昨年、井上尚弥が2度も単独カバーを飾ったリング誌は1922年の創刊。100年に迫るその歴史は米国ボクシング盛衰の映し鏡でした。

世界ヘビー級チャンピオンがあらゆるスポーツの中で最も尊敬された時代は、モハメド・アリの引退によって1970年代で終焉。

1980年代から中量級とヒスパニックの時代が始まり、現在に連なります。

「中量級とヒスパニック」。看板が変わった米国ボクシングがメインストリームから外れて、ニッチ・スポーツに転落するのは必然でした。

そればかりか、腐敗団体と階級の増殖によって、ボクシングはスポーツの地位さえも喪失してしまいます。

複雑で高額な権利関係に縛られ、米国ボクシングのメガファイトのニュースは静止画です。それ以前に試合は100ドル近いPPVでしか見ることができません(ネット配信でこの傾向に歯止めがかかるかどうか?)。

現在のボクシング界は、カネロ・アルバレスという一強が支配する魔宮です。カネロが有利になるように周到に仕込まれたリングに上がるのは、穴王者か牙を抜かれたロートルです。

高額の視聴料を支払ってマニアが凝視するニッチスポーツ。それが米国ボクシングです。

そこではスポーツの大前提であるはずの公正な条件など守られません。マニアックでニッチな魔宮ではファンもそれにNOとは叫びません。

承認団体が明らかにおかしなランキングを捏造しようが、Aサイドに圧倒的有利なキャッチウェイトが横行しようが、ボクシングファンは「清濁併せ呑む」と「毒を喰らわば皿まで」と諦めているのです。

実際には「清」などありません。「濁」だけの世界です。そして「皿」には乗っていない剥き出しの「毒」だけの世界です。

ボブ・アラムとシュガー・レイ・レナードによって制作された現在のボクシングは「濁」と「毒」によって仕組まれた世界です。

1980年代から40年もの歳月が流れましたが、この醜悪な仕組みを崩し、奴らが書いた台本を引き裂いたボクサーはたった1人しかいません。
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そういえばシンシア・コンテさんも最近、見かけません。彼女が手に持ってるのは2018年8月号。 
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CNNが「ボクシングが復興するラストチャンス」と報じた史上最大のメガファイトがついに実現した2015年をリング誌のカバーから振り返ります。 

1月号:毎年恒例の「WORLD'S BEST FJGHTERS 100」。12人のファイターが並んでいますが、最軽量は最多7人のウェルター級。

「今年は2月号/6月号/10月号を休刊します」という不吉なメールが届いて、リング誌のメールが来ると「廃刊」の恐怖に怯える日々が始まります。というわけで2月は休刊。

3月号:「次代のスーパースター候補」のヘッドラインでカネロ・アルバレス、ゲンナディ・ゴロフキン、セルゲイ・コバレフ、キース・サーマンの4ショット。この号からページ数は114から98へ激減。

4月号:前年のFIGHTER OF THE YEAR セルゲイ・コバレフ。その他の賞に選ばれたカール・フロッチ、フロイド・メイウェザー、ミゲール・コット、フレディ・ローチ、バーナード・ホプキンスが小窓。

5月号:マニー・パッキャオvsフロイド・メイウェザーの2ショット。ついに決まったメガファイトの特集ですが、史上最大のメガファイトが行われる年に「リング誌廃刊」なんて皮肉なことがあるかもしれないという嫌な予感が…。

休刊に伴い3号分の月割り料金お返金のお知らせも来てしまいます…。

6月号は休刊。

7月号:カネロと小さな窓でメイウェザーとパック。

8月号:メイウェザーと小さな丸窓でパック。

9月号:恒例のSTATE OF THE GAME(各階級総覧)。テレンス・クロフォードと小窓でウラジミール・クリチコ、コバレフ、メイウェザー、GGG、カネロ。

10月号は休刊。

11月号:フロイド・メイウェザー。

12月号:カネロとミゲールコットのダブルカバー。

2014年に続き、この年もウェルター級のボクサーが表紙を席巻。ジュニアウェルター級以下のボクサーは小窓にも登場を許されませんでした。

編集会議では「興行規模が小さくても観る人がいるライト級以下の軽量級も取り上げるべき」という意見も出たそうですが…全く反映されませんでした。

パックメイとカネロをカバーした号とそうでない号の売れ行きに大きな差があるのは想像できますが、そもそも月刊体制が破綻してるのです。

パックメイカネでも売れ行きは大したことなかったはずです。 

そして、2016年にリング誌は大きく動きます(揺れます?)。