軽量級市場で圧倒的富裕国である日本が「好き勝手できる」(村田諒太)のは当然の経済原理です。

日本の軽量級ボクサーはホームで世界戦を行うことが圧倒的に多いのに、ライト級(これも直訳すると軽量級ですが)以上になると途端に王者を日本に呼べなくなる、そもそも挑戦するチャンスがほとんどない…。

その理由がわからないボクシングファンはいないでしょう。

軽量級選手の多くは東南アジアや中南米、アフリカなどの貧困国出身で、富裕で体格の良い米国や欧州では層も薄く人気もありません。

軽量級においては、圧倒的な経済力を背景に世界王者を日本のリングに呼び込み、ファイトマネーに比例する承認料をせしめる認定団体もより多くの日本の選手に挑戦してもらい、より多くの世界王者になって欲しいと考えてランキングを作成するのは当然のことです。

プロボクシングとはそういうスポーツです。もし、それをスポーツと呼ぶのなら、ですが。


しかし、極めて稀ですが、日本が好き勝手出来ない軽量級選手も存在します。

21世紀になってからでも、マルコ・アントニオ・バレラやエリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスという軽量級にもかかわらずPPVファイターにまで登り詰めた一発殿堂のメキシカンは言うに及ばず、アブネル・マレスやレオ・サンタクルス、カール・フランプトンらも米国で日本人世界王者と同等かそれ以上の報酬を得ていたのですから,日本に呼ぶには陣営の滞在費なども含めて億は覚悟しなければなりません。

山中慎介はサンタクルスとの対戦を熱望しましたが、人気者のメキシカンの眼中に山中は無く、より大きな試合を求めるサンタクルスは階級を上げ、対戦可能性はなくなりました。

また、彼らは実力も伴っており、挑戦する王者や、防衛する挑戦者を選べる立場の日本からすると、特に大手ジムならわざわざ超強豪を選ぶ必要はなく、山中のようにキャリアの集大成を考えるステージに入った選手が思い巡らすことです。

しかし、そんな悠長に構えていては軽量級では極めて稀にしか登場しないスター選手を捕まえることは出来ません。

井上尚弥の悲しいほど不毛な対戦相手リストを見るまでもなく、軽量級では天然記念物の本物のスター選手と縁がないままキャリアを閉じるのが当たり前です。

バム・ロドリゲスが、そんな天然記念物級の軽量級であることはほぼ間違いありません。

6月29日、アリゾナ州デザート・ダイアモンド・アリーナでリネラル/リング誌/WBCジュニアバンタム級王者ファン・フランシスコ・エストラーダへの挑戦が決まったバム。

早速、立ち上がったオッズはなんとエストラーダが15/8(2.86倍)でアンダードッグ。バムは2/5(1.4倍)、明白に有利と出ています。

サニー・エドワーズとのフライ級最強決定戦は見応えがありましたが、エドワーズがナンボのもん?という話です。

そして、キャリア末期で長いブランク明けのエストラーダ。長らくPFP10傑に名前を刻んでいたこと、まだ惨敗経験がない強豪ですが、バムの機動力と波状攻撃をしのぐには年を取り過ぎました。

ズルい…。また元強豪の老人狩り。

ガジョに圧勝したら、今年のFighter Of The Yearの有力候補にもなるのでしょう。

どうも納得できません。



おい、バム!

バンタムに上げろよ、是非紹介したいノッポのお兄ちゃんがいるから。