ナックルボールは永遠の魔球です。

体格や筋力で劣る女子が、男子と同レベルで野球のプレイヤーになることはトップレベルでは不可能です。

しかし、彼女がもしナックルを投げることが出来たら、話は別です。

この魔球を投げるのに必要なのは、体格でも筋力でもありません。 

しかし無軌道に揺れ落ちる無回転のボールを投げることが出来るかどうかは、神様のくれたギフトです。

どんな器用なピッチャーが全身全霊で探求しても、習得することは出来ません。 

習得できたように見えても、多くは「シェイク」など〝偽名〟で呼ぶしかないバッタもんです(小宮山悟投手、すみません)。
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最古の〝魔球〟カーブもまた、21世紀になってその効果が大きく見直されています。ボクシングも野球もより速くはなっています。しかし、本質的に進化しているのかどうか?その問いには言葉を詰まらせるしかありません。エディー・シーコットのナックルを打てる打者は、現在でもいない——その事実にはどんな現代贔屓の専門家やファンでもうなずくしかありません。

1910年代にホワイトソックスで活躍したエディ・シーコットが発明したナックルは、100年以上経た現在でも魔球であり続けているのです。

「キャッチャーが捕れないボールを打てるわけがない」。

不規則にゆっくりと揺れて落ちるナックルボールは、ベースボール史上最も厄介なボールです。

そしてストレート(ファーストボール)を含めて、あらゆるボールは続けて投げると打たれるリスクが高まりますが、ナックルに限っては全てのボールがそれであっても打者は打つことが出来ません。

ナックルは不規則に変化するボール、つまりバッター目線では全てのボールが独立した全く違う変化球なのです。

「最も打ちにくいボールは不規則に変化するボール」という真理を100年前に見抜いたシーコットは、スピットボール(唾液などで濡らす)やエメリーボール(表面を傷つけたボール)、シャインボール(表面をツルツルにする)など、反則球の使い手でもありました。

その不正投球の研究過程で、シーコットは「ボールの表面を加工することなく、正攻法で不規則に変化するボールを投げることが出来ないものか?」と常に考え続けてきました。

そして、ついに編み出したのがナックルボールです。

ナックルボールはその握り方から、投げ方、メカニクスが全て解明されています。

それなのに、完全にマスターしたナックルボーラーはフィルとジョーのニークロ兄弟、松井秀喜も手玉に取られたティム・ウェイクフィールドらほんの一握りしかいません。

比較的マスターしやすいフォークボールなどスプリット系のボールと、いったい何が違うのか?

その謎は、科学のメスを積極的に入れ続けているMLBでも明らかにできていません。

いつの日か、この魔球の秘密が解明される日が来るのでしょうか? 

そして、ボクシングの世界にも〝ナックルボール〟が存在します。

やはり、中途半端なモノマネが横行している幻の技術。

そうです。ショルダーロールです。