バットや、グラブ、シューズの話は尽きません。

現役時代はそんなに気を使っていなかったのに、今振り返るとどいつもこいつも最高に愛おしいパートナーでした。

写真(遺影?)だけでも撮っとけばよかった。

バットやグラブは後輩や人に譲り、シューズは履きつぶして廃棄してしまったので、今は何一つ手元にないというのも、この愛おしさを加速させているのでしょう。

今、思えばスラッガーのバット、後輩にあげるんじゃなかったー!!!

逆に、手元にある当時のユニフォームにはそこまでの愛着が湧かないのは、やはりもう二度と握ったり、はめたり、履いたりすることが出来ないものへの郷愁なのでしょうか。

どんどん、横道にそれそうな話を引き戻して、そうです!

ここは「ナイキ ズームヴェイパーフライ4%」の話です。

このシューズ、価格.COMで見ると参考最安値価格¥86,400!

昨年、大好きなモルトの一つ「マッカラン」の60年モノが二本200万ドル(メイウェザーの茶番価格と同じですね:ちなみに一部報道の「900万ドルとみられる」は100%嘘です、その話は近々どこかで)のウィスキー史上最高価格で競り落とされたとき「くだらない!要らん、20万円でも要らん!」と思いましたが、このシューズの価格も狂ってますね。
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AFPニュースから。1本100万ドルの酒など、この世にあってはいけません。これはラベルにも秘密があるのですが…モルトの話なんて始めると、また長くなるので別の機会に。

「ナイキ ズームヴェイパーフライ4%」の定価は確か約3万円。それでも「要らん!」と思いましたが、¥86,400まで高騰してましたか。

このシューズはナイキの周到なマーケティングが産み出した〝造られた物語〟がすべての発端です。

ナイキが2014年に立ち上げたプロジェクト「Breaking2」。

「これこそがムーンショット(実現不可能に見える挑戦)」と、オスカー・デラホーヤ挑戦を控えたマニー・パッキャオのトレーナー、フレディ・ローチと同じ言葉が吐かれたこのプロジェクトでしたが、やってることは茶番劇でした。

なんか「茶番」と書くと先日のエキシビションしか思い浮かばなくなってますが「Breaking2」は、スポーツの真剣勝負ではないという意味で茶番ですが、非常に興味深い試みでした。

「Breaking2」をテーマにしたナショナルジオグラフィックのドキュメンタリーは、そこそこ面白かったですが、要はナイキの広告でしたね。

このブログをお読みの方は「何を今更」ですが、「GGG対カネロ」と「亀海vsコット」でボクシング界が沸騰していた2017年の初夏の話です。

5月8日の早朝、イタリア、モンツァが舞台です。

F1会場で有名なモンツァ・サーキットで、考えうるあらゆる障害を取り除いた環境で人類初のフルマラソン2時間斬りを実現させる、というのが「Breaking2」でした。

主役はリオ五輪金メダルのエリウド・キプチョゲ(昨年のベルリンで2時間1分39秒の世界記録樹立)。

気温11.2度、ほぼ無風。絶好のコンディションの中、6人ペースメーカーはキプチョゲを菱形に囲んで、あらゆる角度の空気抵抗から守りながら、アップダウンの全くない1周2.4㎞の周回コースを17周半走ります。

この6人(30人が交代制)の菱形フォーメーションは、風洞実験を重ねて編み出した「これ以上多くても少なくてもいけない最高の人数と、最高の包囲陣」でした。

給水ももちろん随時、パートナーが手渡しで補給、給水ポイントでのロスはありません。

しかし、結果は2時間00分25秒。あと26秒でムーンショットを逃してしまいます。

この見世物が終わるとナイキは「2時間斬りは出来なかったが、驚異的な世界記録は出せた。挑戦は成功だった」とおかしなことを言い出します。

そして「〝驚異的な世界記録〟を出したキプチョゲを支えたシューズを1ヶ月後に発売する!」と、本当の目的を明らかにします。

このシューズが「ナイキ ズームヴェイパーフライ4%」です。

ちなみに、キプチョゲはこの年の夏に開催された世界選手権を欠場、より高額の賞金が保証される「Breaking2」とベルリンマラソンへの出場を優先したのです。

近い将来、五輪もその扱いになるかも知れません。

この厚底シューズのインナーソールにはカーボンファイバーのブレードが内蔵されており、これがバネの役割を果たして推進力を生み出すのです。

なんだか〝反則〟の匂いもしてきますが、国際陸連ルールに抵触はしないそうです。

しかし、(禁止された)水泳の「レーザーレーサー」のような明らかな効果があるギアなのでしょうか?

「国際陸連=WBC」「ナイキ=カネロ・アルバレス」のような想像もしてしまいますが…。

ブレードの反発力で推進力を生み出す…ドクター中松の、あのシューズと原理は同じですね。

さて、この厚底シューズはどこまで効果があるのでしょうか?

箱根駅伝を走った95人は、その効果を実感してというよりも「マラソン世界記録も日本記録も全部このシューズ」という熱病の中で足を通したランナーがほとんどでしょう。

実際に使用経験がないのに、偉そうに書いていきます。

「ナイキ ズームヴェイパーフライ4%」。

そのメリットとデメリット、そしてこのトレンドが一過性なのかどうかを考えていきます。