先週末に行われたテレンス・クロフォードとWBAジュニアミドル級王者イスライル・マドリモフのイベントは、1000万ドルを余裕で超える損失を出す結果に終わったと複数のメディアで報じられています。

空席が目立つ観客席。「伸び悩む」というにはあまりにも伸びていないPPV販売。

「興行で下手を打ちたいならクロフォードを使え」というボブ・アラムの笑い声が聞こえてきそうです。

「クロフォードは人気のある階級で最強を示しながら、チケットもPPVも驚くほど売れない史上最悪の不人気選手」という、ボクシングファンなら誰でも知っている事実がまたしても念押しされた格好です。

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カジュアルなボクシングファンには無名のマドリモフ、舞台がボクシングで馴染みのない南カリフォルニアのサッカー場という点を差し引いても、赤字覚悟のサウジにとっても損失の大きさは想定外だったでしょう。

それにしても、ここまで人気がないのか…!

今回は「マドリモフ」「馴染みのない会場」に濾過される形で、クロフォードの純粋な人気がいかに凄惨なものかをよりはっきり知らしめたとも言えます。

「クロフォードの毒は強烈。ほんの一滴たらしただけで、そのコップは誰も飲まない」(米国ボクシングニューズ24)。

試合後、サウジ娯楽庁長官トルキ・アル=シャイフは「クロフォードと(米国で傑出した人気を誇る)カネロ・アルバレスとのメガファイト」をほのめかしました。

クロフォードという興行を痙攣させ麻痺させる猛毒を解毒する特効薬はカネロしかない、ということはずっと以前から言われ続けていました。

一方で、カネロ・アルバレスは自分の名前が勝手に持ち出されたことに不快感をあらわにしています。

「どうしてトルキの失敗の尻拭いを俺がしなけりゃならないんだ、ふざけるな」という気持ちでしょう。

クロフォードの人気の無さはもう不治の病です。

マービン・ハグラーが強すぎて憎まれ、注目されたのは、ふてぶてしい態度に加えて、豪華絢爛な対戦相手に恵まれたから。

フロイド・メイウェザーが「睡眠薬」と揶揄されながらもPPVキングとして君臨したのは、品性下劣な言動で世間の注目を集める卓越したセルフ・プロデュースがあったからこそ。

ハグラーの時代とは比べるべくもなく、ボクシング人気は凋落、対戦相手に恵まれないのはクロフォードに限った話ではありません。

また、メイウェザーのようなヒールを極める才能と覚悟を、DQNなクロフォードに求めるのは土台無理です。

時代に恵まれるか、華があるか、どちらか一つだけでもほんの少しでもあれば良かったのですが…。