ESPNのダン・ラファエル記者が「WBSSジュニアウェルター級トーナメント参戦中のイヴァン・バラチェクが〝報酬上の問題〟にこれ以上悩まされたくない、と離脱する意向」とSNSで報じました。

その直後にWBSSからジョシュ・テイラー対バラチェクは5月18日に開催されると取り繕うように発表されましたが、場所は未定。笑うしかありません。

優勝賞金1000万ドル、総額5000万ドルとブチ上げたシーズン1のクルーザー級ですら正確な報酬は一切発表しませんでした。

普通に考えたら詐欺です。
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このキックオフイベントもイグノーベル賞のような自費参加だったのかもしれません。

おそらく契約書は最低保証2000ドル、興行の成功から歩合で最高300万ドルなどの内容で、メディアや第三者に見せたら違約金を請求する、などの内容なのでしょう。

騙されるほうも悪いとはいえ、です。


WBSSは元々が米国でマイナーな不人気階級にスポットを当てたトーナメントですから、高額報酬など出せるわけがありません。

特に井上尚弥が参戦したパンタム級など、欧米では全く需要が無く、日本人でなければ世界王者でも報酬は数万ドルと、サラリーマンの年収以下という〝貧困ビジネス〟です。

それなのに「高額賞金トーナメント」と、主催者発表に何の疑問も見せずに垂れ流した日本メディアの罪は大きいと思います。

「何十億円も稼ぐだろう井上はもう日本で見れなくなる」と、ウェルター級の超人気スターとバンタムの井上を混同する無知蒙昧なファンも、いくらニワカでも度が過ぎます。

昨年、ついにボクシングから完全撤退したHBOは、縮小する一方の予算をやり繰りしながら、総額100万ドルのイベント、スーパーフライを立ち上げました。

当初、主役に添えたローマン・ゴンザレスの報酬が50万ドルを超えて、赤字興行になった「2」もありましたが、ロマゴンの他はメインイベンターでも10万ドル前後の報酬に抑えて慎ましく細々と開催し続けていました。

その間、ポスト・ロマゴンのシーサケット・ソールンビサイは低報酬に嫌気がさしてアジアのONEに移籍。

看板スターのファン・フランシスコ・エストラーダも「報酬10万ドルではマネジメント料やチーム経費、税金を引かれると5万ドルも残らない。中量級との差がありすぎる」と事あるごとにブチまけてます。

それでも、まだ正直に報酬を発表しているだけマシです。

WBSSはファン・カルロス・パヤノにいくら払ったのでしょうか?

10万ドルなんて夢の世界なのは確かです。もしかしたら、まだ全額振り込まれていない可能性もありえます。

パヤノは、井上のいつものザコ挑戦者並みの1万ドル前後の報酬提示なら対戦を受けなかったでしょう。

口約束的な拘束力のない「高額賞金トーナメント」に騙された被害者の一人です。

ボクシング界は魑魅魍魎、とはいえやり口が酷過ぎます。

ボクシングを見る一般の目が、ますます懐疑的になる一方です。