2年前から全米ボクシング記者協会(BWAA)がPFPを隔月(奇数月の初日)発表することになり、リング誌やESPNなど個々のメディアのPFPの存在意義が希薄化すると考えていましたが、どうやらそうではありません。
リング誌では長らく廃止していた「PFPベルト」を昨年から復活。井上尚弥が2本目のリング誌ベルトを腰に巻く日も近い?

そもそもPFP自体にどこまで存在意義があるのかが怪しいのですが、この正解のない脳内ランキングには鮮度を楽しむ旬のもの、という要素も外せません。

ランキングが揺れるビッグファイトなどの結果は、すぐ反映して欲しいというのがファン心理です。

BWAAの「奇数月の初日発表」となると、2ヶ月最長62日前もランキングが凍結することになり、その間のランキングの上下動、シャッフルの様子が全く伺えないことになります。

例えば、7月20日にマニー・パッキャオが衝撃的なやり方でキース・サーマンを粉砕した場合、PFP復活が確実視されています。

しかし、そのリストが発表されるには9月1日まで待たなければいけないということです。

5月1日発表のBWAAのPFP10傑は以下の通り。カッコ内は1位票10点〜10位票1点の総得点。

1. Vasiliy Lomachenko (205 points)
Lightweight 13-1-0 (10 KOs)

2. Terence Crawford (204)
Welterweight 35-0-0 (26 KOs)

3. Canelo Alvarez (157)
Middleweight 51-1-2 (35 KOs)

4. Errol Spence Jr. (135)
Welterweight 25-0-0 (21 KOs)

5. Oleksandr Usyk (118)
Heavyweight 16-0-0 (12 KOs)

6. Gennady Golovkin (107)
Middleweight 38-1-1 (34 KOs)

7. Naoya Inoue (89)
Bantamweight 17-0-0 (15 KOs)

8. Juan Francisco Estrada (54)
Jr. Bantamweight 39-3 (26 KOs)

9. Mikey Garcia (37)
Lightweight 39-1-0 (30 KOs)

10. Anthony Joshua (36)
Heavyweight 22-0-0 (21 KOs)
 
リング誌とESPNで、ともに4位に躍進した井上尚弥がまだ7位のままです。

リング誌ではランク外のアンソニー・ジョシュアはこのBWAAで10位、ESPNで9位に評価されていますが、先週のMSGショックで圏外に追い出されることは確実です。

Also receiving votes: Srisaket Sor Rungvisai​ (32), Jarrett Hurd (13), Leo Santa Cruz (12), Oleksandr Gvozdyk (8), Donnie Nietes (5), Gervonta Davis (3), Jermall Charlo (4), Dmitriy Bivol (3), Sergey Kovalev (2), Regis Prograis (2), Deontay Wilder (1), Manny Pacquiao (1), Kosei Tanaka (1).

BWAAでは、Also receiving votes=次点集団で頭一つ抜けているシーサケット・ソールンビサイがPFP再突入を果たすはずです。

ESPNでもシーサケットにドニー・ニエテス、オスカー・バルデス、レオ・サンタクルスがウェイティングサークルに控えておりジョシュアの穴を埋める気配が濃厚となっています。

また、かつて次点集団のフロントランナーだった井岡一翔が四階級制覇を果たすと、再びPFPに急接近するはずです。

評価暴落のマイキー・ガルシアとジョシュアがランクアウトして、フェザー以下の軽量級から2人食い込むとなると10傑には井上とファン・フランシスコ・エストラーダを合わせて4人が軽量級という、いまだかつてない軽量級評価沸騰の時代を迎えます。

BWAAでは10位票の1点だけしか獲得できていませんが田中恒成の名前も。

欧米で関心が低い軽量級から4人、5人とランクインすることは、欧米のマーケットにとって好ましいことではありませんが、十分ありえる未来図です。

それにしても…リング誌とESPNのPFPランキングは長い間、高嶺の花咲く日本人未踏の領域でした。

長谷川穂積と西岡利晃が分厚く重い扉をノックし続け、内山高志と山中慎介がついにコジ開け、現在は井上が4位まで駆け上がっています。

日本人はもちろん、アジアと軽量級にとっても過去に4人しか越えることが許されなかった高く険しい壁、リング誌とESPNのPFPがここまで身近な存在になるのは嬉しいやら、有り難みがなくなるやら複雑な思いですが、YouTubeをはじめネットメディアが地球を小さくしたことだけでなく、世界評価を希求した先人たちの努力の結果です。

ガンガン賑わせてやりましょう!!!