またまた不謹慎なことを書いてしまいます。

昨日、バドミントンの桃田賢斗がワールドツアーファイナルズで優勝、今季11勝目を飾り世界最強を証明しました。

サッカーで言えばバロンドール、野球MLBなら本塁打王に最優秀選手賞です。 

もし、日本人がバロンドールやMLBで本塁打王を獲れば、翌日の一般紙は一面カラーで報じるでしょうし、決定の瞬間はニュース速報が流れるはずです。

悲しいかな、バドミントンはマイナー競技。桃田の快挙はバドミントン関係者らの「これってとんでもない偉業なんだけどな」という声は一般にはほとんど届きません。

ボクシングでも井上尚弥がWBSSで優勝してもニュース速報は流れませんし、スポーツニュースのトップも局によってはありえません。

では、バンタム級ではなくてヘビー級ならどうでしょうか?

日本人が世界ヘビー級チャンピオンになれば…?

もし、藤本京太郎がデオンティ・ワイルダーやアンソニー・ジョシュア、タイソン・フューリーと肉弾相打つ決戦を繰り広げる事態になったとしたら?

…世界戦ではありませんが、ここをクリアしたら「次」がそうなっても誰も驚かない、そんなリングに京太郎が上がります。

日本時間12月22日未明、英国ロンドンでヘビー級の京太郎が空位のWBCシルバー王座とWBOインターナショナル王座をダニエル・デュボアと争うのです。
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オッズはデュボアの1/100(1.01倍)、藤本は17倍。なかなかお目にかかれない、悲惨な数字です。

「デュボアにとってはワイルダーへの挑戦権(WBCシルバー)がかかってるとはいえ、やる意味が理解できない試合」(英国ボクシングニューズ誌)と、咬ませ犬以下の扱いです。

それもそのはず、22歳のデュボアはヘビー級を中心に重量級が盛んな英国で明日のスーパースター候補の最右翼。

ここまで13戦して最終回のゴングを聞いたのは一度だけと〝ダイナマイト〟の渾名の通り12のノックアウトをマークしています。

キャリアは浅いものの、7つの地域タイトルをコレクションしていることからも、期待の大きさと高い実力が十分に窺えます。

一方の京太郎は21戦13KO1敗と戦績は立派です。しかし、この数字はヘビー級はおろか、ミドル級が事実上の最上限クラスという重量級不毛の日本で積み上げた怪しいキャリアです。

中量級の石田順裕とどっこいの試合を繰り広げる元キックボクサーは、村田諒太とやることになっても不利予想が立つでしょう。

どんなに贔屓目に見ても、ボクシングは何が起こるかわからないとか言っても、今回ばかりは勝機はありえません。

それでも、勝って欲しい!

思えば、日本のヘビー級は悲しい歴史を積み重ねてきました。

1950年代の片岡昇、70年代のコング斎藤、90年代の西島洋介山…「ヘビー級」と喧伝された彼らは実はライトヘビー級やクルーザー級サイズでしかなく、練習相手がいないというジレンマに悶え苦しみ続けてフェイドアウトしていきました。

京太郎も身長183㎝/リーチ186㎝と、デュボア(196㎝/198㎝)とは比べるべくもなく、ミドル級の村田諒太(183㎝/184㎝)とほとんど変わりません。

今回の試合は、ある意味で「階級が違う相手」との戦いです。

肉と骨を削る過酷な減量に身を投じてより弱い相手を求める軽量級とは、真逆の挑戦です。

相対的な強さではなく、絶対的な強さをひたすら追求する無差別級。

減量の呪縛にがんじがらめになってきた日本ボクシング史では極めて異例の挑戦です。

会場のカッパーボックス・アリーナは8月31日に新日本プロレスが興行を打ったばかり。4ヶ月足らずで再び日本の巨人がロンドンを揺るがすことが出来るのか?

この試合に勝てば「ワイルダーとラスベガスやニューヨークの大会場でメイン」も十分に現実味を帯びてきます。

そこで勝てば…ニュース速報、翌日朝刊では一面ですね。

そんな日本人には文不相応な大それた夢が、その一歩手前で、どんな散り方を見せてくれるのか、ちょっと切ない気持ちで応援させて頂きます。