「日本のボクサーも数字ではなく殿堂を目指せ!」なんて言ってしまいましたが、本音では、米国至上主義の国際殿堂には嫌悪感もあります。
ただ、あまりにも数字にばかりに執着する日本のボクシング界はやはりおかしいと思うからです。「最短世界王者」「最短二階級制覇」「連続防衛記録」「複数階級制覇」…そんなの世界王者が乱立する今ならいくらでもやり放題です。
ワシル・ロマチェンコを語るとき、そのスピード出世は、卓越した技術という圧倒的な存在感の〝主語〟から見たら、瑣末な〝修飾語〟でしかありません。マニー・パッキャオは世界唯一の8階級制覇(日本では6階級制覇)を達成したから偉大なのではなく、強豪をことごとく打ち倒したからです。
手抜きしたラーメン屋は流行りません。いいえ、流行らせてはいけないのです。手抜きのラーメンを食べさせられて、またその店に行くなんてありえないでしょう。防衛記録やら、最短やら、ナン階級制覇やら、素っ頓狂な具材のトッピングに、いつまでも騙されてはいけません。
【「誰に勝ったか」。それ以外は評価されないと言い切っていいでしょう。5階級制覇したレオ・ガメスは、強豪でしたが、殿堂にはお呼びじゃありません。38連続防衛したサムソン・ダッチボーイジムがネタ扱いされるのはマイナー団体だったからじゃありません、誰にも勝っていないからです。この「誰に勝ったか」という最強のモノサシの恩恵を最大限に授かっているのは、間違いなくファイティング原田です。】
もちろん、今のパッキャオは手抜きのインスタントラーメンしか出しません。だから、お客さんは一気に離れました。今もパッキャオのチケットを買う人は、「昔は信じられないほど美味しかった」という郷愁からです、それだけです。ただ、パッキャオはかつて、間違いなく、世界中のボクシングファンをメロメロにしてしまうパフォーマンスを立て続けに魅せました。
その遺産が、昨日発表された「ESPN World Fame 100 」(ESPNが発表した世界で最も有名なアスリート100人)です。パッキャオは、今がプライムタイムのカネロ・アルバレス(89位)を引き離して59位(去年35位)に顔を出しています。
しかし、MMAファイターのロンダ・ラウジー(16位)とコナー・マクレガー(25位)が、カネロはもちろんパッキャオまで凌いでいるのは、ボクシングファンとしては複雑ですね…。
残念ながらボクサーはこの二人だけです。
しかし!カネロは、我らが村田諒太といつ対戦しても、もはや驚くことじゃないです。
亀海喜寛も8月のコット戦で勝てば、ジュニアミドルという階級的にもパッキャオとカネロ、どちらからオファーが来ても、これまた誰も驚かないポジションに立てるのです。もー、絶対勝たねばなりません!
日本から唯一ランクインしたのは、錦織圭の20位!さすがです、素晴らしいです。しかし、世界タイトルを一度も取ったことがない錦織が20位に入った一方で、「世界王者を12度も防衛している」山中慎介も、「天才」井上尚弥も100位に入ってないばかりか、もしこれが1000位まであってもランクインしたかどうかは怪しいでしょう。
もちろん、こんなランキングはまともに受け止めてはいけません。米国基準に著しく偏向した、超独善人気ランキングです。
1億人の日本市場を勘案したらおそらく、「亀田興毅」「稀勢の里」なんかは100位圏内に入ってもおかしくありません(もちろん、特に亀田は今回のESPN World Fame 100の〝計測期間〟〝対象条件〟から外れているでしょうが)。
英国のボクシングファンは「アンソニー・ジョシュアが100位にも入っていないなんて、さすが米国、トランプの国」「ウッズ?英国で同じランキングしたらゴルフをしない(交通事故を起こす)ゴルファーは入らない」と、早速盛り上がってます。日本もその態度じゃないとダメなんです。
国際殿堂を目指せ!そのためには何度防衛するとか(これが評価されるなら38連続防衛のサムソンは殿堂入り)、最短で世界王者になるとか(これが評価されるならウィラポンはとっくの昔に殿堂入り)、敵地で勝つ(これが評価されるならパッキャオは永遠不滅のPFP1位ですね)とか、瑣末なことは、修飾語に止めるべきなんです。
もちろん、瑣末なことを主語にすることのメリットはあります。商業的なメリットはいくらでもあります。
「対戦相手が逃げている」と妄言を吐き続けて、防衛戦を重ねていく。それをそのまま報道するメディア…これも最低です。「対戦相手が逃げてしまって」という世界王者は井上が最初じゃありません。最近では長谷川穂積ら、綿々と続く日本のお家芸です。
メジャーな相手は、普通の条件では来るわけがないのです。
フェルナンド・モンティエルですら、日本に呼ぶのは譲歩に譲歩を尽くして超難航したのです。逆を考えれば当たり前です。井上がカリド・ヤファイと戦うのに英国に行くか?行っちゃダメです。KOしないと勝てません。じゃあ、普通に呼んでヤファイが来るか?同じ理由で絶対来ません。そういうことです。
どちらかが大幅に譲歩して敵地に乗り込むか、あるいは相手が納得する法外な報酬を用意することです。普通なら、どっちもできませんが、長谷川陣営は後者を選んでビッグファイトを行いました。長谷川vsモンティエルをメインでラスベガス開催したら、悲しいほどしょぼい興行にしかなりません。血を流して、日本でやったから、あれだけ注目され、緊張感のあるビッグファイトになったのです。「昔の世界戦のようだ」と感慨に耽っていたオールドファンが多かったのには苦笑しましたが。
かつて、アブナル・マレスは長谷川の防衛戦の相手としてピックアップされましたが、条件が折り合わず流れました(当たり前です。普通の防衛相手と同じ条件でGBPの秘蔵っ子が日本に来るわけがありません)。これで「マレスは逃げた」となるわけです。
私は、井上尚弥は、間違いなく名刀だと思います。
しかし、今までこの〝推定〟名刀が斬ったのは、全盛期ですらPFPにお呼びじゃなかったオマール・ナルバエスだけです。
彼の相手で、日本人がとりわけ健闘しているように見えるのは、対戦相手が意地を見せたからだけじゃないでしょう。海外から呼んでる選手の品質が劣悪なのがその最大の理由です。
これは、最近の世界王者によく見られる傾向です。普通に考えたら、世界に出た方が苦戦するはずです。
【井上尚弥は「ジュニアフェザー」にも関心があるといいます。ロマゴン陥落のいま、軽量級で井上の射程距離にいる〝誰もが認める強い奴〟は全盛期のノニト・ドネアにボクシングのレッスンを施したキューバ人しかいません(フェザーまで上げたら別ですが)。
そして、彼は間違いなく日本に呼べます。実際に来ましたし。このマッチアップが実現したら、オッズは1−3レベルで、井上のキャリアで初めての不利でしょう。しかし、層の薄い軽量級でこのチャンスを逃したら、もうまともな相手はいません。=写真はドネアを翻弄したギレルモ・リゴンドー。「素晴らしいテクニック、しかし退屈すぎる〜ドネアがダウンを奪ったシーンでももはや両者の力量差は明らかで結果が目に見えてしまっていた〜」】
どんな名刀でも、ナマクラばっかり斬ってれば、当たり前の話、サビつきます。
井上の刃だって、まともな獲物を与えてあげないと、必ずサビつきます。
パッキャオが稀代の名刀たりえたのは、旬の時期に斬るに値するグレートを斬り倒しまくったからです。
誰に勝ったか。それが全てなのです。
ただ、あまりにも数字にばかりに執着する日本のボクシング界はやはりおかしいと思うからです。「最短世界王者」「最短二階級制覇」「連続防衛記録」「複数階級制覇」…そんなの世界王者が乱立する今ならいくらでもやり放題です。
ワシル・ロマチェンコを語るとき、そのスピード出世は、卓越した技術という圧倒的な存在感の〝主語〟から見たら、瑣末な〝修飾語〟でしかありません。マニー・パッキャオは世界唯一の8階級制覇(日本では6階級制覇)を達成したから偉大なのではなく、強豪をことごとく打ち倒したからです。
手抜きしたラーメン屋は流行りません。いいえ、流行らせてはいけないのです。手抜きのラーメンを食べさせられて、またその店に行くなんてありえないでしょう。防衛記録やら、最短やら、ナン階級制覇やら、素っ頓狂な具材のトッピングに、いつまでも騙されてはいけません。
【「誰に勝ったか」。それ以外は評価されないと言い切っていいでしょう。5階級制覇したレオ・ガメスは、強豪でしたが、殿堂にはお呼びじゃありません。38連続防衛したサムソン・ダッチボーイジムがネタ扱いされるのはマイナー団体だったからじゃありません、誰にも勝っていないからです。この「誰に勝ったか」という最強のモノサシの恩恵を最大限に授かっているのは、間違いなくファイティング原田です。】
もちろん、今のパッキャオは手抜きのインスタントラーメンしか出しません。だから、お客さんは一気に離れました。今もパッキャオのチケットを買う人は、「昔は信じられないほど美味しかった」という郷愁からです、それだけです。ただ、パッキャオはかつて、間違いなく、世界中のボクシングファンをメロメロにしてしまうパフォーマンスを立て続けに魅せました。
その遺産が、昨日発表された「ESPN World Fame 100 」(ESPNが発表した世界で最も有名なアスリート100人)です。パッキャオは、今がプライムタイムのカネロ・アルバレス(89位)を引き離して59位(去年35位)に顔を出しています。
しかし、MMAファイターのロンダ・ラウジー(16位)とコナー・マクレガー(25位)が、カネロはもちろんパッキャオまで凌いでいるのは、ボクシングファンとしては複雑ですね…。
残念ながらボクサーはこの二人だけです。
しかし!カネロは、我らが村田諒太といつ対戦しても、もはや驚くことじゃないです。
亀海喜寛も8月のコット戦で勝てば、ジュニアミドルという階級的にもパッキャオとカネロ、どちらからオファーが来ても、これまた誰も驚かないポジションに立てるのです。もー、絶対勝たねばなりません!
日本から唯一ランクインしたのは、錦織圭の20位!さすがです、素晴らしいです。しかし、世界タイトルを一度も取ったことがない錦織が20位に入った一方で、「世界王者を12度も防衛している」山中慎介も、「天才」井上尚弥も100位に入ってないばかりか、もしこれが1000位まであってもランクインしたかどうかは怪しいでしょう。
もちろん、こんなランキングはまともに受け止めてはいけません。米国基準に著しく偏向した、超独善人気ランキングです。
1億人の日本市場を勘案したらおそらく、「亀田興毅」「稀勢の里」なんかは100位圏内に入ってもおかしくありません(もちろん、特に亀田は今回のESPN World Fame 100の〝計測期間〟〝対象条件〟から外れているでしょうが)。
英国のボクシングファンは「アンソニー・ジョシュアが100位にも入っていないなんて、さすが米国、トランプの国」「ウッズ?英国で同じランキングしたらゴルフをしない(交通事故を起こす)ゴルファーは入らない」と、早速盛り上がってます。日本もその態度じゃないとダメなんです。
国際殿堂を目指せ!そのためには何度防衛するとか(これが評価されるなら38連続防衛のサムソンは殿堂入り)、最短で世界王者になるとか(これが評価されるならウィラポンはとっくの昔に殿堂入り)、敵地で勝つ(これが評価されるならパッキャオは永遠不滅のPFP1位ですね)とか、瑣末なことは、修飾語に止めるべきなんです。
もちろん、瑣末なことを主語にすることのメリットはあります。商業的なメリットはいくらでもあります。
「対戦相手が逃げている」と妄言を吐き続けて、防衛戦を重ねていく。それをそのまま報道するメディア…これも最低です。「対戦相手が逃げてしまって」という世界王者は井上が最初じゃありません。最近では長谷川穂積ら、綿々と続く日本のお家芸です。
メジャーな相手は、普通の条件では来るわけがないのです。
フェルナンド・モンティエルですら、日本に呼ぶのは譲歩に譲歩を尽くして超難航したのです。逆を考えれば当たり前です。井上がカリド・ヤファイと戦うのに英国に行くか?行っちゃダメです。KOしないと勝てません。じゃあ、普通に呼んでヤファイが来るか?同じ理由で絶対来ません。そういうことです。
どちらかが大幅に譲歩して敵地に乗り込むか、あるいは相手が納得する法外な報酬を用意することです。普通なら、どっちもできませんが、長谷川陣営は後者を選んでビッグファイトを行いました。長谷川vsモンティエルをメインでラスベガス開催したら、悲しいほどしょぼい興行にしかなりません。血を流して、日本でやったから、あれだけ注目され、緊張感のあるビッグファイトになったのです。「昔の世界戦のようだ」と感慨に耽っていたオールドファンが多かったのには苦笑しましたが。
かつて、アブナル・マレスは長谷川の防衛戦の相手としてピックアップされましたが、条件が折り合わず流れました(当たり前です。普通の防衛相手と同じ条件でGBPの秘蔵っ子が日本に来るわけがありません)。これで「マレスは逃げた」となるわけです。
私は、井上尚弥は、間違いなく名刀だと思います。
しかし、今までこの〝推定〟名刀が斬ったのは、全盛期ですらPFPにお呼びじゃなかったオマール・ナルバエスだけです。
彼の相手で、日本人がとりわけ健闘しているように見えるのは、対戦相手が意地を見せたからだけじゃないでしょう。海外から呼んでる選手の品質が劣悪なのがその最大の理由です。
これは、最近の世界王者によく見られる傾向です。普通に考えたら、世界に出た方が苦戦するはずです。
【井上尚弥は「ジュニアフェザー」にも関心があるといいます。ロマゴン陥落のいま、軽量級で井上の射程距離にいる〝誰もが認める強い奴〟は全盛期のノニト・ドネアにボクシングのレッスンを施したキューバ人しかいません(フェザーまで上げたら別ですが)。
そして、彼は間違いなく日本に呼べます。実際に来ましたし。このマッチアップが実現したら、オッズは1−3レベルで、井上のキャリアで初めての不利でしょう。しかし、層の薄い軽量級でこのチャンスを逃したら、もうまともな相手はいません。=写真はドネアを翻弄したギレルモ・リゴンドー。「素晴らしいテクニック、しかし退屈すぎる〜ドネアがダウンを奪ったシーンでももはや両者の力量差は明らかで結果が目に見えてしまっていた〜」】
どんな名刀でも、ナマクラばっかり斬ってれば、当たり前の話、サビつきます。
井上の刃だって、まともな獲物を与えてあげないと、必ずサビつきます。
パッキャオが稀代の名刀たりえたのは、旬の時期に斬るに値するグレートを斬り倒しまくったからです。
誰に勝ったか。それが全てなのです。
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