各団体1回ずつ計4回でさらっとご紹介と思っていた英国ボクシングニューズ(BN)誌からの拙訳「Sanctioning Bodies 承認団体の正体に迫る!」シリーズでしたが 、WBAだけで3回目になります…。
私のアリ・ライミ話が加わって、もはや原型のBN記事がどこかへ行ってしまいましたが、ここで舵を戻します。
その前にBN誌の当該シリーズの構成を説明。
3月26日号からスタートした連載なので、次回以降どうなるのか正確にはわかりません。
しかし、初回がWBAだったので次回4月2日号はWBC、4月9日号がIBF、4月16日号がWBOで最終回という流れだと思います。
内容は「HISTORY」「TITLES」「RANKINGS」「DRUGS」の4つのテーマから各団体を検証してゆく企画です。
このブログでは、それぞれのテーマを「その生い立ち」「そのタイトル」「そのランキング」「そのドーピング対応」と訳して進行しています。
やっとWBAの最初の3テーマが終わって、最後の「そのドーピング対応」です。
私のアリ・ライミ話が加わって、もはや原型のBN記事がどこかへ行ってしまいましたが、ここで舵を戻します。
その前にBN誌の当該シリーズの構成を説明。
3月26日号からスタートした連載なので、次回以降どうなるのか正確にはわかりません。
しかし、初回がWBAだったので次回4月2日号はWBC、4月9日号がIBF、4月16日号がWBOで最終回という流れだと思います。
内容は「HISTORY」「TITLES」「RANKINGS」「DRUGS」の4つのテーマから各団体を検証してゆく企画です。
このブログでは、それぞれのテーマを「その生い立ち」「そのタイトル」「そのランキング」「そのドーピング対応」と訳して進行しています。
やっとWBAの最初の3テーマが終わって、最後の「そのドーピング対応」です。
まず、ドーピングによる罰則(出場停止処分)を下せるのは統括団体であり、承認団体でないことを大前提に考えなくてはなりません。
そして、プロボクシグには世界を統括する団体が無いのです。
承認団体に出来ることは王座を剥奪すること、ランキングから追放することしかありません。
ライセンスの剥奪・停止処分が下せるのはライセンスを発行し、試合を統括している各国・地域・米国の州などです。
ルイス・ネリは2017年と2018年の山中慎介との2試合におけるドーピング等の不祥事から、2018年3月にJBCは事実上の永久追放処分を下しました。
JBCが世界統括団体なら、この時点でネリの選手生命は絶たれたことになりますが、現実にはそうではありません。
その年の10月にはメキシコで空位のWBCシルバー世界バンタム級タイトルを争い勝利を収めているのです。
ちなみに、WBCは単独の国のコミッションとしては最大の顧客である日本にならい、ネリをWBCが承認する全試合で無期限資格停止処分を科し、ランクアウトしていましたが、その処分は6ヶ月の資格停止に変更されていました。
無期懲役の罪が懲役6カ月に超短縮されたわけです。
欧米で人気の無い軽量級は、ファイトマネーに比例する承認料が少ないため、承認団体にとってうま味も少ないビジネスです。
しかし、日本のエース級や大手プロモーションとの契約に有利なメキシカンは例外です。ネリはメキシコのザンファー・プロモーションズ傘下で、その貧しい生い立ちからマニー・パッキャオの寵愛を受け、アル・ヘイモンの興行に招かれる軽量級の大物に成長しています。
ネリの報酬はパッキャオvsサーマンの前座をつとめた2019年1月のファン・カルロス・パヤノ戦で15万ドル、体重超過でキャンセルになったエマニュエル・ロドリゲス戦では30万ドルが約束されていました。
30万ドルと聞いてメイウェザーやカネロ・アルバレス、パッキャオを知る欧米のファンは「3人の100分の1以下、興行の必要経費の税金にもならない」と笑うでしょうが、それはメガイベントだから出来るのです。
今の軽量級で30万ドルを手に出来るのは、世界でも井上尚弥と井岡一翔くらいです。田中恒成は30万ドルはないでしょうが、日本の人気選手を例外にすると超破格の金額なのです。
WBAをはじめ多団体が軽量級としてはありえない商品価値があるネリを取り込もうと動き出したのですから、メキシコに本部を置くWBCもプライドにかけて(そんなプライド要らないのですが)うかうかしてられません。
つい先日もWBCがネリvsロドリゲスをジュニアフェザー級の挑戦者決定戦として仕切り直すと発表。この2人はWBCの122ポンドでランキングされていませんが、試合が決まれば近日中に上位にレートされるます。
この事例で明らかに確認できることは①承認団体にとってドーピングは各コミッションやメディアの手前、厳格なポーズは取りますが、実態は野放し、②世界戦や挑戦者決定戦はランキング上位者が激突するのではなく『試合決定→両者が上位にランキング』という本来ならありえない逆の道筋を辿ることが普通、という2点です。
WBAに話を戻すと、ネリ問題でWBCが罰則を大幅に軽減したことについては「陽性反応がでたら言い訳はできないアウト。親愛なる日本に対する侮辱」と怒りをあらわにしました。WBCと結びつきの強い軽量級選手のことですから、正義を振り回すことが出来るのです。
ところが、これが中量級のメガスターが対象となると恥も外聞もなく手の平を返します。
2018年にゲンナディ・ゴロフキンとの再戦でカネロがドーピング検査で陽性。これを受けて試合はキャンセル。世界中からカネロを非難する声が上がりますが、ヒルベルト・メンドサJr.会長は違います。
WBAの見解を問うメディアを前にして、メンドサは言い放ちます。
「すぐに専門家を呼んで検証した。カネロの体内から検出されたクレンブテロルの数値は取るに足らないもので、故意のドーピングとは考えられないというのがその結論だ。私は100%、カネロの味方だ。カネロは今まで一度もドーピング検査で陽性ではなかったし、今回も何かの間違いだ」。
“I consulted specialists in that field and the percentage of clenbuterol he had [in his system] gives you reason to doubt. I just don’t see it. I stand by Canelo 100 per cent. This is a fighter who has never had a negative [drug test] in the past.
彼らにとってドーピング問題は厄介な問題です。関係性が薄かったり商品価値が低い選手には厳格に対応できますが、カネロを厳格に扱って嫌われでもしたら「企業」としての存続に関わります。
カネロの報酬は軽量級トップの100倍以上、1000倍以上のケースも珍しくありません。この倍率は承認料にもそのまま当てはまります。
カネロ1試合の損失を軽量級で埋めようと思うと、それがたとえ井上や井岡であっても100試合を要するということです。
そんな背景があるのですから、メンドサが「100%、カネロの味方」と公言するのは当然です。
ミドル級やヘビー級、大きなカネが動く階級では彼らのドーピングに対する姿勢は「黙認」です。
承認団体の姿勢には一貫性があります。
いかに効率良く承認料を獲得するか。
彼らの経営方針はその1点だけに集中されています。
メンドサ会長は、王者の乱造やドーピング問題を「由々しき問題」「アクションを起こさねばならない」と語ることもありますが、あれは一つ残らず100%ポーズです。
その運営のために「王者を増やす」「承認料の高い人気選手を取り込む」の二本柱を追求し、日々精進しているのです。
日本のファンにも、メンドサ会長が試合前の亀田興毅を表敬訪問し、父親の史郎に美しいミニチュアベルトと親書を贈ったシーンは鮮やかに記憶されているでしょう。
彼らの取り組みには、僅かな迷いも、1ミリのブレもありません。
彼らの掲げる「効率良く承認料を獲得する」という絶対命題の前では、ドーピングも、正しいランキング作成もどうでもいいことなのです。
そう、これは「彼」ではなく「彼ら」です…。
そして、プロボクシグには世界を統括する団体が無いのです。
承認団体に出来ることは王座を剥奪すること、ランキングから追放することしかありません。
ライセンスの剥奪・停止処分が下せるのはライセンスを発行し、試合を統括している各国・地域・米国の州などです。
ルイス・ネリは2017年と2018年の山中慎介との2試合におけるドーピング等の不祥事から、2018年3月にJBCは事実上の永久追放処分を下しました。
JBCが世界統括団体なら、この時点でネリの選手生命は絶たれたことになりますが、現実にはそうではありません。
その年の10月にはメキシコで空位のWBCシルバー世界バンタム級タイトルを争い勝利を収めているのです。
ちなみに、WBCは単独の国のコミッションとしては最大の顧客である日本にならい、ネリをWBCが承認する全試合で無期限資格停止処分を科し、ランクアウトしていましたが、その処分は6ヶ月の資格停止に変更されていました。
無期懲役の罪が懲役6カ月に超短縮されたわけです。
欧米で人気の無い軽量級は、ファイトマネーに比例する承認料が少ないため、承認団体にとってうま味も少ないビジネスです。
しかし、日本のエース級や大手プロモーションとの契約に有利なメキシカンは例外です。ネリはメキシコのザンファー・プロモーションズ傘下で、その貧しい生い立ちからマニー・パッキャオの寵愛を受け、アル・ヘイモンの興行に招かれる軽量級の大物に成長しています。
ネリの報酬はパッキャオvsサーマンの前座をつとめた2019年1月のファン・カルロス・パヤノ戦で15万ドル、体重超過でキャンセルになったエマニュエル・ロドリゲス戦では30万ドルが約束されていました。
30万ドルと聞いてメイウェザーやカネロ・アルバレス、パッキャオを知る欧米のファンは「3人の100分の1以下、興行の必要経費の税金にもならない」と笑うでしょうが、それはメガイベントだから出来るのです。
今の軽量級で30万ドルを手に出来るのは、世界でも井上尚弥と井岡一翔くらいです。田中恒成は30万ドルはないでしょうが、日本の人気選手を例外にすると超破格の金額なのです。
WBAをはじめ多団体が軽量級としてはありえない商品価値があるネリを取り込もうと動き出したのですから、メキシコに本部を置くWBCもプライドにかけて(そんなプライド要らないのですが)うかうかしてられません。
つい先日もWBCがネリvsロドリゲスをジュニアフェザー級の挑戦者決定戦として仕切り直すと発表。この2人はWBCの122ポンドでランキングされていませんが、試合が決まれば近日中に上位にレートされるます。
この事例で明らかに確認できることは①承認団体にとってドーピングは各コミッションやメディアの手前、厳格なポーズは取りますが、実態は野放し、②世界戦や挑戦者決定戦はランキング上位者が激突するのではなく『試合決定→両者が上位にランキング』という本来ならありえない逆の道筋を辿ることが普通、という2点です。
WBAに話を戻すと、ネリ問題でWBCが罰則を大幅に軽減したことについては「陽性反応がでたら言い訳はできないアウト。親愛なる日本に対する侮辱」と怒りをあらわにしました。WBCと結びつきの強い軽量級選手のことですから、正義を振り回すことが出来るのです。
ところが、これが中量級のメガスターが対象となると恥も外聞もなく手の平を返します。
2018年にゲンナディ・ゴロフキンとの再戦でカネロがドーピング検査で陽性。これを受けて試合はキャンセル。世界中からカネロを非難する声が上がりますが、ヒルベルト・メンドサJr.会長は違います。
WBAの見解を問うメディアを前にして、メンドサは言い放ちます。
「すぐに専門家を呼んで検証した。カネロの体内から検出されたクレンブテロルの数値は取るに足らないもので、故意のドーピングとは考えられないというのがその結論だ。私は100%、カネロの味方だ。カネロは今まで一度もドーピング検査で陽性ではなかったし、今回も何かの間違いだ」。
“I consulted specialists in that field and the percentage of clenbuterol he had [in his system] gives you reason to doubt. I just don’t see it. I stand by Canelo 100 per cent. This is a fighter who has never had a negative [drug test] in the past.
彼らにとってドーピング問題は厄介な問題です。関係性が薄かったり商品価値が低い選手には厳格に対応できますが、カネロを厳格に扱って嫌われでもしたら「企業」としての存続に関わります。
カネロの報酬は軽量級トップの100倍以上、1000倍以上のケースも珍しくありません。この倍率は承認料にもそのまま当てはまります。
カネロ1試合の損失を軽量級で埋めようと思うと、それがたとえ井上や井岡であっても100試合を要するということです。
そんな背景があるのですから、メンドサが「100%、カネロの味方」と公言するのは当然です。
ミドル級やヘビー級、大きなカネが動く階級では彼らのドーピングに対する姿勢は「黙認」です。
承認団体の姿勢には一貫性があります。
いかに効率良く承認料を獲得するか。
彼らの経営方針はその1点だけに集中されています。
メンドサ会長は、王者の乱造やドーピング問題を「由々しき問題」「アクションを起こさねばならない」と語ることもありますが、あれは一つ残らず100%ポーズです。
その運営のために「王者を増やす」「承認料の高い人気選手を取り込む」の二本柱を追求し、日々精進しているのです。
日本のファンにも、メンドサ会長が試合前の亀田興毅を表敬訪問し、父親の史郎に美しいミニチュアベルトと親書を贈ったシーンは鮮やかに記憶されているでしょう。
彼らの取り組みには、僅かな迷いも、1ミリのブレもありません。
彼らの掲げる「効率良く承認料を獲得する」という絶対命題の前では、ドーピングも、正しいランキング作成もどうでもいいことなのです。
そう、これは「彼」ではなく「彼ら」です…。



コメント
コメント一覧 (3)
誰が強いのかがわかりにくい。
白井がダドマリノをやぶり、
それまでアメリカかヨーロッパのスポーツが日本が入ることになり
ベルトを日本にもってきた時代からまさかこんなことになるとは
フシ穴の眼
が
しました
フシ穴の眼
が
しました