井上尚弥のWBSS初戦が明日に迫った日本時間10月6日、カネロ・アルバレスがスーパーミドル級で戦うというニュースが飛び込んできました。
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因縁のゲンナディ・ゴロフキン第3戦、北米の人気者デビッド・レミューと防衛戦、ミドル級でカネロに次ぐマネーパワーを持つ村田諒太とのビッグファイト…様々なオプションが囁かれる中で、まさかの転級宣言です。 

「次の試合が内定して興奮している。12月15日に、(東海岸デビューとなる)マディソン・スクエア・ガーデンで戦う」。

SNSで28歳のメキシカン本人が書き込んでいます。

対戦相手はWBAセカンド王者のロッキー・フィールディング(27勝15KO1敗)。この〝二番王者〟にカネロが挑戦する形となります。

WBAスーパーミドル級は、先日行われたWBSS決勝で優勝したカラム・スミス(25勝18KO無敗)がWBAスーパーを保持しているため、フィールディングスは主要メディアで王者と認められていません(腐敗承認団体が乱立するのはまだ許せても「1団体が二人の世界王者を承認するのは明らかに間違っている」という極めて真っ当な理屈です:日本では WBAセカンドを〝正規王者〟と呼ぶこともありますが、世界的にはスーパー王者が存在するケースでは、このタイトルは〝二番王者=真の王者ではない〟と見られています)。 

リング誌とWBCダイアモンド(WBCが発作的・恣意的に認める気まぐれなタイトルのため世界王座と認められていません)もスミスが腰に巻いていますが、IBFはホセ・ウスカテギ(28勝23KO2敗)、WBOはヒルベルト・ラミレス(38勝25KO無敗)、WBCはデビッド・ベナビデス(20勝17KO無敗)と、WBSS決勝戦が終わったというのに群雄割拠の状態は変わりません。

168ポンド、スーパーミドル級は伝統的に英国で人気を集めてきたクラスです。

ボクシング人気沸騰中の英国は現在もスミスを筆頭に、スミスにWBSS決勝で敗れたジョージ・グローブス、北京五輪金メダル、元IBF王者ジェイムズ・デゲイル、この階級をメジャーにした父親の遺伝子を継ぐクリス・ユーバンクJr.らスター選手がひしめいています。

フィールディングもリバプール生まれの31歳、沸き立つ母国でメジャープレイヤーの仲間入りを狙っています。

9月15日の世紀の再戦でGGGに勝利、PPVで110万世帯を売り上げ、約60億円のファイトマネーを荒稼ぎしたカネロは、その代償に左目上を深く切ってしまいましたが、傷の回復は順調なようです。

今回も判定が議論を呼んでしまいましたが、初戦とは立場逆転の「攻め込んで勝利した」カネロの評価は高騰、次戦を選り好みしても批判するファンやメディアは少ないでしょう。

現状のミドル級を見渡すと、村田諒太を除くと興行的に美味しい相手は見当たりません。その村田にしても米国でのアトラクションは低く「敵地・東京に乗り込む」という条件付き。それでもGGG2ほどの報酬は期待出来ません。

英国に巨大なファンベースを築いているスーパーミドル級でカラム・スミスや復帰が噂されるカール・フロッチとのメガファイトまで漕ぎ着ければ、GGGよりもローリスクで同等かそれ以上の報酬が期待出来ます。

ニューヨーク、東海岸デビューに加えて、英国での注目度も上げることが、28歳のメキシカンの商品価値をさらに引き上げることは間違いありません。

長らく蜜月関係にあったHBOがボクシングから撤退、米国とプレミアムケーブルの没落が鮮明になったいま、エディ・ハーンやDAZN、ESPNがカネロにラブコールを送るなど、新時代突入です。

フィールディングはセカンド王者のベルトを持っているとはいえ、まともな対戦相手はスミスだけ。その試合も1ラウンドで敗れています。

カネロにとってはチェリーピッキング、日本でいう〝雑魚狩り〟です。

フィールディングをプロモートするハーンは「英国のロッキーがニューヨークで大番狂わせを起こす」とついにカネロと絡めたことに興奮しています。

北米最大のスターだけに世界的な注目度も半端じゃありません。

すでにオッズも立ち上がって、ウィリアムヒルの数字はカネロ勝利1/25(1.04倍)、フィールディング8倍。8−1でカネロ圧倒的有利です。

その一方で「東京ドームで村田と対決!」というドリームマッチは、厳しい見通しとなってしまいました…。