105(ストロー)から122Lb(ジュニアフェザー)までの6階級17Lb、7.71㎏に渡る軽量級ゾーンで、いま最も多彩なタレントがひしめいているクラスはどこか。

それが、ジュニアバンタムであることに異論を唱える人はいないでしょう。

このゾーンで多くの世界王者を輩出している経済大国日本で、井上尚弥に次ぐピッグネーム井岡一翔が戦線復帰、JBCからライセンス交付を受けました。

このことを最も歓迎しているのは「井岡と日本で戦える」とビッグファイトを夢見る外国人選手かもしれません。

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さ
て、このジュニアバンタム級。

軽量級史上初のPFPキングの名乗りを受けたローマン・ゴンザレスを二度に渡って撃破したシーサケット・ソールンビサイが〝天下統一〟したように見えていますが、そんな単純な話ではありません。

まず、115Lbの地勢図から俯瞰するとリング誌とWBCのピースを掌握しているリネラル王者シーサケットが最大の領地を占有していることは間違いありません。

では、タイの英雄が115Lbを完全に平定しているか?となると、とてもそうは言い切れません。


対抗馬は、PFPファイターの看板を持つ四階級制覇王者ドニー・ニエテス。

この5月で37歳になる攻防自在のフィリピーノはWBOタイトルを返上、ビッグファイトを渇望しています。

シーサケットとニエテス、このPFPファイター2人がこの階級最強候補ですが、それもあくまでも〝候補〟の域を出ません。
 

まず、ユニオンジャックの温室に籠城を続ける、このクラス最高の人気を誇るWBA王者カル・ヤファイ。

エディ,ハーンお抱えの鼻持ちならないスターです。

こいつがいつ大勝負の舞台に上がるのか、その相手に誰を選ぶのかも大きな注目です。

ヤファイは6月1日にアンソニー・ジョシュアとニューヨーク・マジソンスクエアガーデンで米国デビューを飾りますから、その舞台として米国も視野にあるのでしょう。

日本のリングに引っ張り上げたいところですが、残念ながらこの英国の過保護はコストがかかり過ぎます。


4つ目の王座IBFのピースを持つジェルウィン・アンカハスも、推定最強候補の1人です。

複数年契約を結んだボブ・アラムが、今年のどこかのタイミングでビッグネームに当てたいと考えているのは間違いありません。

アンカハスは、5月4日に7度目の防衛戦で船井龍一を迎えます。オッズはアバウト7−1で王者が圧倒的有利。

アンカハスが普通に仕上げてリングに上がれば、船井の勝ち目はまずありません。

ただ、リングの上ではどんなことでも起こりえます。カリフォルニア州ストックトンのアリーナで大番狂わせを起こせば、世界的には全く無名の日本人が軽量級のホットコーナーに割って入ることになります。


次に、ベルトを持つ4人以外のビッグネームです。


エンジンのかかりは遅いものの、シーサケットを追い詰めた万能型のメキシカンです。

このエストラーダをPFPに数えるメディアもあり、シーサケットとニエテスを加えるとジュニアバンタムは3人ものPFPファイターを擁することになるのです。

軽量級としては前代未聞です。

エストラーダは今月26日、カリフォルニア州イングルウッドでシーサケットとのリマッチを控えています。

タフな両者のスタイルを考えると初戦と同じような展開が予想されますが、もしエストラーダが明白な形で勝つようだとジュニアバンタム級だけでなく、PFPランキングまでシャッフルする激震が起きます。


そして、このクラスでもトップの実力を見せた井岡です。

「勝った方がPFP入り」と言われたニエテス戦はパワーで競り落とされたものの、115Lbスターウォーズの惑星であることは間違いありません。

ニエテスが返上して空位になったWBOのピースを6月13日(幕張メッセ?)にアストン・パクリテを倒してピックアップすると、統一戦・ビッグファイトにグリーンライト点灯です。


そして、ロマゴン。

PFPキングから陥落したことで株価暴落ですが、ハイレベルな実力者であることは変わりません。

評価が下がったことで、リスクとリターンのバランスがリスクに傾いており、今やトップ選手にとっては対戦を最も回避したいビッグネームかもしれません。


ニューフェイスではボクシング大国プエルトリコの期待の星ハビエル・シントロン。5月25日、伊藤雅雪の世界戦の前座で江藤光喜 と拳を交えるプエルトリコとWBOの寵愛を受けるホープです。

江藤には、レールの上を順調に走ってきたシントロンを脱線させて頂いてトップ戦線に再浮上して欲いところです。

 

115Lbを彩るビッグネームに比嘉大吾の名前を出すのは早計過ぎますが、日本のボクシングファンという立場からは琉球のスラッガーがリングに帰還する日を期待してしまいます。

あの暴風雨が115Lbでも吹き荒れるとしたら、これは楽しみです。


さらに今夜、復帰戦を飾った八重樫東 。

シーサケットと井岡、因縁の二人とこのクラスで再び相見えるかもしれません。激闘王!ジュニアバンタムでも感動の拳を打ち込んで下さい!



フライ級のWBO王者・田中恒成も早ければ年内にもジュニアバンタムに上げる可能性を陣営が示唆しています。田中も「PFP10傑が目の前」(リング誌)のトリプルクラウン。

この田中に、井岡、八重樫と日本人の三階級制覇王者が次々に四階級制覇に雪崩れ込む絶景の絵面も十分あり得る展開です。



そしてジュニアバンタムのスターウォーズを勝ち残った日本人ボクサーが、バンタムの井上尚弥 と対決するなんてことになれば、これは語り継がれる、ちょっとした叙事詩になります。