このブログでは「ジュニア」で通している階級の呼称ですが、これがまたメディアや承認団体、イベントによってマチマチなんです。

まず、メディアで見てみます。

黄色が米国、桃色が英国です。

メディア呼称105ポンド備考
BWAAジュニアストロー 
ESPNジュニアストロー 
リング誌ジュニアストロー 
スポーツイラストレイテッドスーパーミニマム 
BBCライトストロースーパーフライ/スーパーバンタム/スーパーフェザーの三階級はスーパー表記
英国ボクシングニューズ誌ライトストロースーパーフライ/スーパーバンタム/スーパーフェザーの三階級はスーパー表記

BWAA全米ボクシング記者協会は「ジュニア」、105ポンドは「ストロー」。

発言権の強いESPNとリング誌の表記にならった格好です。

オリジナルの「ジュニア」が定着しているのに、わざわざ「スーパー」に変える意味がないというのが、大きな理由です。

WBA/WBCの腐敗承認団体は「ジュニアだと権威がない」ということでスーパー表記にしていますが、欧米メディアからしたら「王者や階級の権威が失墜してるのはソコじゃねーだろ!頭冷やして考えろ!」ということです。

しかし、スポーツイラストレイテッドは「スーパー」「ミニマム」表記です。

175ポンドは、いずれもライトヘビー級で、さすがに「スーパー スーパーミドル級」なんてことはありません。

108ポンドについてはリング誌、ESPNはいずれも「ジュニアフライ」。


面白いのが、英国です。

公共放送BBC、専門メディアのボクシングニューズ誌、ともに「ライト」です。105ポンドはやはり「ストロー」。

ジュニア階級が増殖するずっと以前、英国では「8Classic」、米国でも「Original8」に数えられる〝最初の8階級〟ライトヘビーがライトなんだから「ジュニアではなくライト!」ということでしょうか?

確かにライトヘビー級は1903年に初代世界王者ジャック・ルートが誕生している伝統の階級です。

ちなみにオリジナル8で最も新しい階級はフライ級で、1909年に英国ナショナル・スポーティング・クラブが112ポンドを採択するまで、最軽量級はバンタム(105〜118ポンド)でした。

「フライ級の方がライトヘビーよりも伝統がある」という誤解は〝ライト〟という語感から起きてしまう勘違いです。

英国での「ライト」は、アマチュアと呼称を統一する意味があるのかもしれませんが、それにしては115ポンドと122ポンド、130ポンドは、スーパー表記なんです。

英国だけでなく、米国のリングでも154ポンドを「ジュニアミドル」「ライトミドル」「スーパーウェルター」、140ポンドは「ジュニアウェルター」「ライトウェルター」「スーパーウェルター」とアナウンスされるのはよく聞きますが、115ポンド/122ポンド/130ポンドでは「ライトバンタム」などのコールは聞きません。

もちろん、ライト呼称で130ポンドになると「ライト ライト級」と、もう訳が分からなくなるのですが…。




そして、予想通りにグダグダなのが、腐敗承認団体です。

WBAとWBCは「スーパー」で、IBFとWBOは「ジュニア」。

先発2団体が、ジュニアからスーパーに衣替えしたのに対して、後発2団体はジュニアを選択しているのは興味深いところです。

腐敗承認団体呼称105ポンド備考
WBAスーパーミニフライ 
WBCスーパーミニマム 
IBFジュニアミニフライ 
WBOジュニアミニフライ108ポンドはジュニアフライ/200ポンドはジュニアヘビー

そして、105ポンドの呼称はWBA、IBF、WBOが「ミニフライ」です。

なんということでしょう、日本では最も聞き慣れない「ミニフライ」が腐敗団体の多数派なのです。

このクラスを1987年に最初に創設したWBCは、当初「ストロー」でしたが「ミニマム」に変更しました。ミニマム(最軽量)と宣言することで「もうこれ以下の水増し階級は作りません」という意思表示なのならいいのですが…。

WBAは1988年の導入時から「ミニフライ」で、クルーザー級は当時「ジュニアヘビー級」でした。

200ポンドで唯一、この「ジュニアヘビー級」を呼称しているのがWBOです。




個人的にはミニフライやミニマムよりもストロー、ジュニアヘビーよりもクルーザーの方が聞こえがいいいです。最初に入った言葉をひっくり返されるのは、よほど納得できる理由でないと難しいですね。

ましてや「スーパーの方が権威がある響きだから」(ホセ・スライマン)なんて言われた日にゃ「さんざんボクシングの権威を貶めておいて、頭カチ割るぞ!」ってなります。