのでしょうか。
2人の規律ある体重管理と、ブローナーのプロ失格の体重管理を比べるのはあまりにも失礼ですが、そうではなくて。
〝井・井〟もブローナーのように団体分裂と階級増殖の恩恵を受けて、その壁を越えているだけなのでしょうか?
減量とはほとんど無縁のフロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオですら、ミドル級に足を踏み入れようとしないのは、そこが〝越えてはいけない壁の向こう側〟だとわかっているからでしょう。
つまり、人間もどきの化け物や変態にも階級の壁は厳然として存在するのです。
もちろん、ライト級〜ジュニアウェルター級がベスト、最も優れたパフォーマンスを発揮できる体重レンジのパックメイが「カネと注目」を求めてウェルター級を主戦場にしたことには驚愕と尊敬しかありません。
軽量級では史上初のPFP1位に就いたローマン・ゴンザレスが105ポンド(ストロー)級から4階級目の115ポンド(ジュニアバンタム)で壁にぶち当たりました。
全盛期の2012年にはBWAAのFighter of The Year に輝いたノニト・ドネアも112ポンド(フライ)級から4階級目のジュニアフェザー級で光度に陰りが見えてしまいます。
小刻みに階級が細分化されているとはいえ、元の肉体の〝分母〟が小さいだけに、軽量級には「10ポンドの壁」と言われてきました。
もちろん、112ポンドから154ポンド(ジュニアミドル級)という42ポンドのレンジで世界王者になったパッキャオがドーピングを疑われるのは、何の証拠もなくとも致し方ない気もします。
さて、パッキャオほどの変態度はないものの、日本にも「10ポンドの壁」をクリアしたと考えられる2人の軽量級ボクサーがいます。
日本人初の4階級制覇を達成した井岡一翔(105〜115ポンドを制覇)と、PFP3位でバンタム最強と目される井上尚弥(108〜118ポンド)です。
2人の共通点は2つ。
10ポンド目になるクラスでもパワー負けせずに、KOでタイトルを奪取したこと。
そして、もう一つは井岡と井上は世界屈指のリバウンドを含めた体重コントロールの天才だということ。
| 2017年 | 選手 | 前日 | 当日 | 増加 | 増加率 |
| 4月23日 | 井岡一翔 | 50.8kg | 56.6kg | 5.8kg | 11.42% |
| 8月15日 | 山中慎介 | 53.5kg | 58.2kg | 4.7kg | 8.79% |
| 8月15日 | ルイス・ネリ | 53.5kg | 58.6kg | 5.1kg | 9.53% |
| 10月22日 | 比嘉大吾 | 50.7kg | 54.2kg | 3.5kg | 6.90% |
| 10月22日 | 村田諒太 | 72.5kg | 77.1kg | 4.6kg | 6.34% |
| 12月31日 | 京口紘人 | 47.5kg | 51.5kg | 4.0kg | 8.42% |
| 12月31日 | カルロス・ブイドラゴ | 47.1kg | 55.0kg | 7.9kg | 16.77% |
| 2018年 | 選手 | 前日 | 当日 | 増加 | 増加率 |
| 5月25日 | 井上尚弥 | 53.5kg | 59.5kg | 6.0kg | 11.21% |
| 5月25日 | ジェイミー・マクドネル | 53.5kg | 65.3kg | 12.0kg | 22.42% |
| 10月7日 | 井上尚弥 | 53.5kg | 58.5kg | 5.0kg | 9.35% |
そして、元の肉体の〝分母〟が馬鹿でかいはずの村田諒太のリバウンドが、遥かに軽量の井岡・井上の「名人」よりもkgで明らかに小さいという事実です。
これは、井岡・井上が減量のタイトロープを渡る術を習得しているというだけでなく、ジュニアミドルでも高いパフォーマンスを見せるはずの村田がミドル級とナチュラルにこだわっている結果でしょう。
当日計量では「いかに健康的に減量するか」がテーマでした。
前日計量の時代ではそれに加えて「いかに健康的にリバウンドするか」も大きなテーマになりました。
減量とリバウンドは個人の体質や年齢など様々な要素が絡み合うため、どの程度のリバウンドが効果的なのかは十人十色です。
しかし、メイウェザーが何度かみせた「当日の体重が前日を下回る」のは常識的にはウェイトコントロールの失敗です。
また、井上戦で重篤な病人状態でリングに上がったジェイミー・マクドネルのような生命を危険にさらす「20%を超えるリバウンド」もありえません。
一般人の感覚では信じられませんが、ボクシグでは「9〜12%が理想」とされています。
パックメイと井岡・井上。
この2つのペアの共通点は、階級の壁を突き破ったこと。
そして相違点はパックメイが過酷な減量とリバウンドにほとんど神経を使わなかった一方で、井岡・井上は減量とリバウンドの名人だということです。
井岡・井上は体重コントロールというリングまでの戦いにおいて、卓越した技量を発揮し、リングに上がった時に〝階級差〟をつける見事なリバウンドを駆使しているのです。
特に、井上の減量と体重コントロールの技量は「10%制限」のIBFが絡むと、きっちり9%台で仕上げる周到さです。
154ポンドのジュニアミドル級戦に144ポンドで計量したパッキャオの杜撰な体重調整と、井上の精密さは天地の差です。
この2人が階級の壁をクリアしているのは、技術とボクシングIQの高さに加えて体重調整の天才という要因があるのは間違いありません。
「階級の壁」を超えるのに「リバウンドの妙」が有効であるのは、全くもって自然で納得できるものです。
ドネアが手にしてるサプリメントは「PED」と読めますが…。大丈夫なんでしょうか?
井上がドネアに苦戦したのは〝ドーピング教祖〟ビクター・コンテの指導のもとでドネアもまた卓越した体重コントロールを駆使した「リバウンドの妙」を会得した〝マスター〟であったことと無縁ではないでしょう。
常にフィジカルで対戦相手を圧倒してきた井上が初めてフィジカルを持て余したのは、37歳のドネアだったのです。
〝井・井〟コンビの成功に「リバウンドの妙」が大きな役割を果たしているのは明らかです。
では、彼らは〝アジアのブローナー〟だったのでしょうか。
2人の規律ある体重管理と、ブローナーのプロ失格の体重管理を比べるのはあまりにも失礼ですが、そうではなくて。
〝井・井〟もブローナーのように団体分裂と階級増殖の恩恵を受けて、その壁を越えているだけなのでしょうか?


コメント
コメント一覧 (5)
フシ穴の眼
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フシ穴の眼
が
しました
「井上尚弥がフェザー級で通用するか?」という問いに対して、「重い階級だと、リバウンド幅によるアドバンテージが減るから苦戦する」と考える事も出来ますし、「リバウンド幅が大きいという事は、井上尚弥の適正階級はバンタムより上」と考えても良いと思います。
「10ポンドの壁」も、具体的に何が壁になっているのか、という解釈も色々だと思います。
「階級を渡り歩いているうちに、強敵に出会うから」というのもあるかも知れません。ウェイトコントロールの難しさとかは実はあまり関係なくて。
そう考えると、パッキャオみたいに本当に強い奴はいつまでも強敵と出会わずに、無人の野を行くが如く10階級も渡り合えてしまうのかも知れない、と思います。
フシ穴の眼
が
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