7月28日 WBO世界ジュニアライト級王者決定戦
フロリダ州キシミー・シビックセンター
1位:クリストファー・ディアス vs 2位:伊藤雅雪
UD 109-118 110-117 111-116

戦前のオッズはディアス勝利が1.2倍、伊藤勝利が4.33倍(英国ウィリアムヒル)。アバウト1-4で、27歳の日本人は完全なアンダードッグでした。
キシミーは、多くのプエルトリカンが暮らしているフロリダ最大の内陸都市オーランド郊外に位置していて、伊藤にとっては完全敵地。
オッズも観客も厳しい逆風を受けながら、伊藤はリングに上がりました。
前日計量を129.2ポンドでクリアしたディアスは「2013年にプロデビューしたときはこんな大舞台が待っているとは考えもしなかった。それでもこのスポーツに情熱を注ぎ、毎日毎日懸命に練習を続けてきたことが、明日の世界戦につながったのだと思う」と23戦全勝15KOのキャリアを振り返りました。
一方、江東区の小さなジムに所属しながらも帝拳のプロモートで世界戦まで辿り着いた伊藤は、129.6ポンドで仕上げて「中盤から圧倒して終盤に倒す」とKO宣言。
「序盤は様子を見る」と話していた両者ですが、1ラウンドから激しい打ち合いに。
試合後のインタビューで伊藤が「1ラウンドで通用するとわかった」と自信を持てたことを明かしているように、様子を見るはずの序盤でペースを掌握することに成功しました。
逆にディアスは「簡単な試合にならないことがわかった」と2ラウンドから大きなスイングで前進しますが、伊藤の正確なコンビネーションに3ラウンド終了時で早くも左目の下を腫れ上がらせてしまします。
そして4ラウンド。右左右の連打で伊藤がディアスから美しいダウンを奪います。
ディアスは失ったポイントを取り返そうと必死で左右の拳を振り回すも、ほとんど空振りで、自らのスタミナをいたずらに消耗、その間も伊藤の攻勢に晒されました。
8ラウンドには短い間とはいえロープに詰まり、右目もカット。
「強い相手とは一度も戦っていない」という未知数の部分を抱えた二人の対決でしたが、ボロを出したのは無敗のディアスでした。
採点で大きくリードされている可能性が高くても、次の引き出しはなく、無造作に左右のパンチを振り回すだけ。ESPNのこの試合の宣伝番組で「ウィルフレド・ゴメス、フェリックス・トリニダード、ミゲール・コットらのようなプエルトリコの伝説になりたい」と語っていたディアスですが、これから何が起きても絶対に不可能です。
接近戦では何もできない、離れても距離をコントロールするリードブローが全く打てない…とんでもない無敗のホープでした。もちろん、伊藤がそうさせなかった面もありますが。

とにかく、今日の伊藤は素晴らしい出来栄えでした。これで24勝12KO1敗。
相手を上回るリーチ差と回転力を有効に使って、長い距離から左ボディと接近戦でのアッパーをスパイスに左から右、右から左につなぐコンビネーションでプエルトリカンを八方塞がりに追い詰めていきます。
今回も不用意にパンチをもらうのは気になりましたが、解説席のティモシー・ブラッドリーが「あなたのスタイルは大好きだ」と賞賛したように、これは伊藤のスリリングなスタイルでは諸刃の剣です。
米国でのタイトル奪取は1981年に三原正が2−0のMDでロッキー・フラットとの王者決定戦に勝利してWBAジュニアミドル級のタイトルを獲得して以来、37年ぶりの快挙も達成しました。
微妙なラウンドもありましたが、ディアスが明白に取ったのは6、10の2つだけ。ダウンもあっただけに、採点が開いてることがアナウンスされた時点で伊藤の勝利がわかりました。
ジャッジの一人が付けた118−109もありえないスコアではありません。
UD 109-118 110-117 111-116

ワシル・ロマチェンコが返上して空位になったタイトルを、ランキング1位のクリストファー・ディアスと2位の伊藤雅雪が争う王者決定戦です。
戦前のオッズはディアス勝利が1.2倍、伊藤勝利が4.33倍(英国ウィリアムヒル)。アバウト1-4で、27歳の日本人は完全なアンダードッグでした。
キシミーは、多くのプエルトリカンが暮らしているフロリダ最大の内陸都市オーランド郊外に位置していて、伊藤にとっては完全敵地。
オッズも観客も厳しい逆風を受けながら、伊藤はリングに上がりました。
前日計量を129.2ポンドでクリアしたディアスは「2013年にプロデビューしたときはこんな大舞台が待っているとは考えもしなかった。それでもこのスポーツに情熱を注ぎ、毎日毎日懸命に練習を続けてきたことが、明日の世界戦につながったのだと思う」と23戦全勝15KOのキャリアを振り返りました。
一方、江東区の小さなジムに所属しながらも帝拳のプロモートで世界戦まで辿り着いた伊藤は、129.6ポンドで仕上げて「中盤から圧倒して終盤に倒す」とKO宣言。
「序盤は様子を見る」と話していた両者ですが、1ラウンドから激しい打ち合いに。
試合後のインタビューで伊藤が「1ラウンドで通用するとわかった」と自信を持てたことを明かしているように、様子を見るはずの序盤でペースを掌握することに成功しました。
逆にディアスは「簡単な試合にならないことがわかった」と2ラウンドから大きなスイングで前進しますが、伊藤の正確なコンビネーションに3ラウンド終了時で早くも左目の下を腫れ上がらせてしまします。
そして4ラウンド。右左右の連打で伊藤がディアスから美しいダウンを奪います。
ディアスは失ったポイントを取り返そうと必死で左右の拳を振り回すも、ほとんど空振りで、自らのスタミナをいたずらに消耗、その間も伊藤の攻勢に晒されました。
8ラウンドには短い間とはいえロープに詰まり、右目もカット。
「強い相手とは一度も戦っていない」という未知数の部分を抱えた二人の対決でしたが、ボロを出したのは無敗のディアスでした。
採点で大きくリードされている可能性が高くても、次の引き出しはなく、無造作に左右のパンチを振り回すだけ。ESPNのこの試合の宣伝番組で「ウィルフレド・ゴメス、フェリックス・トリニダード、ミゲール・コットらのようなプエルトリコの伝説になりたい」と語っていたディアスですが、これから何が起きても絶対に不可能です。
接近戦では何もできない、離れても距離をコントロールするリードブローが全く打てない…とんでもない無敗のホープでした。もちろん、伊藤がそうさせなかった面もありますが。

ディアスはボクシングIQは低いものの、伊藤が言うようにナイスガイな空気は発散させていました。
とにかく、今日の伊藤は素晴らしい出来栄えでした。これで24勝12KO1敗。
相手を上回るリーチ差と回転力を有効に使って、長い距離から左ボディと接近戦でのアッパーをスパイスに左から右、右から左につなぐコンビネーションでプエルトリカンを八方塞がりに追い詰めていきます。

米国でのタイトル奪取は1981年に三原正が2−0のMDでロッキー・フラットとの王者決定戦に勝利してWBAジュニアミドル級のタイトルを獲得して以来、37年ぶりの快挙も達成しました。
微妙なラウンドもありましたが、ディアスが明白に取ったのは6、10の2つだけ。ダウンもあっただけに、採点が開いてることがアナウンスされた時点で伊藤の勝利がわかりました。
ジャッジの一人が付けた118−109もありえないスコアではありません。
三者のスコアは、いずれも納得出来る採点だったと思います。
完全敵地で圧倒的不利予想を覆しての世界タイトル奪取。ものすごく格好いいです。文句無しに素晴らしいです。
日本語と英語のちゃんぽんで、インタビューに興奮気味で答える伊藤、その後ろで赤ちゃんを抱いている奥様が見守る映像は、なかなかいいものでした。負けていれば、これが救いようのない悲惨な絵になるのですが、これもボクシングの魅力です。
ESPN+で生配信されたこの興行には、村田諒太の因縁の相手エスキバ・ファルカオも登場。ミドル級10回戦でジョナサン・タビラ(17勝13KO5敗)をわずか1ラウンドでボディを抉って屠りました。
ファルカオの雑魚狩り路線はいつ終わるのか、村田との対決はあるのか?ミドル級戦線も気になるところです。
完全敵地で圧倒的不利予想を覆しての世界タイトル奪取。ものすごく格好いいです。文句無しに素晴らしいです。
日本語と英語のちゃんぽんで、インタビューに興奮気味で答える伊藤、その後ろで赤ちゃんを抱いている奥様が見守る映像は、なかなかいいものでした。負けていれば、これが救いようのない悲惨な絵になるのですが、これもボクシングの魅力です。
ESPN+で生配信されたこの興行には、村田諒太の因縁の相手エスキバ・ファルカオも登場。ミドル級10回戦でジョナサン・タビラ(17勝13KO5敗)をわずか1ラウンドでボディを抉って屠りました。
ファルカオの雑魚狩り路線はいつ終わるのか、村田との対決はあるのか?ミドル級戦線も気になるところです。
コメント
コメント一覧 (2)
まあ、やっと終わったか、という塩分過多の試合が多い中で、木村や伊藤のような強いハートを見せてもらえるとボクシングファンで良かったと思います。
伊藤選手の国内のライバルたちもどんどん世界に知られて欲しいですね!