WBCがまたまた奇妙な王座を発明しました。

今度は Franchise champion (フランチャイズ王者)です。

ボクシング界で最大のスター、カネロ・アルバレスの王座をフランチャイズ王者に昇格させて、暫定王者ジャーマル・チャーロを正規の王者に格上げするというのです。

世界的な統括団体を持たないプロボクシングには「アルファベット団体」と唾棄される腐敗しきった承認団体が蠢いています。

世界にたった1人しかいないはずの世界チャンピオンですが、現実には「Super(日本では原文のままスーパーと紹介されていますがレギュラーの上、つまり上位タイトルと訳すのが正解です。それによって下位タイトルの存在に思いつきます)」「Regular(日本では正規と訳されてしまうので誤解を招いていますが下位タイトル、セカンドタイトルと訳すのが正解です)」なんて二重構造だけではありません。

「Interim(暫定)」は犬の糞よりも当たり前に見かけますし「In-recess(休養)」なんて笑うしかない王座まであります。

さらには「 Emeritus(名誉)」という、作ったWBCもその定義を説明できなかった、あからさまな承認料目当ての代物も。

「Pearl(真珠)」「 Diamond(ダイヤモンド)」「Silver(シルバー)」「Gold(ゴールド)」なんて〝宝石〟シリーズでは、記者から「Platina(プラチナ)はいつ発売(ベルトはボクサーが購入します)しますか?」と嫌味な質問を受けたマウリシオ・スライマンWBC会長が「今のところ制定予定はない」と真顔で答えるなど、承認団体は脳みその芯から腐っています。

この暴走する腐敗承認団体をほとんど批判しないどころか「西岡利晃がマイク・タイソンやフロイド・メイウェザーも評価された名誉王者の称号を受ける!」なんてWBCの思う壺なのが日本の提灯メディアです。
最上位ベルトのメキシコベルトも量産体制に入っているWBCが今回、新たに発明されたフランチャイズ王者…表向きは「複数階級制覇に乗り出す王者が指名試合などに束縛されずに柔軟に活動できるように設けられた上位タイトル」です。 

しかし、日本と違って世界のまともなメディアは一つの団体が二つの王座を設けることを認めていません。「レギュラーの上位」とはいえフランチャイズ王者も通常の王者としての義務を果たさないため、王者として認められません。

つまり、カネロが最大の目標に掲げていた「ミドル級の完全統一王者」の夢に向かっては、大きく後退してしまったことになります。

WBC made in announcing the franchise title was that its holder would not have such rigid mandatory defense obligations. That comes as no surprise because it's not a real world title. WBCはフランチャイズ王者の説明の中で「指名挑戦者との対戦義務はない」と明らかにしている。そりゃそうでしょう、本物の世界王者じゃないんだから好きにしたらいい。(ESPN)

さらにWBCは「カネロとゴールデンボーイ・プロモーションにフランチャイス王座を受け入れてもいいとパーミッション(許可)を得ている」と事前に根回ししていたことを恥も外聞もなく公表。

 WBCはかつてカネロがミゲール・コットから奪ったベルトを剥奪、ゲンナディ・ゴロフキンを王者と認定したことに端を発してカネロから絶縁状を叩きつけられていました。

しかし、マウリシオの「事前の承認をもらう前にタイトル移動はしません」という土下座交渉が功を奏してカネロの赦しを得ました。

今回はその「事前承認」の筋をきっちり通したということです。 WBCは「腐敗にリミットはない」と教えてくれました。

WBCをジャーモルに〝禅譲〟したカネロが現在保持しているミドル級タイトルはリング誌、WBA、IBFの三つ。

残るWBOは全階級を通じて最もやりにくいボクサー、デメトリアス・アンドラーデとの対戦も浮上しているカネロ。

完全統一が難しくなった現状、もしカネロがアンドラーデ戦を選択した場合は「キャッチウェイトのノンタイトル」 になると噂されています。当然、カネロ有利のスーパーミドル(168ポンド)寄りのリミットが設定されるはずです。