PFPランキングはMythcal Rankingと呼ばれる通り、脳内で順位をつける妄想の域を出ません。

リングの外で記者や専門家が決める評価に大きな意味はありません。

ロイ・ジョーンズJr.やマニー・パッキャオの全盛期には彼らを歴代PFPキングと過大評価する専門家もいましたが、時間とともにその声は小さくなり、いつの間にか誰の耳にも聞こえなくなりました。

日本の歴代PFPでも10年前は長谷川穂積をトップ3はおろか1位に推すファンや専門家までいましたが、今の彼らは「俺、そんなこと言った覚えないけんね」とシレッと息をしています。

世界の歴代PFPも、多くの専門家やメディアの間で「ロベルト・デュランはシュガー・レイ・レナードよりも上」と長らく考えられてきました。

しかし、モハメド・アリが旅立った2016年にリング誌が「LIVING LEGENDS(アリを喪った今、存命のPFPキングは誰か?)」を企画したとき、多くの専門家がレナードを支持しました。

デュランは2位。3位以下はパーネル・ウィテカ、イベンダー・ホリフィールド、マービン・ハグラー、フリオ・セサール・チャベス、フロイド・メイウェザーJr.、ジェイク・ラモッタ、マニー・パッキャオ、ラリー・ホームズ。

ロイは10傑入りを逸しました。確かに「ボブ・フィッツモンズ以来、106年ぶりにヘビー級を制したミドル級王者」というのはスゲーと一瞬思ってしまいますが、相手は歴史的な階級最弱王者ジョン・ルイスでした。

オッズも予想も大きくロイに傾く中での大差判定勝ち。あの試合には数字や階級制覇を超えた意味はありませんでした。

当時、ロイをあれほど絶賛した評論家達は「雑魚のヘビー級王者ならレナードやバーンズでも簡単に倒す」と二枚目の舌で語っています。

そんなわけでPFPは妄想というだけでなく、同じ人のランキングでも時間の経過で変節するものです。

大手メディアのランキングですら時間とともに変節しますが、オンタイムではそれなりに説得力があるものです。

しかし、何事にも例外はあります。

YAHOO!Sportsをボクシングメディアの「大手」と見るかどうかは微妙ですが、このランキングがいつも物議を醸し出しています。

今回も読者から「Pure garbage is what this list is. (ほんと、ゴミ以下のリストだな)」とボロカスです。

〝戦犯〟はケビン・アイオラという看板記者。独特のPFP基準でランキングしているのですが、下記がその4月25日版です。
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①Terence “Bud” CrawfordWBO 
welterweight champion, 35-0, 26 KOs.
②Errol Spence Jr.
IBF welterweight champion, 25-0, 21 KOs.
③Vasiliy Lomachenko
 WBA-WBO lightweight champion, 13-1, 10 KOs.
④井上 尚弥
WBA bantamweight champion, 17-0, 15 KOs.
⑤Oleksandr Usyk
undisputed cruiserweight champion, 16-0, 12 KOs.
⑥Canelo Alvarez
WBA-WBC middleweight champion
WBA super middleweight champion, 51-1-2, 35 KOs.
⑦Gennady Golovkin
middleweight contender, 38-1-1, 34 KOs.
⑧Mikey Garcia
WBC lightweight champion, 39-1, 30 KOs.
⑨Leo Santa Cruz
WBA featherweight champion, 36-1-1, 19 KOs.
⑩Regis Prograis
interim WBC super lightweight champion, 23-0, 19 KOs.
下位になるほど見方が分かれるとはいえ、9位:レオ・サンタクルスと10位:レイジス・プログレイス(ちょうど先ほど勝利を収めましたが)の二人は、確かに奇抜なランキングです。

しかし、上位でもリング誌とESPNがキングに推しているワシル・ロマチェンコを3位に、カネロを抑えて井上尚弥をトップ5に数えているのも異彩を放っています。

アイオラさんのPFPの尺度は「純粋拡大縮小思考」の〝PFP原理主義者〟。軽量級のように素早く動き回る重量級を想定、重量級のパワーを軽量級でも還元するという考え方です。

それならそれで、もっと軽量級ボクサーをランキングさせているはずなのですが…。