村田諒太のアイドル、フェリックス・トリニダードもまたミドル級を制したスター選手でした。
しかし、ミドル級では主役であり続けることは出来ませんでした。カリブのヒーローに初めての挫折を味あわせたのが〝死刑執行人〟バーナード・ホプキンスです。
2001年9月15日に予定されていたWBC/IBF王者ホプキンスと、WBA王者トリニダードの注目の統一戦はニューヨークを直撃、世界中を震撼させた「9・11」の影響で二週間の延期を余儀なくされます。試合前には「私たちはテロに屈しない」とリング上で宣言されました。
ボクシングはすでにヒスパニックの時代に突入していました。アメリカ人のホプキンスよりも、プエルトリカンのティトの人気が絶大で、試合会場がプエルトリカンのお膝元ニューヨークで行われたこと、専門家予想は拮抗していた一方でオッズは7−2でティト有利と大きく傾いていたこともそのことを如実に証明していました。
【リング誌の2000年PFPランキング表。この対決はPFP1位と9位の激突でもありました。】
7−2は開き過ぎにしても、ティト有利の予想が大きく的外れだったとは思いません。無敗の快進撃を続けるプエルトリカンは、ウエルター級でオスカー・デラホーヤとの「1000年に一度の対決」を制し、ミドル級タイトルも日本人には無敵に見えたウィリアム・ジョッピーを問題なく粉砕して奪取、リング誌のPFPでも1位にランクされていました。年齢も28歳とまさにプライムタイムを迎えていたのです。
一方のホプキンスはといえば36歳と完全にピークを過ぎた老ぼれ(未来を知る我々だから笑えます)、13度も防衛を重ねていたことも「そろそろ…」という見方をされていました。
マジソン・スクエア・ガーデンはティトを応援するヒスパニックでフルハウス、ホプキンスは完全に悪役でしたが、エイリアンに進化する未来の伝説はその役回りを楽しんでいるように見えました。
カミソリの切れ味と、ナタの破壊力を同時に併せ持つティトのスタイルは、ブエルトリカンだけでなく世界中のボクシングファンを魅了しましたが、真っ正直で嘘のない、悪く言うと引き出しの少ないボクシングでもありました。しかし、そのカリブの純情は百戦錬磨の老獪な技術を操るホプキンスにとってはオーダーメイドの相手でしかありませんでした。
何手も先を見越したステップで刻むポジショニングにPFP1位は全く順応できないまま、8歳年上の正確無比なパンチを浴び続け、死刑執行人の術中に引きずり込まれていきます。
「ホプキンスが勝つ」と予想した専門家も少なくありませんでしたが、ここまで一方的な展開になるとは誰も考えていませんでした。
12ラウンドたっぷり使ってホプキンスは最高のご馳走を堪能しました。主役になるはずのティトが、ホプキンスのアッパーに力なく沈んだところでワンサイドゲームが終わります。
「だから言っただろう。ティトのビデオを初めて見た時から簡単な試合にしかならないことはわかっていた。再戦?契約に盛り込まれてるから彼さえ望めばOKだが、おそらくもう俺とは戦いたくないだろうな。2回目はもっとひどい結果にしかならないよ」。
尊敬するマービン・ハグラーが巻いていた3本のベルトを14年ぶりにコレクションしたホプキンスは、どこまでもご機嫌でした。
村田が来月20日に対峙するヌジカムにはティトの爆発力もB−HOPの老獪さもありませんが、その拳には十分な破壊力を秘めていますし、現在のミドル級では決定打をもらわないことではトップクラスでしょう。きっと難しい試合になるでしょうが、何としてもカメルーンの起き上がり小法師から明白な勝利をもぎ取って欲しいものです。
頑張れ!村田!ヌジカム戦をクリアして、日本人が誰もまだ見たことのない場所まで連れて行って下さい。
しかし、ミドル級では主役であり続けることは出来ませんでした。カリブのヒーローに初めての挫折を味あわせたのが〝死刑執行人〟バーナード・ホプキンスです。
2001年9月15日に予定されていたWBC/IBF王者ホプキンスと、WBA王者トリニダードの注目の統一戦はニューヨークを直撃、世界中を震撼させた「9・11」の影響で二週間の延期を余儀なくされます。試合前には「私たちはテロに屈しない」とリング上で宣言されました。
ボクシングはすでにヒスパニックの時代に突入していました。アメリカ人のホプキンスよりも、プエルトリカンのティトの人気が絶大で、試合会場がプエルトリカンのお膝元ニューヨークで行われたこと、専門家予想は拮抗していた一方でオッズは7−2でティト有利と大きく傾いていたこともそのことを如実に証明していました。
【リング誌の2000年PFPランキング表。この対決はPFP1位と9位の激突でもありました。】
7−2は開き過ぎにしても、ティト有利の予想が大きく的外れだったとは思いません。無敗の快進撃を続けるプエルトリカンは、ウエルター級でオスカー・デラホーヤとの「1000年に一度の対決」を制し、ミドル級タイトルも日本人には無敵に見えたウィリアム・ジョッピーを問題なく粉砕して奪取、リング誌のPFPでも1位にランクされていました。年齢も28歳とまさにプライムタイムを迎えていたのです。
一方のホプキンスはといえば36歳と完全にピークを過ぎた老ぼれ(未来を知る我々だから笑えます)、13度も防衛を重ねていたことも「そろそろ…」という見方をされていました。
マジソン・スクエア・ガーデンはティトを応援するヒスパニックでフルハウス、ホプキンスは完全に悪役でしたが、エイリアンに進化する未来の伝説はその役回りを楽しんでいるように見えました。
カミソリの切れ味と、ナタの破壊力を同時に併せ持つティトのスタイルは、ブエルトリカンだけでなく世界中のボクシングファンを魅了しましたが、真っ正直で嘘のない、悪く言うと引き出しの少ないボクシングでもありました。しかし、そのカリブの純情は百戦錬磨の老獪な技術を操るホプキンスにとってはオーダーメイドの相手でしかありませんでした。
何手も先を見越したステップで刻むポジショニングにPFP1位は全く順応できないまま、8歳年上の正確無比なパンチを浴び続け、死刑執行人の術中に引きずり込まれていきます。
「ホプキンスが勝つ」と予想した専門家も少なくありませんでしたが、ここまで一方的な展開になるとは誰も考えていませんでした。
12ラウンドたっぷり使ってホプキンスは最高のご馳走を堪能しました。主役になるはずのティトが、ホプキンスのアッパーに力なく沈んだところでワンサイドゲームが終わります。
「だから言っただろう。ティトのビデオを初めて見た時から簡単な試合にしかならないことはわかっていた。再戦?契約に盛り込まれてるから彼さえ望めばOKだが、おそらくもう俺とは戦いたくないだろうな。2回目はもっとひどい結果にしかならないよ」。
尊敬するマービン・ハグラーが巻いていた3本のベルトを14年ぶりにコレクションしたホプキンスは、どこまでもご機嫌でした。
村田が来月20日に対峙するヌジカムにはティトの爆発力もB−HOPの老獪さもありませんが、その拳には十分な破壊力を秘めていますし、現在のミドル級では決定打をもらわないことではトップクラスでしょう。きっと難しい試合になるでしょうが、何としてもカメルーンの起き上がり小法師から明白な勝利をもぎ取って欲しいものです。
頑張れ!村田!ヌジカム戦をクリアして、日本人が誰もまだ見たことのない場所まで連れて行って下さい。
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