ボクシングと他のプロスポーツの大きな違いの一つに、過去へのリスペクトが大きいということが挙げられます。

「殿堂」に代表されるように、米国スポーツはその多くが過去に対して大きな尊敬を見せています。

もちろんボクシングにも殿堂はあります。

しかし、優秀な実績を残した選手への待遇だけを見るとボクシングとベースボールとの間には喜劇的なほど大きな格差があります。

MLBが完全統括するベースボールは、選手年金の制度など実績を残したプレイヤーの引退後にも手厚いサポートを用意しています。

一方で、世界的な統括団体が存在しないボクシングには年金制度などそもそも存在しません。

承認団体が元王者に年金をを送るケースはありますが、それでも月額100ドル程度。

一方でMLBでは、メジャー10年在籍選手で年間21万ドルが生涯支給されます。

年間21万ドル。世界王者になっても軽量級なら日本人やほんの一握りの人選手を例外に現役ピーク時でも手に出来ない大金です。

イチローや松井秀喜らがこの〝満額年金〟対象者です。
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シュガー・レイ・レナードとフロイド・メイウェザーがもし戦わば?!そんな発想をしょっちゅうしているスポーツファンはボクシングファンだけです。 ※このカバーは2018年9月号から。

それなら「ボクシングは他のスポーツよりも過去へのリスペクトが大きい」なんて嘘じゃないか?

確かに「グレートな王者ですら引退後の補償が全くない」という点では、過去へのリスペクトは微塵もありません。

プロボクシングはこの一点でも、後進スポーツです。

これは本当に由々しき問題です。

しかし、ファンの楽しみ方やメディアの思考回路という点では、過去へのリスペクトは他のスポーツよりも間違いなく大きいのです。

リング誌2月号で「COMPARING TODAY'S FIGHTERS WITH THE PAST」(現代と過去のボクサーを比較検証する」という特集が組まれています。

「ベースボールファンが『マイク・トラウトは1950年代のミッキー・マントルには及ばない』と考えることはありえない」が、ボクシングにおいては「それが日常的に行われている」のです。

歴代PFPなんて概念がファンのお遊びとして定着しているのも、ボクシングならではです。

ボクシングファンは他のスポーツのファンと比べても、特別に〝時間旅行〟が大好きな人種なのです。

そんなボクシングファンが、PFPと並んで好んで遊ぶのが「Mythical Matchups」(ありえない対決)です。

リング誌などの読者投稿でも Mythical Matchups は、記者や専門家に投げられる挨拶のようなものになっています。

デオンティ・ワイルダーvsマイク・タイソン、 マニー・パッキャオvsアーロン・プライアー、井上尚弥vsカルロス・サラテ…こんなマッチアップを見てワクワクするのはボクシングファンならではです。

ベースボールファンは大谷翔平vsベーブ・ルースと聞いても、ゾクゾクしたりもムラムラしたりもしません。 

今夜の Mythical Matchup は、やっぱり井上尚弥です。

二本立てです。

vs具志堅用高(当日軽量108ポンド=ジュニアフライ級/6ozグローブ) 

vs具志堅用高(前日軽量108ポンド=ジュニアフライ級/8ozグローブ)

明日の夜に?続きます。