カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が、7月20日に成立しました。

政府は、IRを2020年東京五輪後の成長戦略の柱と位置付けていますが、わかりやすく翻訳すると「五輪後に訪れる経済的な落ち込みを最小限にとどめる切り札」と期待しているわけです。
 
これで日本にもラスベガスのようなシン・シティが誕生する下地が出来ました。
 
IMG_0840
しかし、ボクシングのメガファイトが日本でも…と期待するのは早計なようです。

政府が掲げるのは、あくまで〝統合型〟 リゾートであり、カジノはそれを構成するホテルやレストラン、ショッピングモール、アミューズメントパークなどの一つに過ぎず、その面積も総面積の3%以下と規制されています。

そもそもボクシングが賭けの対象として認められていないのですから、「日本にベガスが生まれる」というのはボクシングファンにとっては残念ながら見当外れです。

とはいえ、この統合型リゾートが集客するためにはショッピングモールやアミューズメントパークだけでは不十分です。

政府が目指すのが米国型カジノ&リゾートであることも間違いありません。

ボクシングのメガファイトを送り続けたMGMを例にとると、デビッド・カッパーフィールドのイリュージョンやシルクドゥソレイユなどのサーカスをメインに、ボクシングの試合などを〝前座〟に配置して、エンターテインメントに富んだ滞在期間を演出するのが、カジノ&リゾートの典型的な手法です。

大口の顧客にはボクシングの試合チケットは無料で配布されます。

富裕層の中にはボクシングへの関心が低い人もいますから、前座から指定席に腰を下ろして生きのいい若手選手を見つけようなんて正しいボクシングファンは極めて稀です。

なかなかの好カードにもかかわらず、閑古鳥の鳴く会場には、こんな背景も隠されているのです。本当にもったいない!

それでも、メガファイトともなると集客の〝メイン〟にセットされることも珍しくありません。

カジノ&リゾートが持続可能な発展をするためには、大きなショーを招致して、ホテルやショッピングを楽しむフックにする必要があるのです。

このビジネスモデルのもとには、日本では考えられない招致フィーというおカネが動きます。

ボクシングに限らず、日本でなんらかの興行を打つ場合は、会場費が必要です。

米国でもマジソン・スクエア・ガーデンやバークレイズセンター、ステイプルズセンターなどの大会場、今は少なくなりましたがヤンキースタジアムなどの巨大球技場で興行する場合は会場費を支払います。

しかし、MGMに代表されるカジノ&リゾートは全く逆で、招致フィーを興行側に支払って人気のショーやボクシングのビッグファイトを呼び込むのです。

この場合〝箱貸し〟ではなく、チケットも含めて買い取ります。

カジノ&リゾートは、会場貸しビジネスではなく、招致ビジネスなのです。フロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオのメガファイトには1000万ドル規模の招致フィーが支払われることも珍しくありません。

大相撲や歌舞伎など海外でも人気の高いショービジネスを豊富に抱えている日本では、統合型リゾートも大きな可能性を秘めているのは間違いありません。

その中で、ボクシング、もちろん軽量級がいかに面白いかを世界に発信していくことは一石二鳥です。

つまり、「世界で注目されているのは中重量級で軽量級は面白くない」という完全な誤解をしている国内のスポーツファンに軽量級の奥深さに気づいてもらうチャンスでもあるのです。

軽量級の統一トーナメントが、日本を舞台に繰り広げられるなんて、想像するだけでワクワクします。

大阪夢洲カジノ&リゾートの特設リングに、バンタム級統一世界王者の井上尚弥に挑む、ジュニアバンタムを制した四階級制覇王者・井岡一翔が大声援と大ブーイングを受けてリングイン…たまりませんね。

それにしても、1000万ドルもの招致フィーを支払い、ボクシングチケットを無料でバラ撒いて商売が成り立つのか?…まだまだ続きます。。。